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無垢なる君と十色の世界  作者: 犬養泳治
5/6

『モノ』3

ところに、忘れてました!

基本的に書けたら投稿するを繰り返しているので、書けなかったときは今日のように投稿するのが遅れることもあるかもしれません。

長い目で見ていただけると幸いです。

「それでは、各自お帰りください」


 その言葉を聞きながら、僕の頭のなかは先程までのことでいっぱいだった。もう一年以上近づいていなかったあの小屋に、本当に僕の『モノ』が、それも人がいるのだろうか?










 学校を出てから、家にはよらず、直接あの小屋に行った。一年以上近づいていなかったのに迷いなく着いたことに驚いたが、それ以上に記憶とは別物のように荒れ果てていたことに驚いた。

 蝶番が錆びているのか、ギシギシというだけでなかなか開かない扉を押し開けると、中の様子は記憶とほとんど変わっていなかった。奥へと進もうとすると、


 「うぐっ、ゴホゴホ!」


 入ったときは気づかなかったがどうやら分厚いホコリが積もっているらしい。

 ホコリをたてないようにゆっくりと進んでいると、ここに来てからどれだけたったのかもわからなくなってきた。5分なのか10分なのかも曖昧なのだ。

 置かれたものを避けながら進むと、着いたのは壁に取り付けられた梯子だった。小さいときはこれ以上進んではいけないと言われていたが、あの少女がいるとしたら2階しかない。




 それからしばらくしても、僕はまだ梯子の上だった。別に梯子が長いわけではないのだ。ただ、目にしているものが信じられないのだ。梯子の先、2階に上がってすぐのところにあったのは、上半分が透明な、横倒しになったカプセルのようなものだったのだ。僕が固まっていたのはこれを見たからだ。


(なんだ、あれ!? 縦3m(メートル)、横1mくらいあるか? あんなもの、どうやって2階まで持ち上げたんだ? いや、そんなことよりもあれは近づいたりしても大丈夫なのか?)


 あの少女を探さなくてはならない。頭ではわかっていても、進めないのだ。結局、同じようなことを繰り返し考えて、とりあえず梯子を降りようとする。するとなぜか、今まで気づかなかったプレートのようなものに気づいた。カプセルの上半分と下半分の境目のようなところに取り付けられていた。

 掠れたり、削れたりしてほとんど読むことはできなかったが、それは、


【S0※※※R※A※※】


と読めた。

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