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ショタと言うより女扱いされるけどもうこれでいいや

 謎はしばらく後に解くと言ったな。あれは嘘だ(メイトリクス並感)

 街道から街へ至る方角を把握した俺は、罠を仕掛けに一度家へ戻った。よし、特に荒らされてないな。


 それから残りの一日かけて罠を仕掛け、仕上げに指向性地雷(クレイモア)を設置したのでよしとする。


 翌日、換金出来そうな金の延べ棒を1本持って街に行くことにした。冒険者がいるならギルドもあるだろうし、そこで買い取ってもらえるだろう。ついでにゴブリンの耳も。




 街の前まではあっけなく着いた。


「こんにちは」


「はい、こんにちは。冒険者かな?」


 門番が尋ねてくる。


「いえ、どうも家で身体を動かしていたら森の中に飛ばされまして、良く分からないので近くの街という事でこちらに来てみたんですよ」


「そうだったのか。だとすると君は「転移者」だね」


「転移者とは?」


「転移者って言うのはね、何百年前かな。勇者召喚に使われてた遺跡の暴走の名残で召喚されるものの事を言うんだ。何年かごとに無機物有機物問わず大きさもばらばらでね。大きさがそれを上回っていると発動しないらしいんだけど、対象を囲んでいたら発動するとか。私が知っているのはそれくらいだよ」


「そうだったのですか。ありがとうございます」


「もっと詳しいことは冒険者ギルド辺りか魔術ギルドに聞けばいい。冒険者ギルドは色々な職が集まってくるって言う理由から情報が途切れないし、魔術ギルドは魔法陣に詳しかったはずだよ」


「色々とありがとうございます。そうだ、森の中で人がゴブリンに喰われていて、ゴブリンは倒したのですがその人は間に合わず、せめてもの遺品としてこれを届けようと持ってきたんです」


 そう言ってタグを出す。


「ギルド証か。助かるよ。その冒険者の特徴とか分かるかな?」


「はい、ショートソードって言うのかな?短めの剣を持っていて、革の鎧を着ていました。性別は残念ながら柔らかい部分から食われていたので分かりません」


「そうなると多分リロイの奴か・・・・・・あの馬鹿、森には入るなって言ってたんだけどな。わかった、ありがとう。おお、そうだった。名前を教えてくれないか?入出の時に確認するから」


