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ケイから見ればバケモノである。

「おい、おい、おい。」

そんなバケモノが口を開けた。

「まさか、まさか。」

バケモノが口を開けたままケイへと突進をした。いや補食である。なんとか転がって難を逃れたケイであるが、恐怖のため震えが治まらない。

「クソが。俺はエサじゃないって!!」


ケイは選択肢がない分、行動は速かった。『英雄憑依』。これ以外に戦う方法はないのだ。

ただ誤算であったのは以前開いていた「わからない」フォルダの一番上を選択した事であった。

「ちょっ、待てよ。」

勿論スキルは待ってくれない。頭の中にアナウンスが響く。

「『虎殺しの勇士』鮑隆、憑依を実行します。」

ケイがオッサンに変化するわけではない。しかし鎧が鱗鎧へと、肩には矢筒、手には弓、腰には山刀が。憑依させた英雄に相応しい装備品が現れている。


「これは面妖な!」

ケイの口からケイの意図しない言葉が漏れた。

(え?憑依ってこうなるの?)

「頭の中で喚くな!狩りの邪魔だ!!」

会話も不自由だが可能なようだ。矢が2本放たれた。ケイにはいつ、どのように放たれたか理解ができない。放ったのはケイの体だというのに。2本の矢は的を外す事なくバケモノへと当たる。だが体表を覆う粘液によって体へと突き刺さる事はなかった。

「ぬう!!」

バケモノは再び口を開けて突撃を開始した。鮑隆は大山椒魚から目を離さぬまま木を蹴り、樹上へと登る。

キリキリキリ

足をひろげて腰を落とし、体を斜にして弓を引き絞る。ハッと放たれた矢はケイを探していたバケモノの右目を貫く。

「相手が悪いと知るがいい。桂陽の鮑隆。貴様を狩る者の名よ。」

バケモノは右目を貫かれた痛みでのたうち回っている。声なき声。口を開けて叫んでいるようでもあった。そこへ充分に引き絞った矢が吸い込まれ、命を奪った。


ビクン!ビクン!!

痙攣をしている巨大なバケモノが横たわっている。

「まだだ。ケモノは最後が恐ろしい。確実に死ぬまでは油断してはならぬ。」

樹上から降りる事なく、目を逸らさず。冷徹に死を看取る狩人。それはバケモノが動かなくなるまで続いた。


「レベルがアップしました。体力が2上がりました。筋力が2上がりました。速度が2上がりました。魔力が2上がりました。精神が2上がりました。運が2上がりました。成長促進スキルにより加算されます。レベルが上がり・・・。」

頭の中にアナウンスが流れる。こうして何もしないままケイの初戦闘は終わりを告げた。



名前:ケイ

性別:男

年齢:16

レベル:8

HP:695

MP:655

体力 39

筋力 39

速度 40

魔力 31

精神 31

運 31


限界突破

成長促進

魔の核

降魔の支配

英雄憑依

薬草の知識

薬学の知識

手当て

修復魔法


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