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わたしが大学の門のところまで行くと、翔くんの姿があった。わたしは翔くんところまで少し駆け足で向かった。


「翔くん!! お待たせー!!!」


わたしが声をかけると。翔くんはスマホから目線を上げた。


「月ちゃん!!おつかれ! 」


相変わらず翔くんは元気そうに見えた。


「翔くんもおつかれさま! 今日はどこで話す??」


「あ、そういえば決めてなかったか!! どこかのカフェかファミレス的なところにする??」


「おっけい! ……あ! じゃあわたしがよく行くカフェにしよ!! すぐそこだよ!!」


わたしと翔くんは並んで歩きながら、わたしの行きつけのカフェに向かった。

カフェに入るとおやつどきだからか、お客さんが少し多かった。


「おしゃれなカフェだなー! 俺一人だったら絶対入れないや!」


「ここのカフェの雰囲気わたしすごい好きなんだよね!!ケーキがおいしいんだよ!! 」


席に着くと翔くんがわたしに


「ケーキがおいしいってさっき言ってたよな! どれがおすすめ?? 食べたい!!!」


と目をキラキラさせながらわたしに聞いてきた。わたしは翔くんがここのカフェに興味を持ってくれたことが嬉しかった。


「えっとねー、わたしはフルーツタルトか抹茶のシフォンケーキを一番よく食べるかな!! あ!でも、このガトーショコラもおいしいよ!!」


メニュー表を見ながらわたしが夢中になって話していたら、翔くんがハハッ!!と笑った。わたしが不思議に思っていると、


「月ちゃんほんとうにここのケーキ好きなんだな! なんかイキイキしてるし。」


「!!!そんなに? 恥ずかしいっ……!」


わたしかを知らないうちにたくさんしゃべってしまっていたのかと思うと少し恥ずかしくなった。

翔くんは笑いながら、


「っあはは!! じゃあーー、俺はおすすめのフルーツタルトにしよーかな!! 月ちゃんは??」


と言ってきた。わたしは慌てて、


「っえっと!! わたしもフルーツタルト!!」


と答えた。店員に注文を終えたあと、わたしは今日友達から聞いたことを翔くんに伝えてみることにした。


「ねぇ翔くん、昨日大学までわたしに会いに来てたりした?? 」


水を飲んでいた翔くんは一瞬目を見開いたように見えた。翔くんはコップを置くと、少し間を空けて話し始めた。


「…行った行った!! 実は、聞き込み一緒にしようかなー、なんて思って!!」

「でも、昨日は講義の予定も聞いてなかったし、月ちゃんのこと知ってる子に声かけられたから聞いてみたら、


『今日は、講義終わったら急いでどこかに行っちゃいました!』


って言われたから、そのまま帰ったんだ…。」


翔くんは昨日あったことを話してくれた。

わたしは


「そうだったんだ! 連絡くれればよかったのに!」

「そういえば今日、その昨日翔くんに声かけてくれたわたしの友達が、『あの人彼女いるの!?』って騒いでたよ!! 」

「わたしも気になってたし、翔くんて彼女いるの??」


わたしは友達に聞いてといてほしいと頼まれていたことを思いだし、翔くんに質問してみた。すると翔くんは苦笑いしながら、


「いるわけないじゃん! 」

と言った。それに続けて翔くんは


「もし彼女がいたんだとしたら、月ちゃんとこんなに連絡したり会ってたりしないよ。『浮気だ!!』って怒られちゃうよー!」


笑いながら話していた。


「たしかにそれもそうだね。 翔くんに彼女いないってなったらわたしの友達すごい喜ぶだろうなー。」

「その友達、すっごく翔くんがタイプなんだって!!」


翔くんは水を飲み干してコップを置くと、


「……まじか~。 そんなに言われたらちょっと嬉しいわ…!」


と言った。今日あったことを話し終えそうなところで、注文したケーキが運ばれてきた。


「おいしそうだなー!! 月ちゃんに良いカフェ教えてもらったわ! ラッキーー!」


翔くんはキラキラした目でわたしを見た。


「そんな喜んでくれるなんてわたしもうれしい! 早くたべよ!!」


わたしもここのケーキをたべるのは久しぶりだったので、気分が上がった。翔くんもケーキを一口たべると、


「めっちゃ美味しい!! これはほかのも絶対美味しいな… 」


と、感心しながらたべていた。わたしもケーキに夢中になっていると翔くんが、


「あ、本題忘れてた!!」


と、笑いながら言った。翔くんは一度ケーキを食べていたフォークを置いて話し出した。


「えっとたしか、星太は理系の学部の方にいたんだったよな……。」


「そうだよー! 星太のこと知ってる人に聞いたから間違いはないはず!!」


わたしは昨日、大学で聞き込みをしていたときのことを翔くんに話した。




「……なるほど。その月ちゃんが星太のことを聞いた人が言いかけた内容が気になるなぁ……。」


「わたしもそれは思った!! 理系とは分かっていても学部までは分からなかったし……。」


わたしは、どうすればもっと星太に近づくことができるのか考えた。翔くんも下を向いて考え込んでいる様子だった。


『やっぱり、昨日話を聞いた人を探すべき……?』



頭のなかで考えていると、翔くんが何かボソッと呟いた。


「ぅ………ぃ…で……ぉ………し……ぃな」


わたしは翔くんが言ったことが聞こえなかった。わたしはなんと言ったのか聞こうとした。


「翔くん?? いま何か言っ…………」


わたしが言いかけると、翔くんは急にバッと顔をあげて、こう言った。









「……宇宙に行くまで俺は死ねないな……」












「…………え……?」


わたしは翔くんが言っている言葉の意味がよく分からなかった。しかし、翔くんの表情はとても真剣で、どこか悲しいげにも、焦っているようにも見えた。













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