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この世界では甘味を取るのも命がけ

 最近一つのお題に集中して描写したほうがいいような気がしてきました。

 リリウムのレベルも問題が無くなり、リリウムがEランクに上がり、みんながDに上がれるポイントが貯まるまで待ったので、この際まとめてDランク試験を受けようと思った。


 なので、ウィルキスの街の冒険者ギルドで試験を受けるため、準備をしている。


「でも、ここまでハイペースなのもなかなか無いのよ」


 シャーロットが言う。


「そうなんですか?」


「そうよ。日銭稼ぎのGランクでも無いんだし、3日に一度稼ぎに出れば良い方ね。それを毎日だなんて。私は実験と検証も兼ねてたから言わなかったけど」


「リリィは気付いてた?」


「いえ、リリウムはFに上がりたてな頃にあの件があったんでよく分かりませんでした」


「あー、そっか」


 デリケートな問題なのでコメントしづらい。


「お兄様、気にしないでください。それにお兄様が助けてくださいましたし」


「分かった」


「それにしてもここの試験はなんでしょうね?町ごとに違うから分からないのよ」


「事前情報が無い分、何が来てもいいように準備しておきましょう。白なら各自1本は買えるので、後は3本ずつ黄色を持つ形で行きましょうか」


 白のポーションより上が無いか聞いてみたら、霊樹の葉で作ったポーションがさらに上にあるらしい。




「Dランク試験はメープルトレントの樹液を採ってきてもらいます」


 受付嬢のアリアからそう言われた。この子はレッドクリフに居るマリアの姉らしい。


「厄介ね」


「そうなんですか?」


「トレントは普通の木に擬態してる上、樹液となると火と土属性は使えないわ。土は混じるし。ウォーターカッターならいけると思うけど、普通は硬いし近接戦をする職は斧か鉈で枝を刈り取るくらいしか出来ないわね」


「説明を続けさせていただきます。メープルトレントはここから南の森に居ます。パーティの募集は自由ですが、10人を超える人数は却下と致します。もちろん3人だけでも構いませんが。何か質問はございますか?」


「樹液はどのくらい集めれば?」


「この瓶10本がいっぱいになるまでです」


「わかりました。樹液はろ過してから使うのですか?」


「はい」


「では、多少木片が混じっても問題ありませんね?」


「問題ありません」


「みんなは何かありますか?」


「無いわ」


「ありません」


「ではアリアさん、質問は以上です」


「分かりました。では、ご健闘をお祈りしています」


 今のショットガンでは火力不足かな。別のを引っ張り出しておこう。


 そう思い、何が良いか思案するのであった。




 武器を選び、準備もし終えたのでこのまま3人で行くことになった。レイラにばかり頼れないし。それに初の敵に即席パーティで連携も取れないまま突撃とか怖すぎる。


 シャーロットも活性の他に、使う者によっては効果が高い再生と言う魔法を覚え、支援役も現段階では十分だ。


 リリウムには今回鉈を持たせて枝を刈る程度の牽制をするよう言ってある。俺はリリウムのバックアップだ。


 森に入り、リリウム、俺、シャーロットの順番で並び、迷わないよう目印を付け、定期的に探査の魔法を飛ばしている。


「居た。あれだ」


 俺が声を潜めて二人に注意を促す。


「どこ?」


「あっちに2体居ます。左をやります。シャーロットは風の魔法で吹き飛ばしてください」


「分かったわ」


「お兄様、私はどうすれば?」


「念のため左をクロスボウで目か口を狙って。動き出したら分かるらしいから」


「わかりました」


 今回持ってきたのは新しく作った転移陣入りの薬莢にAA-12と言うショットガンを持ってきている。これは最大32発も入り、フルオートで連射が出来るすごい銃だ。これのドラムマガジンに転移陣を刻み、魔力を流すことによりガレージに転移することが出来る。どうせマガジンへの再装填は時間がかかるからこれでいいのだ。


