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お荷物

「ぶはっっっ!!」

「アリス!!煩いガキね!私は子供に興味はないの!」

「わぁぁぁぁ!」


アリスを仲間に残すと決めて2日。今のやり取りに関してはもう10回目…………。


「アリス!!もう何度目だ?少しは慣れろ!」


珍しくクオンがご立腹だった。アリスは自身に回復魔法を掛けてから、申し訳無さそうに正座している。


「こんなんじゃ、1ヵ月後強制解除だな。」

「ごめんなさいぃぃぃ!強制解除だけは!強制解除だけは勘弁してくださいぃぃぃ!」

「泣くな!後輩という存在に萌えを求めるな!クソガキだと思え!」

「それが出来たら、私はもう魔王倒して元の世界に帰ってます……。」

「チッ!とにかく、泣いても喚いても1ヵ月後このままだったら強制解除するからな!」


クオンってこんなキャラだったっけ?って位口調が荒い。舌打ちまで……。


「クオン、まだ2日しか経ってないわ。もう少し長い目で見ましょう。」

「マリアは良くやってるな。魔法も様になってきた。」

「私は後輩というものに興味がないみたいね。生徒会長なんてやっていたから、後輩には慣れているのかも。」

「マリアの面倒見の良さは生徒会長だったからかな?」

「さぁ?どうかしらね?」


いつの間にかいつもの口調に戻ったクオンは、定位置の私の肩に飛び乗った。クエストクリアをした私達はギルドに戻った。報酬を貰い宿を取ってご飯を食べる。暫くこの繰り返しだろうが、アリスを無視して先に進むわけにはいかない。お金を貯めておくのも悪くない。いつ何が起きるかわからないからね。

ベッドの中でこれからの事をいろいろ考えていると、いつの間にか眠りについた。


「マリアさん!起きて下さい!」

「……なに?」


気持よく眠っていた所を叩き起こされ、不機嫌さを出してしまった。それには少し怯んだ様だったが、負けずに体を揺すってきた。


「私!思い付いた事があるんです!早速、クエストに行きましょう!」

「わ、分かったから、寝起きで体揺らさないで……吐きそう……。」


すみません……。とシュンとしたのが可愛かった。アリスなりに色々考えていたんだ。

朝食を済まし、支度を終えた私達はギルドでクエスト受注して出発した。


「さぁ!張り切って行きましょう!今日こそ上級魔法使いの真の姿をお見せしますよぉ!」

「凄いやる気ね!」

「そして凄い自信だね。嫌な予感しかしないのは僕だけかな?」

「クオン、やる気を削ぐような事言っちゃダメよ?」


変わらず肩に乗っていたクオンは肩を竦めた。頭を撫でてあげると、目を細め気持ちよさそうにしている。先頭を歩くアリスが足を止めた。


「来ましたよ!マリアさん!今日は出番は無いので後ろに下がっていて下さい!」

「わ、わかったわ。頑張ってね!」

「お任せ下さい!」


アリスより一歩下がって、念の為にいつでも呪文を唱えられるようにスタンバイする。するといつもの通り、キラキラオーラを纏いながら後輩が走ってきた。


「せーんぱーい!待たせちゃいましたか?すみません!」


いつもならこの時点でアリスは吐血し倒れる。だが、その気配もなくしっかりと立っていた。


「凄いわ!アリス!!」

「フッ!マリアさん、凄いのはこれからですよ?」


クオンと2人息を呑む。ゆっくりと深呼吸するとアリスは呪文を唱え始めた。


「空を裂き轟く雷、我が命により大地を穿て!ライトニングクラッーシュ!!」


怒轟と共に落ちてきた雷は私の真横に落ちた。


「きゃぁぁぁぁ!!ちょっと!!何してんのよ!?!?」

「あれ?外れましたか……。ではもう一度!空を裂き轟く雷、我が命により大地を穿て!ライトニングクラーーッシュ!!」


二発目は全く関係のない気に落ちた。


「アリス!!敵に当てないでどうするの!」

「また外しましたか……。次こそ当てます!空を裂き轟く雷、我が命により大地を穿て!ライトニングクラーッシュ!!」

「きゃぁぁぁぁ!ア、アリス!!どこ見て撃ってんの!?」

「え?どこも見てませんよ?目瞑ってますから。どうですか?これなら倒れる心配はありません!」

「敵どころか味方も見えてないじゃない!馬鹿なの!?」

「大丈夫です!数撃ちゃ当たります!」

「だいじょばない!!」


こんな会話の中でもアリスは魔法を撃ち続けていた。こんなんじゃ、命がいくらあっても足りない。


「アリス!!一旦落ち着きましょう!魔力無くなるわよ?」

「心配ご無用です!まだ20発程撃てる魔力はありますから!」

「へぇ……凄いな。あのレベルの魔法をそれだけ撃てるなんて。馬鹿だけど本当に上級魔法使いなんだな。」

「感心してる場合じゃないわ!クオン、アリスの動き止めて!その間に私が倒すわ!」

「仕方ないなぁ……。」


クオンが肩から飛び降りアリスにネコパンチを食らわせた。その隙に私は少年に向けて魔法を放つ。


「痛っ!」

「煩いガキね!私は子供に興味はないの!!」

「うわぁぁぁ!」

「アリス、もう終わったから目を開けなさい。」

「えっ?とうとう私の魔法が当たりましたか!?」

「違うよ。マリアが倒したんだよ。」

「そうでしたか……。」


とてもガッカリしていたアリスに申し訳ない気持ちになった。しかしクオンは追い打ちをかけるようにアリスに説教を始めた。


「本当に君は残念な魔法使いなんだね。目を瞑るまでは良かった。マリアだって最初はそうだったしね。でも君、ノーコンにも程があるだろ?」

「すみません……。」

「すみませんと思うならさ、僕のいう事聞けるよね?逆らうなんてしないよね?僕が君を立派な魔法使いにしてあげるよ。」


物凄いドSな顔をしていたクオンに、アリスの顔は青褪めていたが、クオンの威圧感に負けて素直に頷いた。ちょっと待ってろと言ってクオンはブツブツと何かを呟くと、アリスは檻に閉じ込められた。


「ちょっとクオン!?!?何してるの?」

「何って強制的に慣れさせようと思って。大丈夫!あの檻は絶対に壊れないから。今日一日、アリスはあの中で過ごしてもらう。敵はすぐにでも群がって来る。倒れても起きたら敵に囲まれてる状態だ。倒れなくなるまで出すつもりはない。」

「それはあまりにも酷いんじゃない!?」

「いいんです!大丈夫です!これ以上マリアさんの足手まといになりたくないです!任せて下さい!克服してみせますから!」

「良い心構えだ。明日迎えに来る。行くぞ、マリア!」


クオンはたまに人格が変わったようになる。どちらが本当のクオンなのか、クオンは一体何者なのか、私はまだクオンの事何一つ知らない。振り返ってアリスを見れば、笑顔で手を振っていた。


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