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 わたしは大学に行く準備をして、家を出た。

翔くんと会う予定ができて、もしかしたら何か星太に近づけるヒントが知れるかもしれないと思うと、気持ちが高ぶった。 


大学に着くと、後ろから昨日も会った友達が勢いよく声をかけてきた。


「月ー!!おはよー!!!!」


「おはよ!! 今日は一段と元気だね~」


朝から元気な友達に、びっくりしながら返事した。


「いやー、ちょっと月に聞きたいことあってさー!!」


「……!? なーに??」


わたしは、友達からの思いがけない発言に少し身構えてしまった。もしかして星太と別れたことが友達の耳にも入ってしまったのかと思った。この友達は大学に入ってすぐ仲良くなった子で、わたしが星太に片思いしていた時も、たくさん相談に乗ってくれて手伝ってくれたのだ。そんな子に、星太の別れたことを知られてしまったからきっと落ち込んでしまうだろうと思っていたので、わたしは、まだ別れたことを伝えていなかったのだ。そんなわたしの心のなかは知らずにその友達は、話を続けた。


「えっとねー、昨日のことなんだけど……」


友達が次の言葉を発するまでの時間が、今だけはひどく長く感じた。頭のなかで色々な考えが浮かんでくる。


『なんだろう、もしかして……、昨日講義が終わったあとに聞き込みしていたのが見つかって、変に思われた……??? 』


わたしが焦りながら、考えていると友達が話を続けた。


「昨日、わたしが講義終わって帰ろうとしたらー、門の近くで、キョロキョロ周り見渡してる人がいてねー、」

「ここの大学の人では無いんだろうなっていうのはなんとなくわかったから、わたし声かけてみたのーー!! わたしの好みのタイプだったし!!!!」


想像していた話とか全く違う話題で、わたしは、友達がそれをわたしに話す意図が分からず頭にはハテナが浮かんでいた。さらに、友達の話は続いた。


「そのわたしのタイプの人に『どうしたんですかーー??』って聞いてみたら、


『川野月ちゃんっていう子知ってますか? 知り合いなんですけど…………』


って聞かれたのー!!!」


友達の話に出てきた男の人に当てはまる人はわたしは一人しか思い浮かばなかった。もしその男の人が星太だったなら友達はすぐ気づくはずだ。だとすれば、わたしの知り合いのなかで男の人、かつ大学にまで会いに来るとしたら



「翔くん……だよね……。」


わたしは、ポツリと小さな声で呟いた。

友達は、


「ねえ、その人誰なの!? ていうか、さすがに月……彼氏とか浮気ではないよね?? 宮木くんいるし……」


わたしは一瞬ドキッとしたが、実際翔くんはただの友達で彼氏ではないので、心を落ち着かせて友達の質問に答えた。


「ちがうよー!! ていうか、そんなに好みのだったの??」


「ほんとうに好みだったの!! ねえねえ! その人の名前は!? あ、彼女はいたりする???」


と興奮気味にわたしに質問攻めしてきた。


「その人は翔くんっていって、星太の高校時代からの友達! ……彼女は……、いるのかな……? 聞いたことないや。」


「翔くんかー!!! かっこいい名前!! いいなー月!あんなイケメンと友達とか!! 」

「また今度でいいから、彼女いるか聞いてくれない!? いなかったら全力で狙いに行く!! 」



友達はよほど好みだったのか、翔くんのことに夢中になっていた。そんな様子の友達と歩きながら、わたしたちは講義がある教室にたどり着いた。授業が始まってもわたしはなんで翔くんが連絡も無しにわたしの大学まで会いに来たのか分からず、考え込んでいたら、いつの間にか講義が残り数分になっていた。


『まあ今日も会うし、その時聞いたらいいか~……』


と思い、わたしは3限目が始まるまで時間が空いているので、友達と今日のお昼ごはんを食べるお店を探しながら時間を潰した。





わたしは、お昼を食べてから、3限目が終わるまでの時間の流れが早く感じた。講義が終わったあとわたし友達と別れ、大学内のベンチで座っていた。いまの時間は15時を過ぎていて、翔くんと会う約束の時間までは1時間も残っていなかった。



『そういえばどこで会うか決めてないな~』


と思いながら少し休憩していると、スマホの通知音がなった。スマホを確認すると、翔くんからの連絡だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『月ちゃんおつかれー!


『講義もう終わってるかな??』


『いま月ちゃんの大学の近くまで来てるから、また連絡してねーー!!』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翔くんが大学まで来てくれることを知り、わたしはすぐに連絡を返した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『翔くんおつかれさま!!』


『さっき講義終わったところだよ!!』


『わざわざ来てくれてありがと~』


『翔くんは門のところらへんで待ってて!! すぐ行くね~』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


わたしはメッセージを送信し終えると、すぐにベンチから立ち上がり早足で大学の門のところまで向かっていった。








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