 そんな銃を何故いつも持ち歩かないのか。それは普段の奴と比べると1kg以上も重量が変わり、銃剣を取り付けられないからだ。銃剣による威圧効果は高い。対人戦では銃と言う理解に乏しい武器より、刃物の方が視覚効果が高いのもあり、強盗などに突きつけるにはウィンチェスター1912の方が適役だと俺は思っている。


 だが、それも最近は威力不足を感じている。もう、舐められるのを覚悟の上でAA-12を持とうかとも悩んでいる状態だ。


 そのAA-12をメープルトレントに突きつけ、目と思わしきところに照準を付ける。


「風よ、圧し、叩け」


 横のシャーロットの詠唱に合わせて俺も左のメープルトレントに銅の一粒弾(スラグ)を放つ。「メープル」と名前が付くからにはおそらくシロップなのだろう。なので鉛害を防ぐために銅を鋳造した。


 ドガドガンッ!ドガドガンッ!と2点バーストで放たれる銃弾。ショットガンの割に低反動で頑張れば2丁同時に撃つことが出来る。当たるとは限らないが。


「オォオ!」


 盛大に削られ、雄たけびをあげるメープルトレント、顔らしきところの下は根っこなんだが、どこが喉なんだろう?


 もう片方のシャーロットが相手をしている方はトレントであるが故、そこまで地に根を張ってないせいか吹き飛ばされた。


「オオオオオ!」


 削られ続けながらもこちらを振り向いたメープルトレントは枝を腕のように曲げ、目を庇いながら向かってくる。


 構わず口を中心に銃弾で削る。ケチらないで榴弾を使えばよかったかな?


 俺に注意が向いているせいか、リリウムまでには気が向いていなかったようだ。スコン!と言う音と共に、メープルトレントの目に短矢(ボルト)が突き刺さる。


「オオォォ・・・・・・」


 短矢(ボルト)の刺さった目からドバドバ樹液を垂れ流し、うずくまるトレント。チャンスだ。


 弾切れを起こしたので転移陣に魔力を流し、ドラムマガジンをガレージに転移させ、新たなマガジンをゲートから取り出し放つ。今度は徹甲弾だ。


 もはやうめき声すら出せずに削られ続けるメープルトレント。ちらっとシャーロットを確認してみるとウォーターカッターでメープルトレントを輪切りにしていた。


 程なく戦闘が終了。探査をかけ、敵が居ないか確認する。


「大丈夫です。今のうちに樹液を採りましょう」


「これって本当は1体でよかったんじゃない?」


「気にしたら負けです」


 「しかしまわりこまれてしまった!」になっては困ってたし。


「お兄様、リリウムは予備の瓶を持ってきたんです。後で味見しましょう」


「よくやった、リリウム。後でパンケーキを焼いてあげよう」


「えへへ」


「私も食べたいわ」


「はいはい」


 丁度クロスボウが刺さった目から綺麗な樹液が流れ続けているので、それは俺達が食べる用に取っておく事に決まった。




「まさか日帰りでこなしてくるとは思いませんでした」


 アリア嬢がびっくりと言った表情をしている。


「たまたま運がよかっただけですよ」


「運も実力の内ですよ?過ぎた謙遜は嫌味になるので気をつけたほうがいいです」


 「それに純度も高いですし」と続けるアリア嬢。シャーロットが輪切りにした方の目玉に鉈を突き立て、そこから採取したのだ。


「とにかく、Dランクおめでとうございます。ギルド証を更新しますので、皆さんのギルド証をお出しください」


 順番にギルド証を出す。


「はい、確かに受け取りました。更新は明日までに行っておきますので、ゆっくりとお休みください」


「ありがとうございます。二人とも、今日はレイラさんを捕まえてお祝いをしましょう」


「はい、お兄様」


「いいわね」


「そういう訳ですので、失礼します」


「はい、お疲れ様でした」


 俺は二人を伴ってレイラさんを探しに行くのだった。

 戦いは良い。ただしなかなか描写が挟めないのが難点です。

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