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聖獣と娘  作者: 知人
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聖獣と娘【BADEND】

俺の世界は真っ暗だ。

壺の中なので仕方がないが。


彼女は・・・ほとんどあったことの無いあの母親は・・・本当はいいやつなんだろうと思う。


そう思いながら、ただ、俺は眠ることにした。

目覚めることもきっともう無いだろうと思いながら。。


--------------------------------------------------------------


どのくらいの年月が経ったんだろう。

わからない。


俺の入っていた壺がなぜだか水の中に有った。

風化と同時に封印が解け、俺は久しぶりに外に出た。


彼女の子孫が居なくなったのか、もしくは子孫がおれのことを忘れたのかはすぐには分からなかった。


ただ、あの村のことがどうなったのか気になった。

外に出れば、瘴気とは違うが、同じような臭いで蔓延した都市が広がっていた。

見たことの無いいろんなものが土地にも空にも海にもある。


命の気配がだいぶ少なくなっていて、人間さえもどこか生気が無い。

動物たちは昔に比べてほとんどいない。

木々でさえ、命の数量が減っているような気がした。


有り得ないほどの生命力の無さに驚く。


一体、何がどうしてこんなことに?と疑問を覚えながら、村があったところに行きつく。

そこにはたくさんの人間が住んでいた。

住んではいるが、その人間達もどこか生気が無い。


その中でひとつ、気になるものを見つけた。


少女だ。

あの少女。


生きているはずはない。

どう考えても、時間が経ちすぎている。

だから、同一人物の筈はない。


でも、同じ魂を持つものだとそう、直感した。


俺はしばらく、彼女のことを見守ることにした。


--------------------------------------------------------------


彼女はまだ3歳ほど。

幼く、力も無い。


そんな彼女はいつも死にかけていた。


なぜ、こんなことになっているんだろう?


彼女は故意に殺されかけているとしか思えない。


おかしい。


--------------------------------------------------------------


ついに、彼女は殺された。

人の手により殺された。

彼女は驚くべきことにこうなることを知っていたようだった。


俺は悲しかった。

悔しかった。

だから、彼女に命を与えた。


生き返った彼女は困ったような顔をしていた。


そして気付く。


あぁ、俺は余計なことをしたんだと。


それでも俺は彼女を守りたかったんだ。

なのに、彼女は何度も殺される。


ああ、なんでこうなるんだろう。


まるで、悪夢だ。

終わらない悪夢のようだ。。

--------------------------------------------------------------


ひとつ、分かったことがある。


俺の壺は故意に捨てられたらしい。

彼女の子孫によって。


俺の情報は、いつの間にか間違った伝号ゲームのように、犠牲になった聖獣から災害をもたらすバケモノと言う認識になっていた。

代々の王がこれを収めるために、儀式を行っていたが、この儀式も人間の贄を使い、災いを収めると言うもの。


だが、俺は災いなんて起こさない。

俺が封じられている間に災いを起こしていたのは、何を隠そうあの若者だった。


彼は俺の血と肉を食んだことで、今もまだ生きているらしい。

それを封じるために贄を使っていた。

だが、それは見当違いで本当は何も抑えきれていなかった。


ただ、呪術で贄を遠隔で殺しているだけ。


あぁ、なんてことだろう。

あぁ、なんて醜い。


悲しくなった俺は、あの少女の中に逃げた。


何度も死んだ彼女は既に魂がボロボロだった。

俺の力で魂を縫い合わせ、もう起きていたくないという彼女の要望に合わせ、俺が人格をつくり、彼女のふりを始める。


彼女はあれから目覚める気配がない。

彼女は誰にも愛されていなかった。

なんでだろう?

母親は俺に変わったことさえ気付かない。


あぁ、なんて悲しいんだろう。。

おれはただ、この世界で彼女が救われるのをただ、待ち続けている。

そう、ただ、待ち続けることにしている。

病院で寝ている間に見た夢の内容です。

だから、BADENDしか見ていない。GOODENDが夢で見られたら、更新するかもしれませんが。。

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