081【お魚さん、うれしい】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
しばらくすると、四人は魔力をだいぶ消費したのか、へたり込んだ。その顔は満足げである。
「おい、サブ、どういうことなんだ?」とランドルフ。
「言ったとおりだけど」
「いや、なんで急に」
「魔法の祝詞ってさ、国によって、差があるんだよ。大きく変わるわけじゃないけどさ。それで、魔法を具体的に思い浮かべてやれば、祝詞はいらないんじゃないか、と思ったわけ。で、やってみた。できちゃった」
「祝詞が違う?」と反応したのは、ダルトン。「なぜだ?」
「知らないよ。でもまぁ、祝詞を間違って覚えて、そのままだったんじゃない? それでも魔法が発動できた。頭の中にきちんと形になっていたからだろうね。そうだ、魔獣で魔法を使うのはいるんだろう? 祝詞を唱えているか? 人間がわかるような言葉を使っているか?」
「そういえば……せいぜい魔人が祝詞を使うくらいだ」
「ということは、詠唱なんていらないんだよ」
ううん、と唸っているダルトン。
だが、ランドルフは受け入れた。
「つまり、詠唱破棄する分、魔力枯渇が早くなる、ってことだな。訓練時間の短縮になる」とよろこんでいる。四人はご愁傷様。南無。
ということで、オレ以外の六人は訓練再開。
オレは、ちょっとヒマ。そこで食材確保に動き出すことに。有用な草木や果実やキノコ類は、オレの能力ですでに自動収穫してある。実にチートだ。
キノコは、陽なたで干しておく。干したら旨味が多くなる。出汁も取れる。
結界の魔導具をいつでも発動できるように手に持って、水辺に行く。魚でも自動収穫できればいいのだが、動物はアイテムボックスに収納できない。
一度、条件に魚を指定したが、発動する前にエラーメッセージが出て、ダメだった。パソコンか!
水中に魚影は確認できた。10センチほどの小魚だ。鑑定して食べられると確認。
問題は、捕る方法だ。釣りは道具がない。投網もない。できる方法は、罠しかない。
良さげな場所を探し、まわりからアイテムボックスに集めた石をそこに配置していく。そこにウルフの解体で出た内蔵をいくつか入れて、魚が集まるのを待つ。
しばらくすると、小魚が集まりだす。十尾を数えるくらいになった。
出入り口を堰き止め、小魚を手掴みで捕っていく。
そんなことをしていると、何やらまわりがバシャバシャと騒がしくなってきた。見ると、大きな魚が尾をバシャバシャと叩いていた。しかも何尾も。
その魚を掴んでは浜に投げ飛ばす。その数、十一尾。もちろん、鑑定。食用。
小魚は逃しました。デカいのだけで、充分です。
捌くのが大変だった。包丁が欲しい。で、アイテムボックスにすぐに入れるので、新鮮さは折り紙付き。
※キノコ
ウィキペディア参照。
食べられるものでも、加熱が甘いと
中毒症状を起こすとか。
気を付けましょう。
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