トラップの森、攻略です!
外に出ると、なかなかどうして暗い。
月明かりがこの森へと続いている道を照らしていると言っても過言ではない。
鳥たちが騒ぎを辞める時間帯。
もう深夜であった。
「中々いい感じの魔物が出そうな時間帯だな」
昔、と言っても2年前、つまりは3歳の頃に聞かされたことだが、この森は深夜帯になると、A級が多く出現するという。
魔法に階級をつけているあたり、この魔物のランクにも階級がある。
一番下からE、D、C、B、Aの計5級存在している。
A級のその先も微かに研究でわかってきてはいるが、人類にはいまだかつてA級のその先にたどり着いたものはいないという。
まぁ、そんな中、果たして森の入り口に到着する。
「鬱蒼と草木が生い茂っているな。やっぱ話に聞いた通りだなぁ」
一人でこんなことを言っていても仕方がなく、ブツブツと独り言を言いながら歩いていく。
がさっ。いきなり後から音がして、一気に脳が冷めた。
大体今立っている位置から直ぐに跳躍し、背後を取られないように気を配る。
鬼が出るか、蛇が出るか。
がさりがさりと草木を跳ね除けていく音が聞こえる。
遂に姿を見せるか……!?
現れたのは、なんと知っている顔だった。と言うよりかは、今家にいるはずのヒールとネールだった。
「…………………………はい?」
今自分の顔は鳩が豆鉄砲を食ったようだったろう。
冷めた脳が一気に通常に戻り、運転を再開。
「なんで来ちゃったの?」
「な、なによ。好奇心に負けたのよ。ヒールがいこ?って言うから」
「お、おねいちゃん!その、パーシバル君が気になっちゃって」
成る程わからん。
まぁ、二人とも物音が聞こえてなんだと思ったら僕が見えたわけだ。
ここまでくると、毒を食らわば皿までとよく言ったもので、魔法の練習をすることを明かした。
「見てもいい?」
と、癒しのヒールが言うので了承し、早速初めて使う魔法にワクワクしながら魔物を探す。
すると、危険度B級の蔓状の生き物、マッドルに出会う。
瞬時に冷えた脳を使い、魔法を展開。
まずは属性水の最上級魔法から。
「行くぞ。"ウォーターハザード"」
その解き放った最上級魔法は、上から水を落下させ、地形を歪めるほどの水量と、身を切り裂く激流が伴う魔法。
食らったら一溜まりもないだろう。
勿論、想像に難くなく一撃。
然し、此処でよかったのだろうかと疑念が湧きつつあるが、近場で好条件と言ったら此処しかない。
我慢すればいいことだし、素材なども手に入ったりするので、それ込みでは中々いいとは思うが。
歩いて行くにつれ、どんどん敵が集中してくる。
途中、ヒールとネールが危なそうになったが、炎の最上級魔法(威力控えめ)を放ち、難なく撃退。
その後、自分は殺人機械であると言い聞かせ、どんどん敵を薙ぎ払って行く。
薙ぎ払ったその先には淼渺とした湖が広がっていた。
濃い匂い。敵の匂い。魔物の匂い。
突如として、龍型の魔物が現れた!
魔本で見たことのない、未確認であり危険度のわからない、然し見た限りではA級など目ではないほどの危険度。
直ぐにヒールとネールを水の最上級魔法の防御力倍加の魔法を掛けて、安全な方に避難させる。
「グワァァァァアアアアアアアア!!!!」
何という絶叫。
耳をつんざき、戦闘意欲を掻き乱す程の咆哮。
そして有り得ないくらいでかいと来たもんだから、少しクスッと笑ってしまう。
パーシバルの行動に苛立ちを覚えたモンスターは、ブレスを放つ。
そしてブレスを放ったかと思うと、衝撃波を何度も何度も繰り出す。
1度目のブレスは水の最上級魔法で防御し、繰り返し繰り出される衝撃波は危なげなく回避していく。
然し、此れは不味い。
中々自分が攻撃できる糸口が、おかしいほどに見つからない。
だから、煽ってみることにした。
「おーい!そこのウスラトンカチ!木偶の坊!ノータリン!お前の攻撃なんて一度も当たらないし、当たったとしても塵に等しいんだよ!悔しかったら大技放って弱らせてみろよ!おいおいおい!弱いぞ!打ちが足らない、打ちが!早くどうにかしてみろ!人類に当てられないんなんて、とんだお間抜けだな!」
何か切れる音がして、その龍の口にエネルギーが集中していくのが伺える。
どうやら挑発成功のようで、もう龍は周りのことなど見えていないだろう。
此方も、大技を使うことにしよう。
自分の魔法は10億程の数があり、その中での最強の魔法。
自分で名付けた、神級魔法。
「"フロンティアファイアデスローズクロス"」
放った魔法は、火で大きなリングを作り、リングの中で薔薇の様な魔法が形成され、次に何が起きるかというと薔薇が枯れる様な動作が入り、そして十字に炎が充満していく。
此れが蹂躙の果てと言わんばかりの炎属性ガチ魔法の威力。
その龍型の魔物は死に絶え、これで勝利が確定される。
心中は高揚感でいっぱいになり、ヒールとネールを防御魔法から出してやるのだった。




