表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

姿なき殺人

降りしきる雨がいつもより冷たい。

11月の冷たい雨が姫﨑 希の頬を打ち付けていた。

深夜1時だというのにあたりには眩しすぎるほどの証明がたかれ、人がせわしなく動いている。共通点は、同じジャケットを着ており、背中には「DOGS」と書いてあることだろうか。

「おい、姫﨑早く来い。」

先輩捜査官 安藤 宗治が呼ぶ。

「すいません。」

「まったく、ヒメももう配属されて半年だ。そろそろ血の色にも匂いにも耐えて欲しいものだね。」

「いえ、チーフ。それは、大丈夫なのですが。」

「チーフ、赤から連絡が。」

チーフと呼ばれる2係係長大久保 雅也が今川 望の端末を見る。

今川は、希と同じく女性で先輩として頼れる存在だ。

「赤。なにかわかったか。」

「なんにも、姿なき殺人者だね。」

「警察に行ったら怒られそうだ。」

赤は、本部で主にサイバー関係で働く。その素性は不明で腕だけは確かだった。

「チーフ、やっぱり目撃者もいませんね。」

元SWAT隊員の西 健弥が走ってきた。銃器の扱いにはたけているが捜査はあまり得意ではない、と本人が言っていた。

「なるほど。本当に姿がないのかもしれないな。」

鋭い目つきをした男が死体を睨んだ。

係長補佐の柳澤 満だ。

私は、この7人のいる2係に所属していた。

「とりあえず、西と柳澤は本部に戻ってくれ。赤、ASURAを使っていいぞ。今川は俺と合流する捜査一課に説明だ。安藤とヒメはこのまま鑑識と連携して捜査してくれ。」

各々チーフの命令通り動き始める。

姫﨑は、死体にかかっているブルーシートをあげた。

着ている服は真っ赤にそまっていた。

「猟犬殺しとは。敵さんはそうとうの手だれの持ち主だな。」

「こんなこと初めてですよね?」

姫﨑が安藤を見上げる。

安藤は口から煙をはくとタバコをタバコ入れに投げ入れた。

「俺たちの身分は極秘事項となっている。はたして、犯人は俺らを猟犬として知って襲ったのか、それとも知らずに襲ったのか。」

「たしかに…私達を襲うなんてある意味では国家に背くことになりますしね。」

安藤が2本目のタバコに火をつけた。

姫﨑は黙って安藤の言葉を待った。

雨は容赦なく2人を打ち続けていた。

「ところで、こいつのアクセスコードはどこにいった。」

時が一瞬止まったような気がした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