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後日譚4:恋人になったら、すべてが糖度120%だった
手を繋いで登校。
図書室でキス。
放課後にハグ。
……冷静に考えて、今日のイベント密度、おかしくない?
「……はぁ~~っ」
帰り道、私はリリィと腕を組みながら、幸せの余韻にぐらぐらと溺れていた。
「クラリス様、顔がにやけてますよ?」
「うるさい。あなたのせいよ。もう脳が全部ピンクなの……」
「ふふっ……でも、私もです」
恋人になって、初めての一日。
こんなにも、甘くて優しくて幸せな時間が、現実にあるなんて――
「……リリィ」
「はい?」
「私、本当に……あなたに出会えてよかった。転生して、悪役令嬢なんかにされて……大変だったけど……全部、あなたに出会うためだったのね」
「クラリス様……」
ふいに、リリィが立ち止まる。
そして、私の両手をぎゅっと握って、真っ直ぐに言った。
「私も、そう思ってます。クラリス様に出会うために……この世界に生まれてきたのかもしれないって」
もう、限界だった。
私はそのまま、彼女をそっと抱きしめた。
「……好き。好き。好き……っ!」
「私も……ずっと好きです……!」
夕焼けに包まれながら、私たちは今日という甘すぎる一日を、愛しさと共に終えた。




