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女騎士って高性能ジョブなのになんで単騎でオークに突っ込むんだろう

 今回は2時間半くらいで書きあがりました。早いほうじゃないかな?

 ビリーたちと古城のダンジョンに行ってから数日、討伐証がいらないとのことでむしろ効率の良い狩場だと知った俺達はほぼ毎日ダンジョンに入り浸っていた。


 後は暇を見て擲弾に使うTNTを、石油からトルエンを作りそれを硫酸と硝酸を魔法陣に置いてぱぱっと作った。後は信管を付けて、グレネードランチャーが耐えれるギリギリまでシングルベース火薬の量を増やして射程を伸ばした。


 そろそろお金も貯まるから近いうちに今持っている銃のデッドコピー品を作らないといけないなーと考えつつ、「疾風の牙」に教えてもらった店に行くことも検討している。ミスリルをネジ切りするにはアダマンタイトを使わないといけないと思ったのだ。


 ショットガンはポンプアクション式の4ゲージ、つまり25.2mmほどの大きさにすればグレネード弾を撃っても十分に効果が出るだろうし、FRAG-12と言うAA-12専用の榴弾を作る必要も無い。


 しかしそうなるとバレットM82のカスタム品のアンダーマウントに取り付けないといけないな。いっそそれもミスリルで作るか。トレントにはAPFSDS弾必要かなとも考えてたけど、.50BMG弾だったらまだ通常弾頭で何とかなるし。セミオート可能な代物だからフルオートに改造も可能だ。これで一時期MAC11などの民生品がフルオートに改造されて出回っていたらしい。


 グレネードランチャーはイサカM37とFN EGLMを元に設計図を引かなければいけないな。と考えつつ、装備を整える。最近はFN SCARが鉄板だ。大体は点射でなんとかなるし、俺がバーストで牽制している間にシャーロットが魔法を完成させるので今のところあまり怪我らしき怪我をしたことが無い。


 もちろんリリウムも役に立っている。大きな音に弱い分、小さな音に敏感で俺が探査を使っていないときに敵を察知したり、最近は敵の設置した罠を逆に利用して別の敵を罠にかけたりしている。針やクロスボウが多いが、大抵毒針だし、クロスボウもクランク式の強力な奴なので出鼻をくじくのに十分に役に立つ。それとリリウムのトラップツールの中に最近は針を撃針に変え、短銃身に拳銃弾をセットして攻撃力を上げている。これならまだリリウムもなんとか我慢できるらしい。


 そんなことを考えながらも装備は整った。今日からはメンバー募集と言う事で、盾役か回復役を1名募集する。複数はその来た面子が知り合い同士だったら派閥が出来るので避けたい。




 今日は募集要項に「体験メンバー募集 盾役か回復役1名 待遇要相談 Fランクから 当方Dランク リーダー ユキト」と貼り出しておいた。別に決めなくても良いんだけど、パーティ名とかも考えたほうが良いかな?


「でも、盾役と回復役が同時に出来る職があるのよ」


「そうなんですか?」


 ああ、聖騎士とかそんな感じのかな。


「聖騎士って言うんだけど、気位が高くて難しい人が多いわ。まあ、私とユキトがある程度回復魔法は使えるからそういうのでも良いんでしょうけど」


 そんな話をしているといかにも女騎士って感じの人が来た。縦にやや緩くロールした金髪にプレートの上からサーコートを着ている。


「失礼、募集を見てきたのだが、盾も回復もこなせる人材はいかがか?」


 なんか生真面目そうだ。


「ええ、構いません。それでは俺は一旦募集要項を剥がしてきますので、かけてお待ちください」


「了解した」




「それでは自己紹介をお願いします」


「エディン王国で聖騎士見習いをしていたフランシスと言う。現在は武者修行中だ。現在登録したばかりでFランクだが、足を引っ張らぬよう尽力しよう」


「俺の名前は雪人、こっちはシャーロットとリリウムです。武者修行中とのことですが、どの辺のランクまで上げることを想定していますか?」


「団長からは一人前になったら戻って来いと言われている。故にAランク、可能ならばSランクまで上げたい」


 あ、この人箱入りだ。多分貴族だけど平気でSランクとか言っちゃってるし。


「分かりました。では、特技などはありますか?」


「剣術と斧槍術を学んでいる。他には法術などの浄化や回復の魔法だな」


 魔法と法術は根本的には同じだが、魔力を捧げる対象がこの世界の神になると言う点が違う。魔導士がどう頑張っても回復魔法が二流で終わるのはここが原因だ。


 おまけにこの法術、魔法を齧っているとその分だけリソースが割かれるのか、使いにくくなるのだ。だから基本神官や聖騎士、そして魔導士は住み分けが出来ている。そして神官と聖騎士も武器に刃物の所持が認められていないか認められているかくらいの違いでしかない。


