第1話:カッコイイ妖怪を決めよう
ヤバイ、ヤバイ、須佐之男命と日本武尊命が間違ってた(汗)
と言う訳で、修正!
ココは妖怪たちが暮らす妖怪の世界(妖怪界)。
そこには様々な妖怪たちが暮らしています。
そんな中、とある3体の妖怪さん達が楽しくおしゃべりをしていました。
「俺、絶対前鬼さんと後鬼さんがカッコイイと思うなぁ!だって、人間界では役小角とか言う修験者と一緒に活躍する鬼界のスターじゃん!」
そんなことを言うのは一つ目小僧。
彼は一つの目をキラキラさせて、前鬼・後鬼の魅力を語ります。
「はん!何言ってんだい!どう考えても白面金毛の九尾の狐さんじゃないかい!白い透き通った肌に金色のつやつやの毛!それに、アジア全体で大活躍した大妖だよ?活躍は世界規模さ!」
ろくろ首の女性がウットリとした顔で九尾の狐を語っています。
「シャー、オレっちはやっぱり八俣の大蛇パイセンだな!日本神話に出て来るんだぜ!カッコイイじゃん!」
そう話すのは蛇の妖怪『みずち』です。
どうやら3体の妖怪たちが自分の好きな妖怪の話をしていたみたいですね。
「えー、やっぱり前鬼・後鬼コンビが一番いいよー!だって正義の味方なんだぜ!」
「何言ってるんだい!あんなの冴えないオッサンの奴隷みたいなもんじゃないかい!そんなことよりもあの美しい尻尾を持つ九尾の狐さんの方が良いじゃないかい!モフモフしたらどれだけ気持ちいいのか…」
「シャー、あの人殺されて今は殺生石になってんじゃん!ゴツゴツした石触ってもねぇ?だったら八俣の大蛇パイセンの方がカッコイイじゃん?だって尻尾から神剣出て来るんだぜ?」
「いやいや、大蛇ってあれだろ?女装したオッサンに酒を飲まされてベロンベロンになった挙句に殺されたんだろ?アル中の蛇って、沖縄のマムシ酒じゃないんだからさぁw」
「ハァ?オッサンの下働きや臭いガスを出す岩よりは全然いいじゃんか!」
「あんた達こそ、九尾の狐さんの美しさ知らないんだろ?あの美しさをひと目でも見たらそんなことは言えないさ!」
おしゃべりがだんだんとヒートアップしているようですね。
あらあら、大丈夫なんでしょうか?
「あったまきた!俺の前鬼・後鬼コンビの方がカッコイイって言ってんだろ!」
「うるさいわね!どう考えても九尾の狐さんじゃないかい!」
「オレっちの八俣の大蛇パイセンの方が断然カッコイイし!」
あ~あ、ついにケンカになりそうですね。
「よーし!こうなったら戦争だ!妖怪らしく、俺達の中で一番強い妖怪が一番カッコイイ妖怪を決めるって事にしようぜ!」
「良いわ!やってやろうじゃないかい!」
「オレっちを本気にさせた事、後悔させてやんよ!」
とうとう取っ組み合いのケンカが始まっちゃいましたね。
いやはや、どうしたものでしょうか…
と、そこへ近くに通りがかった提灯お化けさんが、見かねてケンカの仲裁に入りました。
「おいおい、お前さん方。何をそんなに熱くなってんだい?こんな所でケンカなんかしてると、不動明王さんがやってきてぶっ飛ばされちゃうぜ?」
3体の妖怪たちは『不動明王』という単語が出た瞬間、ピタリとケンカを止めてしまいました。
「ヒィィ…。俺、不動明王さんに昔怒られた事があるんだけど、めちゃくちゃ怖かった…」
一つ目小僧がガタガタと震えながらそんな事を言いました。
「私も以前だけど人間を驚かせ過ぎて怒られたこと有るけど、あの顔は本当にヤバいね…」
ろくろ首も怒られた事があるようです。
「そう言えば八俣の大蛇パイセンも、須佐之男命に殺されて妖怪界に戻ってきた時、ちょっと荒れてて暴れちゃったらしいんだけど、不動明王さんがボコボコにして土下座させたみたいなんだよ…。大蛇に土下座させるってどんだけ鬼畜なんだよって大蛇パイセンがぼやいてた…」
『『『ゴクリ…』』』
どうやら、それぞれにトラウマを持っている様ですね。
「俺、いろんな妖怪がいて、それぞれにカッコイイ気がしてきた」
「私も。得意分野とか違うしね」
「オレっちもそう思う」
「てか、不動明王さんって一番ヤバくね?」
「「それな!」」
「「「ははははは!」」」
おやおや、皆で笑っています。
どうやら仲直りが出来たようですね。
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???「へっくしょい!!!なんだ?風邪か?」
そう言えば、どこかで大きなくしゃみをした1柱がいるとかいないとか。
おしまい
こんな感じで何話か書いてみたいと思います。