ボトルシップは机上で海の夢を見る
白く染まる海と
朝日がやさしく包む空気の
輪郭に触れた途端
ぼやけたカーテンの向こう
打ち上げられたビンに
朝日が反射して差し込む
誰もいなくなった
部屋の中 夢を見ている
さらさらと細波は音を
立てて呼んでいた
流れる雲を眺めながら
どこまで行こうかな
浮かんだり 沈んだり
繰り返して遠くへ
まだ知らない国の話を
いくつ持ち帰ろうかな
カモメが飛び 魚は跳ね
水飛沫は輝く
どこにでも行ける気配を
強く感じている
太陽の強い日差しを浴びて
航海は続いていく
誰も乗っていない一人旅さ
夢はまだ続いている
汚れた手描きの地図
擦り切れるほど見尽くした
間違いを見つけるためじゃない
羅針盤が示す方角はどこだ
きっと 見える場所が
目的地だ
浮かんだり 沈んだり
繰り返して遠くへ
まだ知らない国の話を
いくつ持ち帰ろうかな
カモメが飛び 魚は跳ね
水飛沫は輝く
どこにでも行ける気配を
強く感じている
そんな夢を見ている
読んでいただき、ありがとうございました。