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プロローグ

今度からここに一人ずつ、プロフィールを書いていきます。

 ーーーー昔、トレジャーハンターだったある男は宝がありそうな場所に行く度、見事に宝を持ってかえってきた。

そしていつからか、こう呼ばれるようになった。

 

 伝説のトレジャーハンター『ディスコ』と……。


 



 その伝説のトレジャーハンターはどうなったかって?

今は誰かに昔話でも話しているかもな。


 俺、ディスコは昔はすごい人気を誇っていた。だが、宝だって無限にあるわけではない。

うまく使っていれば一生……いや、その倍ぐらいは遊んで暮らせたことだろうその宝を、俺は全額取られちまった。

ーー『あの男』に


 それからの俺は今までの人生が嘘のように貧乏暮らしになってしまった。何度『あの男』を殺したいと思ったことだろうか。しかし、その時あいつはもう雲の上の存在となっていた。

「いつか復讐してやる……!」

この言葉を胸に刻み、今日を生きていく。




「えーと、布団代わりの新聞……新聞……」


 俺はいつものように、公園のベンチで寝ようとしていた。


「おっ!いいのがあった!!これで寝れるぞ!!…………ん?」


 新聞なら、大きい記事が載っていることもあるだろう。しかし、今日の新聞は違った。

全面……全面……ありとあらゆる所にその記事は載ってあった。


「なんだ?『隕石が落ちてくるから逃げろ』とかか?」


 ホームレスとなったこの身分では、社会はあまり関係ないのだがこのような記事はやっぱり気になる。

俺は記事を読んでみることにした。


「えーと、『ミステリーハウス』今日開館?だからどうしたってんだww」


 こんな記事がよく高らかに載せられたな。まぁ、続きを読んでみよう。


「えーと……入館料は無料で……入る人には金100万円を差し上げます!?」


なななななななななななんだってぇぇえええええ!!!!!!


「はぁ!?なんだこれ!?場所は……近い!!先着順関係無しで選考により決まる!?定員は200名、と……」


 ……やっと……やっと…………俺に運が回ってきたぜ!!

喜びのあまり踊りまくっている俺を、ホームレス仲間は変な目で見ている。


 

 ……時が経つにつれ、俺は冷静さを取り戻した。よく考えたらおかしすぎるだろ!なぜ入るだけで大金が貰えるんだ?

もう一回よく読み直してみる。


「ふむふむ……主催者は……えっ……!?」


 俺は一瞬目を疑った。



 そこには俺の人生を台無しにした男、『ドロレ』の名が書いてあった。

ドロレ……

これで俺のミステリーハウスに行く理由が二つになった。

1つは、金。

もう1つは、あの男……ドロレに復讐することだ。

俺は怒りを胸に込めて、その場所……ミステリーハウスに向かって走った。





 ここか。ミステリーハウスってより、ミステリーマンションの方が合いそうな大きさだった。着くと、あちらこちらに人という人がいる。まぁ当たり前っちゃあ当たり前だがここまでとは。

屈強そうなやつもいれば貧弱そうなやつ、ガリ勉眼鏡くんもいればアホ丸出しのやつ。こんな大勢の中からたったの200人か……。果たして入れるのだろうか。

そんなことを思っていた時だった。




「ハ~イ☆オーウ!タクサンイマスネ~!」


 そう言いながら、声の主はミステリーハウスのバルコニーに出てきた。

あいつだった。



「ドロレェェェェエエエエエエ!!!!!!!!」


 いきなり叫んだ俺に周りの人は驚いている。


「ン?……オゥ!ミスターディスコ!オヒサシブリデスネ!」


「黙れ!今そっちに行くから待ってろ!」


「マァマァ、ルールヲセツメイスルンデスヨ!アァ、アトディスコハトクベツショウタイシマショウ!」


「……と、いうことは俺は200人の中に入れるってことだな?」


「ハイ、アトハコチラデキメマス!」


 ふん、話が分かるやつだ。入った瞬間バルコニーまで行って殺してやる……!


 俺以外の199人の選考会が始まったらしい。どういう基準で決めているかは分からないが、次々と決まっている。

多分、瞬発力のあるやつとかじゃないかと思う。だって、選考テストが反復横とびって……。


 


 選考会が始まって2時間後、やっと

選考が終わったみたいだ。落ちた人はがっくりしながらぞろぞろと帰っていっている。

その時、


「皆様当選おめでとうございます」


 ドロレの秘書か何かと思われる女性が館から出てきた。


「では、皆様にはまずこの書類にサイン又は印鑑を押してください」


 そう言って皆に紙を渡していく。俺も渡された時に見たのだが、恐ろしいことが書いてあった。


『当館で死亡した場合、自己責任でお願いします。』


 えっ?死亡?


「皆様もお気づきでしょうが、当館は場合によれば命を落とす場合があります。それでも了承の方は描いてください」 


こんなことを言われてはすぐにサインを描けるはずがない。周りを見ると、皆困惑しているようだ。しかし、ある一人が思いきってサインを描いたのを見て、皆も描き始めた。もちろん俺もだ。ドロレに復讐するためには死んでもかまわない。

結局、当選者全員が描いたようだ。


「全員参加、ということでよろしいですね?では」


そう言い残し、女性は再び館に入っていった。


「ハイ、デハワタシカラルールヲセツメイシマス」


憎きあいつの声が聞こえてくる。


「マズ、ミナサンハパートナーヲツクッテクダサイ」


パートナー?ドロレの野郎、相変わらず変なこと言いやがる。

俺は今までずっと一人だったんだ。今からだって大丈夫ーーーー


「……トレジャーハンターディスコ、俺と組まないか?」


いきなり誰かが俺に声をかけてきた。

見ると、顔に傷だらけの男がいた。


「……あんたはなぜ、俺のことを知っているんだ?」


「どうってことはない。今さっき、ドロレさんが言っていたし、前からかなり有名だったからな」


驚いた。今更、俺のことを知っている人がいるとは。トレジャーハンターなんて言われたのは何年ぶりだろうか。


「それで……あんたの名前は?」


「そうだな……名前は言えんが、コードネームは«ジャッカル»だ。そう呼んでもらいたい」


コードネーム?一体こいつ何者なんだ!それよりも……ジャッカル?どこかできいたことある気がするが……


「まぁ、分かった。ジャッカル、よろしく頼む!」


「……あぁ」


えらい無口なやつだな。まぁ何はともあれ、パートナーは決まった。


「パートナーヲツクッタヒトハ、ジュンバンニミステリーハウスニハイッテクダサイ!」


ちっ……まぁこの声が聞こえるのもあと少しだ。

あと少しで……。


「……ディスコ、行くぞ」


「あぁ」


見ると皆パートナーができたようで、列を作っている。俺達もその列に並んだ。


 ……目の前に、大きい扉がたち塞がる。


「……けっこう早かったな」


「よし!行くぞ!!」


「……あぁ」


そして、ギィィイという不快な音を立てながら扉は開く。

俺達は館の中に入っていった。





ーーーーこの時俺はまだ知らなかった。

これから始まる、長い長い出来事を。



はい、新小説です。

いつも言いますが、誤字・脱字、文がおかしい、こうした方が読みやすい、などがありましたら遠慮なくご指摘いただけたら幸いです。

あ、もちろん普通の感想もお待ちしています。

では

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