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第33話:王都での新たな生活と貴族の影

王都エルドラードでの生活は、アークスとは全く異なるものだった。

朝から晩まで、街は活気に満ち溢れ、様々な人種や文化が入り混じっている。

僕たちは、ギルドからの依頼をこなしながら、王都での生活に少しずつ慣れていった。


王都のギルドは、アークスよりもはるかに規模が大きく、依頼の種類も多岐にわたる。

魔物の討伐はもちろん、貴族の護衛、要人の警護、情報収集、時には、王宮からの秘密裏の依頼まで。

僕たちは、あいりのナビゲーションと、エリナの剣技を駆使し、次々と依頼をこなしていった。


《マスター、この一週間で、我々のギルドランクはBに昇格しました。王都での冒険者としては、異例のスピードです》


あいりの声が、僕の脳内に響く。

僕たちの活躍は、ギルド内でも注目を集め、僕の「天才軍師」としての評判は、王都でも確固たるものになりつつあった。


「トオル様、今日の依頼は、貴族の護衛だそうですよ」

エリナが、依頼書を手に、僕に話しかけてくる。

彼女は、王都での生活を楽しんでいるようだった。

新しい服を買い、髪を整え、以前よりもさらに洗練された美しさを放っている。


「貴族の護衛か……。面倒なことにならなければいいけどな」

僕は、少しだけ顔を顰めた。

あいりの情報によれば、王都の貴族たちは、権力闘争に明け暮れており、その裏では、様々な陰謀が渦巻いているという。


《マスター、この依頼は、我々にとって有益な情報をもたらす可能性があります。護衛対象は、王都でも有数の名家である「アシュフォード公爵家」の令嬢です》


あいりの言葉に、僕は少しだけ興味を引かれた。

アシュフォード公爵家。

あいりのデータベースによれば、王国の穏健派に属し、宰相ゼノスとは対立関係にあるという。


僕たちは、アシュフォード公爵家の屋敷へと向かった。

屋敷は、王都の中でも一際大きく、豪華な造りだった。

門をくぐると、広大な庭園が広がり、その奥には、まるで城のような屋敷がそびえ立っている。


「ようこそ、トオル様、エリナ様。お待ちしておりました」

僕たちを出迎えたのは、執事らしき老齢の男だった。

彼は、僕たちを屋敷の中へと案内する。


通された部屋には、一人の少女が座っていた。

歳は、エリナと同じくらいだろうか。

豪華なドレスを身につけ、その顔立ちは、人形のように整っている。

しかし、その瞳には、どこか、憂いを帯びた色が浮かんでいた。


「わたくしが、アシュフォード公爵令嬢、リリアーナです。本日は、わたくしの護衛、よろしくお願いいたします」


リリアーナは、深々と頭を下げた。

その仕草は、優雅で、気品に満ちている。


《マスター、リリアーナ嬢は、王宮の権力闘争に巻き込まれている可能性が高いです。彼女を護衛する中で、ゼノス宰相に関する情報を引き出しましょう》


あいりの声が、僕の脳内に響く。

僕たちの王都での生活は、ただの冒険者稼業では終わらない。

この王都の、深い闇へと、足を踏み入れていくことになるだろう。

そんな予感が、僕の胸を、支配していた。

◆ ◇ ◆

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