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ライラの見えない世界  作者: LOLA BLANCO
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友だちの友だちは友だち(村田樹編)

昨日はあれから悠はライラにどうやって連絡を取れるかを聞いて、

フィーリングが共有できるアプリを教えてもらったらしい。


(変な連絡の取り方(笑))


早速ダウンロードしたらしいのだけど、

ライラのタイムラインに『It's cloudy』と書いてあったらしく、

それはどういう意味だと思う?と俺に聞いてきた。


(・・・普通に天気じゃね?(笑))


そのせいで、結局俺までアプリ入れさせられた。


それはそうと、俺は悠がいないときに、いろいろとハッキリさせておきたいことがあった。

講義が終わり、ライラが席を立つ前に声をかける。


「昨日のは本当?悠と友だちになってくれるの?」


「友だちの定義は、痛みを分かち合えると聞いたことがある。」


(いや、あれ、完全に仕返しに見えたけど(笑))


「それで叩いたのか。(笑)なんか違うけど、まぁ、いっか。」


「・・・」


悠がこんなに生き生きしているのを見たことがなかった。

中学のとき、校内一のモテ男だったせいで、フラれた女子のかわいい嘘が、周りの女子の小さな嫉妬や妬みと結合して積乱雲となって悠を襲ってきた。


(それこそ、クラウドだよな・・)


だけど、ライラと出会って、化学反応を起こしたのだろう。

見たことのない悠のキラキラした姿に、クラウドにも虹がかかったようだった。


(はぁ、それにしても・・・)


(この2人ホントめんどくせー(笑))


面倒だけど、俺とライラの関係性もはっきりさせないとな。


「そういえばさ、俺は悠の友だちだから、友だちの友だちになるから、お前とも友だちだな。樹って呼んでくれ。俺はライラと呼ぶ。」


半ばヤケクソ気味で、一気に話した。

ちょと強引だったかなと思ったが、

悠みたいな友だちになるまでのプロセスを踏む気にはなれない。


「分かった。」


あまりのあっさりとした返事に拍子抜けした。

悠、なんかごめん・・

お前があんなに頑張って手に入れた座を(笑)


そこへ、同じコースの女子、山川亜里沙(やまかわありさ)が話しかけてきた。

山川はかわいい系女子で、ライラと見た目は対照的なメガネ女子だった。

このコースの他3人の女子はすっかりグループになっていて、取り残された感がある。

ライラと仲良くなりたいオーラが、誰が見ても分かるくらいの行動が目立っていた。

一定の距離を保っているけど、小さい子どものようにジロジロ見ている(笑)


「ごめん、瀬戸さんが話してると思って・・・ずっと話したかったけど、あんまり人と関わりたくないのかなと思って。」


山川とは、話したことはないけど、ここは空気を読んで言ってみる。


「ライラ!こいつ俺の友だちだから、友だちの友だちで友だちだ。」


「うん」


(いいのかよっ! )


ほんと・・悠のここ数日の格闘ってなんだったんだ(笑)


「私と友だちになってくれるの!嬉しい!私、亜里沙!私もライラって呼んでいい?」


「うん」


「わぁ、ありがとう!」


悠が教室のドアに寄っかかって見ている。明らかに不機嫌なご様子(笑)


「お、ライラ!お友だちの悠が来たぜ!おーい!」


悠がムッとした表情でやってきた。

分かりやすいやつ(笑)


「瀬戸さん、今日、一緒に帰らない?」


「あ、今日部活に行くんだ。」


あからさまに、悠の表情が曇っていく。


「じゃあ、俺もその部活行くよ!何部?」


「ロボット研究部」


「私も行きたい!」


「俺も!行ってみよ!」


結局、4人でロボット研究部に行ってみることになった。

ふと、スマホを見ると、フィーリングアプリが更新されている。

ライラのタイムライン・・・


『It's sunny』


(やっぱり天気じゃねーか(笑))


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