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第二姫

戦場では一人の少年兵が窮地に陥っていた。


「くっ……殺せ!」


名前はソラ。

女の子と見間違われるほどに端正な顔立ちと

華奢な体躯を持ち併せる、いわゆるショタ枠だ。


「俺たちのソラに手ぇ出しやがって!

 今助けてやるからなソラ!

 もう少しの辛抱だ!」


「敵は“服だけ溶かすスライム”だ

 戦闘能力は皆無だし、苦戦する相手ではない」


「ソラの衣服がみるみる溶かされてゆくが、

 俺には観ていることしかできない……!」


「観てないで助けてよーー!!」


ソラは兵士たちから可愛がられていた。




場面は変わり、姫騎士の役目を押しつけられたワカバは

専用のビキニアーマー製作に向けて身体検査を受けていた。


「サイズはAAAですね、素晴らしいです」


「何がですか?」


「それはさておき、姫様の着用なさるビキニアーマーは

 最高級の素材で製作させていただきますので、

 その点はご安心ください」


「素材にこだわるよりも、

 布面積を広げてみてはいかがでしょうか」


「それはなりません!

 ビキニアーマーとは由緒正しき王国騎士の正装であり、

 王国を勝利へと導いた伝説の姫騎士の、その象徴にございます!」


「国家存亡の危機だというのに、

 こんなことをしていてよろしいのでしょうか?

 前線では既に敵と交戦中との噂も聞き及んでおります

 わたくしの破廉恥な衣装を用意するよりも、

 防衛の強化に努めるべきではないでしょうか」


「それはさておき、こちらの資料をご覧ください」


「なんですかこれは……『敗北時のリアクション集』……?」


「それは我らが王国に代々伝えられし古の書物にございます

 これから姫騎士として活動なさる姫様にとっては、

 必要不可欠な資料となることは間違いありません」


「焼き払いなさい

 負ける前提で戦いに臨むべきではありません

 邪悪なる存在の力がいかに強大だとしても、

 わたくしたちは勝利せねばなりません

 この命に替えてでも国民の安全を守る……

 それがわたくしに課せられた責務です」


「姫様……!」




場面は戻り、兵士たちの戦いは終わった。


「俺たちのソラに手ぇ出しやがって!

 こいつを辱めていいのは俺たちだけなんだよぉ!」


「さすがは“服だけ溶かすスライム”、

 苦戦する相手ではなかったな」


「この俺が加勢するまでもなかったな」


「うっ……うぅぅ……!」


少年兵ソラの衣服は全て溶かされたが、

兵士たちは服だけ溶かすスライムの撃退に成功した。

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