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ドリームダイビング

挿絵(By みてみん)






課題「興味のある製品についてメリットとデメリットを踏まえて自由に論述せよ」

                                                                           

 「ドリームダイビング」というワードを耳にしたことがある人は、現時点でどれくらいいるだろうか。まだまだドリームメーカーの普及は進んでいないので、その詳しい内容を知っている人はほとんどいないだろう。ドリームメーカーとは、2027年にアメリカで開発された、見たい夢を自在にみることのできる小型の電子機器のことである。

 人々は、イヤホンのような小型の機械を耳のあたりに軽く差し込むだけで、自分の望むシナリオを夢の中で思う存分楽しむことができる。これを利用者は皆「ドリームダイビング」と呼んでいる。これなら麻薬を吸って空を飛ぶよりも遥かに安全である。

 私も先日、父親の知り合いであるデザイナーを通して、このドリームメーカーを手に入れたが、これがなかなか面白いのである。ドリームメーカーには、あらかじめいくつかの短い夢シナリオがインストールされており、ネットに接続すればさらに新しい夢を購入することができる。ドリームメーカー本体の値段は18万円ほどで、インストールできる夢の値段は大体1000円ほどである。デザイナーに頼んでオーダーメイドすることも可能であるが、物によっては数千万もするという。数ヶ月前、アメリカのハリウッドスターが、自分の夢に10万ドル払ったという話も記憶に新しいのではないだろうか。

 しかし、現在このドリームメーカーの生産を中止しろという声があとを絶たないのである。

「子供に悪影響である」「夢と現実の区別がつかなくなり、犯罪に走る者が出る」といったような意見は、ずいぶん前から出ていたが、ドリームメーカーを取り扱う会社側は、対象年齢を引き上げるなどの対策しかとってこなかった。

 そしてついに三日前の8月6日、カナダで事件が起こった。

 ドリームメーカーを使用したトロントに住む10歳の少年が、2階の窓から外にダイブし、足の骨を折るなどの大怪我をしてしまった。少年が「目が覚めたことに気がつけなかった」「ドリームダイブした時は、空を飛ぶためにいつも窓から外に出ていた」などと証言していることから、いずれも事故の原因はドリームメーカーであることに間違いはなさそうである。

 これから先、ドリームメーカーの生産がどうなってしまうのか定かではないが、私自身ドリームメイカーを使用したあとに気分が悪くなったことが何度かあるので、今後この少年ような事故を繰り返さないためにも、今よりも厳しい取締りが必要であると考える。もっと現実的な対策を検討するべきだろう。

 




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