15
朝は、いつもよりスッキリと目覚めることができた。いつものように、準備をして家をでた。
大学につくと、昨日休む連絡をした、いつも声をかけてくれる友達が今日も声をかけてきた。
「おはよー月!もう体調は大丈夫??」
「うん! 大丈夫! ここ最近休んじゃってるから頑張らないとね…!」
わたしは、よく寝たおかげか、いつもより体が元気だった。昨日は少し落ち込んでしまって元気がなかったが、切り替えることができているようで自分でも安心した。そんなことを考えていると、友達が口を開いた。
「そういえば、最近宮木くんと学校来てないよね?? 前までは、たまに一緒に来てたのに……。」
「っっ!!!」
わたしはさっきまで落ち着いていたが、友達の急な発言で、体が一瞬固まってしまった。
星太と別れる前は、お互いタイミングが合えば、少し早く起きて、2人で翔くんとこの前入ったカフェでお茶をしたあとに学校に行くことが何度があった。星太と別れてからはそんなことできるはずもなかった。
「……あ、えーっとね!! 最近朝わたしが起きれなくて~! タイミング会わないから一緒に来れないんだよねー!…………。」
「そうだったんだー! あ!そーいえばー……」
わたしは、なんとか言い訳をし、変に疑われることもなく星太の話から話題が切り替わったのでひと安心した。
講義が終わり、LINEを確認してみると案の定翔くんからメッセージが届いていた。
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『月ちゃんおつかれさまー!』
『14時半くらいになっちゃうんだけど大丈夫かな』
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翔くんが、14時には間に合わないことが分かってわたしは時計を見た。いまの時間は13時過ぎなので、翔くんと会うまであと1時間以上時間があった。せっかく時間があるのだからと、わたし久しぶりに食堂でご飯を食べようと思った。
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『翔くんおつかれさま!』
『大丈夫だよ~! 』
『14時半ぐらい大学の門のところに行くね~』
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わたしは翔くんにメッセージを返信したあと、お昼の時間で込み合っているかもしれない食堂へと急いだ。
お昼の時で人の多い食堂で、わたしは1人でご飯を食べた。
『星太は毎日食堂に一番乗りで来てたんだよね……。』
この前の聞き込みで、食堂のおばさんから聞いたことを思い出した。今日の聞き込みはどうしようか考えようとしたとき、わたしの視界のなかに、以前の聞き込みで星太のことについて教えてくれた男子学生がいた。わたしはあと少しで食べ終わりそうで、見つけた彼もまだ列に並び始めたばかりだったので彼を目で追いながら、ご飯を食べてお皿を直しに行った。彼が1人で席についたのを確認して、食べはじめてすぐで申し訳ないとは思いつつ声をかけた。
「あ、あのー…………」
「……っはい……?」
声をかけた彼は、不思議そうにわたしをみていた。
「えっと、前にに宮木くんのことで声をかけた者なんですけど~…………」
緊張気味に話すと、彼は少し下を向いて考え込んでいた。
「…………あ、あー! あのときの人ですか。僕になにか用ですか?」
「実は、聞きたいことがまたあって……。星太……、あえっと、宮木くんの学部ってどこか知ってたりしますか?」
わたしはずっと知りたかったことをついに聞いた。わたしは今日やっと知ることができるかもしれないと思うと、少しで心臓がドキドキした。
「宮木くんの学部ですか? 彼は………
理工学部ですよ」
「……り、理工学部……。」
わたしにとってあまり聞き馴染みのない学部に少し戸惑った。そんな様子のわたしを見てか、目の前の彼が話を続けた。
「理工学部っていうのは、理学と工学のどちらも学ぶんです。数学とか物理、あと機械、工事とか……。」
「な、なるほど……。」
わたしは、星太が理系の学部だということをついこの前知ったばかりだったが、こんな賢そうな学部だったのかと思い少し驚いた。しかし、理工学部だとわかったところで星太が翔くんに時々話していたという『 宇宙に行くまで俺は死ねないな 』という発言には繋げることはできなかった。わたしは、翔くんとの約束の時間が迫っていることに気がつき、彼にお礼を言ってその場を立ち去ろうとすると、彼が口を開いた。
「あ、そういえば、彼は理工学部…
~~~。 ~~~~~~、………」
「……っえ?、」
わたしは、彼と別れてから翔くんと約束している場所の大学の門までの道のことをあまり覚えていなかった。時間ギリギリで食堂を出たにも関わらず、足がうまく動かなくなってしまったのだ。門が見えてきた辺りで目を凝らすと、翔くんらしきシルエットが見えた。わたしは、どこかホッとして、そこでようやく走ることができた。わたしは一秒でも早く翔くんに言いたいことがあるので、翔くんのもとへ急いだ。
「翔くん!!!!」
「月ちゃん~! おつかれさま!そんな走ってこなくても大丈夫だったのに~」
「………………。」
わたしは、走って来た疲れとは別の理由で次の言葉が出てこなかった。そんな様子のわたしを見て、翔くんは少し下を向いているわたしの顔を覗き込んできた。
「月ちゃん………??」
呼ばれてもなかなか言葉出てこず、翔くんも心配そうにわたしの背中をさすってくれた。
「どうした?ほんとに…………、。」
わたしは、息をゆっくり吸って、今出せる精一杯の声を出した。
「星太、星太の学部を聞いたんだけどね………、宇宙工学らしくて……、それで……
留学の予定だって………」