「盾は使えますか?」


「もちろんだ。聖騎士が守れなければ話になるまい」


「分かりました。まず、体験期間と言う事で採用します。まずは軽くゴブリンやハウンドドッグなどでお互いの連携を確かめましょう」


「少々物足りぬが、確認は必要だな。了解した」


 こうしてオークに弱そうな女騎士、フランシスが体験入加した。




「まずはどの程度か実力を見せてもらいます。危なくなったら手を出しますので、誰かを守ることを想定して盾を装備してから戦ってください」


「分かった」


 そう言ってフランシスは背中に背負っていたハルバードと盾を取り出した。それだと機動力が落ちないか?


「では、探査」


 敵を探る。


「あっちの方向に丁度一匹居ます。やってみてください」


「任された」


 フランシスは鎧をガッチャガッチャと鳴らしながら、ハルバードを腰だめに構えて小走りで駆けて行った。うむ、あれだと奇襲は出来ないな。


 俺達もそれを追う。


「害獣が!死ねぇ!」


 槍捌きは見事なんだが、毛皮のことを全然考慮してないな。背骨からぐっちゃり潰している。


「はい、フランシスさん。討伐証を剥ぎ取ってギルドで換金するまでは気を抜いてはいけません。回収してください」


「分かった」


「それとフランシスさん。俺も最初の頃はそうだったんですが、過剰な攻撃で毛皮をダメにしています。急所に一撃が理想です」


「・・・・・・分かった」


 むっとしているな。


「出来ればカウンターの取りにくいハルバードではなく、剣の方がいいでしょう。次は剣でやってもらえますか?」


「構わん」


「次行きます。探査」


 3つの反応が出る。


「3体の反応がありました。シャーロット、リリィ、2体は任せるから、フランシスさんが集中出来るようお願いできますか?」


「わかったわ」


「はい、お任せください」


「では行きましょう」


 そこには1匹の死にかけたイノシシを取り合うブラックゴブリンの姿が。こっちに気付いてないと緑で反応するから分かりにくいんだよ。


「予定変更です。シャーロットが1体、リリィがもう1体に攻撃を仕掛けて、向かってきたブラックゴブリンを受け止めて、足止めしてから仕留めて下さい。最悪リリィのところまで行かせなければいいです。


「ええ」


「はい」


「分かった」


 万が一に備えて俺も銃を構えておく。


「凍りつけ」


 片方のブラックゴブリンが氷の彫像と化す。それでもう片方がこちらに気付く。


「っ」


 リリィが動きを阻害するためにブラックゴブリンの胴体に短矢(ボルト)を撃ちこむ。イノシシは足を怪我してるせいか動かないから大丈夫か。


「ギィ!」


 悲鳴を上げるも、リリィに向かって襲い掛かろうとするブラックゴブリン。そこにフランシスが割り込む。


「はぁ!」


 盾の強打(シールドバッシュ)により、大きく姿勢を崩すブラックゴブリン。上体が泳いでいるのをフランシスは見逃さなかった。


「てい!」


 喉に一突き。素早く引き抜き、同時にブラックゴブリンを蹴り倒すことによって極力血がかからないようにしている。


「集団戦になると突きは抜く動作をしなければいけないので控えたほうが良いです。ですが、今のは良かった。残心は必要ですが、喉ならば引き抜くのも胸より楽なので大丈夫だと思いますよ」


「今のような感じを掴めばいいんだな?」


「はい、後は出来れば突きより斬ることを重視したほうが連撃に繋がるのでお勧めです」


「分かった・・・・・・フランだ」


「はい?」


「フランと呼んでくれ。それと、背中を預ける仲間にいつまでも敬語はむずかゆい」


「フランとだけ呼ばせてもらいます。背中を預けるには今度は俺の力を見てもらってからではないと早計ですよ」


「それもそうだな」


 この時点で内心彼女に及第点を与えていた。後の合否は銃を見てどう反応するかだな。

 フランシスだと男性名でもあるらしいのですが、日本だとフランシスでもフランセスでもいいようなのでこちらを採用しました。

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