表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ライラの見えない世界  作者: LOLA BLANCO
4/13

呼応するビンタ

また次の日、ライラが登校する時間、俺は掲示板に向かっていた。

今日は暑いくらいの気温だった。

ライラはもうそこにいた。

どうやら昨日話した蚊の取り方を実践しているようだ。


(・・かわいい)


それにしても、この辺りボイラー室が近いせいか、蚊が多いんだな・・

ライラと同じコースで見かけたやつが、何してるの?とライラに話しかけていた。

ライラの手のひらを見せている。

そいつはギョッとして、慌てて去っていった。


「瀬戸さん、おはよう!」


俺に気付いたライラは、プイッと掲示板に体を戻した。


「何してるの?」


逃げられないと感じたのか、ライラは手のひらを見せた。

指が長くて、指先が少し細い。

刺激のせいで、少し赤くなった手のひらに、めちゃくちゃ蚊が取れていて目を疑った。


「マジで!すげー!20dBがいっぱいじゃん!」


俺は視線を感じて、ライラを見た。

目が合った瞬間、そこからまた目が離せなくなった。


「やっぱり友達でもだめ?」


顔を見ると気持ちが溢れて、ねだっていた。


「友だちはいらない」


(ああ・・・ライラの壁はどこまで強固なのだろう。)


急に気弱になってきた。


突然、後ろから声がした。


「何言ってんだ!もう、俺たちは友だちだぜ!?お前、友だちの定義が分かってないんだな。」


振り向くと、樹が笑っていた。


「友だちの定義?・・」


ライラが呟いた。


その時、ライラの体温に惹かれたのか、

ほんのりピンクに染まった頰に蚊が止まった。


「あ、蚊・・・」

パシッ


俺は思わず、ライラの蚊を退治しようと、平手でライラの頰を叩いてしまった。


ひぃぃーーーーーっ!


やばい!俺は何てことを!


「わァァァァ!ご、ごめん!!」


「あぁーーーーーっ、お前!!!何だよぉー!!!」


樹も俺の行動にうろたえてる。


「瀬戸さん!さっきのはわざとじゃない!こいつを許してやってくれ!」


樹が必死でフォローしている。


ライラは叩かれたほっぺたをスリスリさすっている。


(終わった・・)


(終わるの早かった・・)


「ほんと、ごめん・・」


言い訳が通じそうもないライラから、

現実を受け入れられず、後ずさりした。


「瀬戸さん・・・俺・・」


俺は・・・


その時、ライラがすごいスピードで近付いた。


パッシーーーン


一瞬何が起きたのか分からなかった。

ライラが俺の頰を叩いたのだ。

やっぱり、絶望的状況だった。


(うぅ・・・)


樹も何も言えずに、立ちすくんでいる。


ところが・・・

事実は小説よりも奇なり。

突然、思いがけない言葉を耳にした。


「悠と友だちになる。」


「え?」


「・・・友だちになる。」


耳を疑うようなライラの言葉に、一瞬、俺たちは言葉を失った。


「うそぉーーー!?」


俺と樹は驚きがシンクロした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