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「我が国では、あくまで我が国ではだ。このヒノモトでは違うかも知れないから少年が気に病む必要はないのだぞ。

一般的な兵士はHP300、体力50、筋力50以上が採用の目安だ。ここから訓練を積むから正規の兵士はこれ以上ある。

その、なんだ。少年には戦いは向いていないのではないか。」

非常に、非常に言いにくそうにカノン・ビールは事実を告げる。

「その筋力では弓も引けまい。その体力では金属の鎧を着たまま行軍も無理だろう。何より体力が10ではHPは100程度なのだろう?すぐに戦死してしまうぞ。」

女騎士カノンが告げる事実はケイを打ちのめしていた。基礎の能力値が10だったのだ。それではスキルを選ばずに平均的に能力を上げていても平均以下ではないのか。

そしてもう1つ。自分のHPは高い方ではないのか?

「えと、すいません。HPは100くらいが普通なんですか?」

「まさか、100ないのか!?体力×5+基礎値になるはずなんだが。基礎値は大体50くらいで30~100が多い・・。いや、すまない。少年には酷な話だな。」

完全にダメな子扱いである。

「じゃあMPも?」

「計算方法は魔力を元に計算するんだが・・・。皆にMPがあるわけではない。一般的には10人に1人あるかないかだ。もっとも貴族の方ともなれば3人に1人はお持ちらしい。私もMPは持っていないから魔法は使えん。いや、少年に話す事ではないか。」

恩恵は人より多いHPとMP・・・。それ以外はハンデを背負っての開始。成長をしなければ生きていけない。成長させる事を目的とした神様らしい初期設定だ。


黙りこんだケイを見て、ショックを受けたと思ったのだろう。

「わ、私は休むぞ。少年も休め。」

そう言って騎士は背を向けてしまった。


己の切り札は『英雄憑依』である。

スキルを発動するとウインドウが虚空に表示され、一覧を見れる。その中から1人を選ぶのだ。関羽、張飛、呂布。名だたる英雄もいれば知らない名前もある。三国志の英雄が対象のようだ。問題は名前しかわからない事である。憑依させたい英雄の能力などは表示されていないのだ。これでは戦闘時に文官を憑依させてしまう恐れすらある。

並び替えやグループ分けの機能はあるので「武将」「文官」「軍師」「その他」「わからん」に分けていく。三国志の知識など漫画やゲーム程度しかなく、しかもほとんど覚えていない。・・・。

どうしよう。


考えこんでいたらお腹がなった。そういえば何も食べていない。食べ物は持っていないし、山中にある物は何が食べられるか分からないのだ。キノコを食べたら毒キノコとか、笑うに笑えない。

・・・。魚しかないか。


少し歩いた所に川はある。水はここから調達していた。とはいえ今のケイは手ぶらである。

「あの岩かな?あ~、爺ちゃんにばれたら殺される。」

重い石を持ち上げ、目当ての岩へと投げ付ける。何も起こらない。

「違ったかな?じゃあ、あっちの岩かな?」

また重い石を持ち上げて目当ての岩に投げ付ける。すると数匹の魚が浮かび上がってきた。当然禁断の漁法であり、全国で禁止されている。釣り師の祖父にばれたらただではすまない。

・・・。

「爺ちゃん、ゴメン。魚喰わなきゃ俺が死ぬ。ちゃんと全部喰うから許して。」

6匹の魚を回収し川を後にする。いや、出来なかった。

巨大な生物が姿を現す。体長2メートルを超える大山椒魚。ケイの行動に対し川からの反撃が始まろうとしていた。

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