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第三話【サバイバル開始!!!!】

【File3】

[ジャッカル]

今のところ、全てが謎に包まれている男。

「す、すげぇな……」


本当にこの館はどうなってんだ?

館よりも大きかった廊下よりも大きい都市、ドロレはイシルとか言ってたな。

見たところ、空もあるし(なんでだよ!!)土もあるし、月らしき物まで空にあって、館の中とはどうも思えない。


全員が都市に入り終わったと同時に、背後にあった扉がひとりでに閉じていった。


「館に閉じ込められた上、館の中でも閉じ込められるとはな」


誰かが冗談を言ったつもりだろうが、皆笑おうとしない。


その時、CTSに通信が来た。


[皆さんこんにちは。ドロレ様の秘書、Aでございます]


「A?おい!ドロレはどうしたんだ!?」


[あ……この度、あの方のカタカナ喋りが読みにくいとの意見が殺到しましたので、これからは私が通訳として皆様に通信することになりました]


「あぁ……確かにな……」


ん?読みにくいって何だ?


[イシルでの時間は現実と同時進行しており、今は夜なのでイシルも夜となっております。では、これから目的を説明致します。ここ、イシルでの目的はある者を倒すことです]


「ある者?俺達以外にも誰かいるのか?」


[それはですね……]


Aが何かを言おうとした時、何か音が聞こえてきた。



ゥォォォォォォォ……。



「ん?何だ?」


その場にいる全員が気づき、そちらに目をやる。

そこで目にしたのは、遠くてぼんやりとしか見えないが人影のような物が都市部でゆっくりと動いている姿だった。


「なんだ!?俺達以外にも人間がいるんじゃないか!!」


[あ、それは……]


「おーーーい!!!」


参加者の一人がその団体に向かって叫んだ。

それに反応し、一斉にこちらに顔を向ける。


[……えーと、この館にはBM【バイオモンスター】と言われる人造動物が居まして、非常に危険です。]


「BM?一体何なんだ?」


[ドロレ社は、BM開発のために長い間研究に没頭しました。そして、その研究の中で偶然にもそれに感染したらほぼBMとなる細菌を開発することに成功したのです]


「何!?お前らは一体なんでそんな物を……」


[これは秘密事項ですのでお話しすることはできません。ご了承下さい」


「……分かった。それでそいつはどこに潜んでいる?」


[それに答えるために、目の前をご覧下さい」


「?」


目の前には、都市部から俺達に気づいてこちらに手を振りながら近づいてきている集団がいるだけだ。

まさか……!?


「……いや、どう見ても人間だぞ」


[はい。と言うことは大成功、ということですね]


「は?」


[BM試作品 No.1«ストーカー»と名付けた物は基本人間に擬態することができるようにしたのですが、実験では70%しか擬態できなかったようなので……」


「ってことはまさか!!!!」


ギャアアアアアアアアアアア!!!


「!!!」


叫び声をした方を見ると、俺達から一番集団に近かった奴が集団の一人……いや、もう人ではない。

目が赤く、肌は灰色の『人間らしい何か』に襲われていた。


「うわぁぁあああああああ!!!」


また一人、一人とやられていく。

もう皆はパニック状態に陥っていた。


[少し説明するのが遅かったですかね?]


「当たり前だ!!!」


くつ……!まずい!!

こっちにも一匹やってきている。

とてもじゃないが逃げることはできなさそうだな。

奴らを倒して突破口を開かないと……。


パン!パン!


銃声がしたと同時に、目の前に迫っていたストーカーの頭が飛び散っていた。


「ジャッカル!!!!」


「……何をしている。さっさと行くぞ!」


「あぁ!!」


俺も拳銃を構えて、近くにいたストーカーに狙いを定めて撃ってみる。


パン!!


「ぐっ!!!!」


拳銃って案外反動が伝わってくるものだな。

手が一瞬痺れてしまった。

しかし、これを普通に使いこなせるジャッカルって何者なんだ……?


俺とジャッカルは迫ってくるストーカーを銃で撃ちつつ、都市へと向かう。

俺達に続いてたくさんの人もついてくる。


[流石ですね、あの状況を切り抜けられるとは]


「ドロレに復讐するまでは絶対に死なねぇ!」


[そうですか、せいぜい頑張って下さい]


ぐっ……なんかムカつく……。


[ちなみに、都市には『拠点』と呼ばれる物を建設しておきました]


「拠点?なんだそれは?」


[拠点は都市の中にいくつかあります。そこには食料や車、武器などがあり、バリケードで囲ってあります]


「なるほど、好条件だな!!」

「おぉい!!皆!!!俺についてこい!!!」


その言葉に何人来るかと思ったのだが、生き残った全員がついてきているのを見てビックリした。

……それにしてもあいつらまだ追ってきやがる。

ストーカーって名前は伊達じゃないな。


しばらく走ると、都市に着いた。

まだそこら辺には居ないようだな……。

今は最後尾にいる人が銃を撃って奴らを足止めしているが、横や前から来たら終わりだ。

今の内に早く拠点を見つけないと……。


「皆!!あいつらから逃げている途中でバリケードに囲まれた建物を見なかったか!?」


「あっそれなら……」


手を挙げて発言した人がいた。


「何っ!?見たのか!?」


「あ…はい」


「それはどこにあった!?」


その人は俺が今いる場所から右の方を指差した。

見ると、確かにけっこう近いところにバリケードで囲まれた建物が見える。

そんなやりとりをしている間に奴らはどんどん迫って来ていた。


「皆!!あそこに向かって走れ!!」


俺達は全速力でそこに向かって走った。

近くまで行ってそれは学校であることが分かった。


「急げ!!奴らが来るぞ!!!」


俺は一番乗りで校門に入り、すぐさま閉める用意をした。

そして、今さっき奴らの足止めをしてくれていた人が中に入ったことを確認すると同時に校門を閉めた。


ガラガラガラガシャン!


と、同時に奴らが校門にどんどんぶつかって倒れていく。


「はぁ…はぁ……間一髪だった……」


「……全くだ」


そう言ったジャッカルは全然疲れたように見えない。


俺は残っている人数を数えた。


「190人か……。7人あいつらにやられたってことか」


恐ろしい……。

こんなところで時間を過ごさないといけないとは。


「……そうだ!!奴らはどうなった!?」


学校に入れたことで一安心したのだが、よく考えたら奴らも入ってこれる筈だ。

拳銃をすぐさま構えて校門の方を見ると、奴らがどこかに帰っていっているようだった。


「?……よく分からんが助かった……」


昇ってくる朝日の光が体中に染みわたる。


俺達は校庭でぐっすりと眠った……。













いや、ジャッカルは用心のため起きてたようだが。


見たら何となくお分かりいただけたと思うのですが、通信機のセリフは「」ではなくて[]にすることにしました。

ちなみに作者はバイ○ハザードが好きというわけではございませぬ。

では。

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