「雪人です」


 由来は生まれた日は雪が降っていたからだとか。昔式の名づけ方だよ。


「ユキトね。ようこそ、レッドクリフの街へ」


 赤壁かよ。大仰な名前だな。




 背負ったショットガンは短槍として見せるために銃剣を着けたまま鞘に入れ、肩にかけていた。そして特に問題も無く冒険者ギルドとやらに辿り着いた。


 中に入るとなにやら笑みを浮かべるもの、俺の格好を物珍しげに見るもの、俺を女だと思っているのか声をかけようと近寄ってくるものがいた。


「お嬢ちゃん新入りか?何なら俺達が案内しようか?」


「いえ、受付でギルド証を渡しに来ただけなので、それとお嬢ちゃんじゃないです」


「それは失礼した、レディ」


「いえ、俺は男です」


「いやいや、そんな可愛い声で言われても説得力無いよ」


 俺そんな可愛い声してたかなぁ。高かったけど、きゃいきゃいしてる女の子達よりは低かったつもりだったんだけど。


「いえ、そんな事言っても胸・・・・・・はプロテクターが邪魔で触れませんね。諦めて信じてください」


「そうよ!そんな可愛い・・・・・・もとい男って言ってる子が居るんだから放してあげなさい!」


 振り返ると、170オーバーのいかにも女戦士って感じの人が立っていた。日本国民的ロールプレイングゲーム基準だけど。


「レ、レイラ・・・・・・」


「大丈夫?あいつに変なことされてない?」


 そう言いながら俺の尻を撫でてくるレイラとやら。顔が整っているから不快では無いんだが、揉み方に遠慮が無い。


「いえ、大丈夫です。それより俺の尻を揉まないでください」


「まあ、軽い挨拶だよ。困ったときあたしに声かけてくれればなんとかしてあげるからね」


 確かにボインボインなお姉さんに気にかけられるのは悪くないんだが。


「では、受付はあっちでいいんですか?それと、転移者なので詳しい話を聞きたいのですが」


「あっちは受付じゃなくて換金所だよ。何か討伐した証とか納入するものとか持って行くといい。転移者については・・・・・・リース辺りが詳しいかね?」


 触手の嫁か?


「リースさんと言う方は?」


「受付嬢さ。転移者って言えば時間割いてくれるから、あっちの3番だ」


 そう言って指す先にはなぜか異世界の文字でも読める「3」の文字が。書くのには練習が必要かな?


「分かりました。ありがとうございます」


「あたしはレイラって言うんだ。あんたの名前は?」


 そのままスルー出来るかと思ったんだがそうはいかなかったか。


「雪人といいます」


「ユキトね。また今度ね」


 もうちょっと付きまとわれるかと思ったが、あっさり引いたな。まあいい。


 俺は3番受け付けに並ぶことにした。




「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょう」


 そこにはエルフが居た。全体的に線が細くて妖精っぽい。髪は肩甲骨あたりまで伸ばしているかな?


「すいません、ギルド証を渡しに来たのと、レイラさんから転移者についてはこちらで尋ねればいいと聞いて来ました」


「まあ、そうだったんですか。まずはギルド証をの手続きを行います。ついでにギルド登録などは致しますか?」


「免責事項を確認出来る用紙などがあればそれを読んでからお願いします」


「かしこまりました。では、ギルド証をこちらへ」


「はい」


「マリア、ギルド証の照合お願い。失礼しました。では、転移者について説明致しますので、別室へご案内致します」


「お願いします」


 やっぱりこういうのは周りに聞かれないほうがいいんだろうか。




「それでは、転移者について説明致します。どの辺りまでご存知ですか?」


「大昔の勇者召喚の名残で、色々な大きさのものを何年かごとになんでも召喚してしまうとか」


「大体その認識で合っています。付け加えますと、勇者の素養が有っても全盛期を過ぎていたりする場合があるので、無機物ならば可能な限り一番使いやすいところまで、生き物の場合、その生き物の意識によりますが、幼ければ成長し、老いていれば若く複製されます」


 ん?


「複製とは?」


「申し訳ありません。複製とは、本体を召喚するよりコストのかからない方法として遺跡に組み込まれた機能です。これにより、転移元から行方不明者を出すこと無く、勇者を召喚することが出来るようになったと伝えられています」


 どちらかと言うと黒球のほうだった。


「俺は俺なので、俺の意思がここにある限り複製とかは気にしないほうがいいですね」


「重ねて申し訳ありません」


「大丈夫です。過ぎたことなので」


「では、そのように。転移者との事なのですが、国に保護を求めますか?」


「いえ、拠点は既にあるので大丈夫です。それより魔術ギルドと、もしあるなら錬金術関係のギルドにも行ってみたいのですが」


「かしこまりました。紹介状を後ほどお渡しします。他に何かございますか?」


「いえ、今回はもう無いです」


「かしこまりました。それでは討伐証はギルド登録の後になりますので、免責事項をご確認ください」


「はい」




 免責事項には特に問題のある点は書かれていなかった。


 登録は無料だが、銀貨一枚での講習を受けるとGではなくFランクから始められること、


 討伐はFランクから、Gランクでもプラスマイナスで合計10回依頼を成功させればFランクに上がれること、


 依頼の失敗は違約金と、場合によっては依頼元への弁償などを行わないといけないこと、


 挙げる点といえばこれくらいか。Gランクからのギルド退会処分は失敗より迷惑行為が重視されるらしい。


 俺は早速(故)リロイさんの銀貨で講習を受けた。じゃないとゴブリンの耳を換金出来ないからだ。そういう時Gランクは街の中でランクを上げるらしい。手紙を届けたり荷物を届けたりペットの捜索をしたりで。


