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家畜としての人類

江学勤教授は古代エジプトの神話を「精読」し、そこには神官が(生ける神として絶対権力者であった)ファラオを洗脳する方法が現れていると言う。そして、古代の「ディープステート」である神官達は、エジプトの民衆を裏切ってアレクサンドロス大王をシワのアメン神殿で救世主に認定し、ヨーロッパの文明を支配する秘密結社として存続していったのではないかと考える。


そして、国家元首は民衆に向けられた人形であり、近現代を彩ってきた国民国家同士の闘争は、実際には国際資本によって操られてきた茶番だという。一定の地政学的な現象は自然的だとしても、そのタイミングを恣意的に操作することで、超富裕層はおびただしい利益を得てきたという。


私は、彼の思想は正しいと思う。なぜなら、近代的な拝金主義が民衆自身の幸福のために合理的どころか破滅的だという、重要な論点を私は彼と共有しているからだ。大衆は権力によって洗脳されており、世界の客観的な現実が公正世界仮説の真逆にあるという認識を、私は彼と共有しているからだ。そして、その真理だけでは訴求力がないため、イラン戦争について将来を予見し世界的な名声を得た江学勤教授に私は注目し、言わば「救世主」のような希望すら認める。


しかし、どのような方法で彼が正確な将来予測を実現しているかというと、「点と点をつなぐ」仮定的な作業の膨大な反復によっている。さらに言えば、幼少期からの莫大な活字消費に由来している。言わば、イェールの「精読」は伊達ではないということだ。それはもはや「方法論」というより、剥き出しのパワーそのものだろう。知性の戦艦大和と言ってもいい。

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