 講習も免責事項以上の難しいことは言わず、それから軽く講習員と手合わせしたり後衛なら火力を見たりして済ませるとか。


 俺はいずればれると思ったので、遠慮なく後衛枠で通した。


「お前か、短槍使いなのに後衛枠なのは」


 講習員が変な顔をしている。


「はい、何か的はありますか?ゴブリン程度なら軽くあしらえる火力があるので、人に向けるわけにも行かないんです」


「面白いことを言うな。いいだろう、あそこに鎧を着たかかしが立っているだろう。それに向かってなんでもいいから撃ち込んでみろ」


「分かりました」


 鳥撃ち用散弾(バードショット)鹿撃ち用散弾(バックショット)だとパターンがばらけて危ないかもしれないからな。一粒弾(スラグ)でいいか。


 ショットガンをジャッ!と引いた後、薬室に一粒弾(スラグ)を滑り込ませてコン!とフォアグリップを戻した。


「耳を塞いでいてください」


 一応声をかけて、かかしを狙う。


 ドォン!と言う音と共に鎧のど真ん中に穴が空くかかし。後ろはもっと酷いことになっているだろう。


「こんな具合です」


「じゅ、十分だな」


「それと、こういうのは必要以上に手札を晒したくないのであまり吹聴しないようお願いします」


「あ、ああ」


 これで無事講習が終了となった。




 講習が終了したので、俺はギルドの机の一角を占有し、書き写しを行っていた。読めるけど書き順が分からないので、レイラに頼んで教えてもらっていたのだ。


「そこだけ見るとうらやましいね。転移者ってのは。文字もすらすら覚えちまう」


「そうですね。実際若返りもしましたし、複製って言うのに気を止めなければ文句は無いです」


「へえ、ほんとは幾つなんだい?」


「70近い老人でしたよ?」


「こんなに可愛いのに70近いって言われても現実感無いね・・・・・・」


「ほんとなんでここまで若くなったんでしょうね?成長が止まるのはもうちょっと後だったんですよ」


「歳を取りすぎてたからじゃないかい?それで若くありたいとか考えてたりしてなったとか」


「ありえそうですね」


「にしても、話しながらよく書けるね。ちょっと試してみようか。うりうり」


 レイラは俺の頬をぷにぷにと摘まんできた。


「流石に視界に入るのでやめてください」


「もちもちしててあんた本当に70近い爺さんかい?もうこの際それでもいいや」


「何かお礼しようと思いましたけど、レイラさんがその調子なら別にいいですよね」


「ごめん」


 あっさり手を引っ込めた。


 そこからささっと書き取りを済ませ、問題が無いのを確認したのでゴブリン耳を換金し、その中にあの赤黒い奴の耳があったので銀貨を3枚貰った。他のゴブリンは全て銅貨である。リロイさん、これ割に合わないって。


 それでも他者の命を奪うと、相手のオドを吸収し身体が強化されると言う。大昔にはそれを数値化する方法があったらしいが、ドラゴンの1と人間の100では人間は勝てないため、無意味と判断され、今はもう測定技術が廃れてなくなったとか。


 俺もあいつ等を殺したときに何かレベルでも上がったのかな?と思いつつもレイラと安くてたくさん食べれる飯屋に案内してもらった。延べ棒は貴金属屋辺りか錬金術ギルドにでも行ったとき換金しよう。

 人間と熊では同じものを食べていても、熊の方が圧倒的に強いのでレベル制はなくなりました。レイラさんはビキニアーマーではなく、クロースアーマーにブレストプレートです。それでも隠し切れない胸部装甲。

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