613【ふたりの正体】
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今話は、短めです。
広場に入る。自警団が歩哨に立っていた。
「どうした? なぜ、浮浪児を」
「風邪だ。手当てが必要だが、宿屋に断られた。ここで治療する。いいな」と威圧する。
たじろぐ歩哨。
「わ、わかった。威圧はやめてくれ」威圧を解く。ホッとする歩哨。「ありがとう。仲間か?」
「違う。街なかで見つけた。早く安静にしたい」
「治せるのか?」
「わからん。もっと説明が必要か?」
「あぁ、そうだな。そちらを優先してくれ」
「助かる」
広場の奥に小屋を出した。それを見たまわりの冒険者たちが驚く。
マナミがドアを開けてくれて、入る。それから、マットを出してくれたので、そこに男の子を下ろす。
「服を脱がせてください。身体を拭いましょう」
「わかった」
男の子から粗末な服を脱がす。骨と皮だけの身体だ。
マナミが用意した桶のお湯で、タオルでぬらし絞ると、顔や身体を拭く。すぐに汚れるタオルをぬらし絞り拭くを繰り返す。
マナミが男の子の髪に濡れタオルをかぶせ、汚れを取る。
汚れを取り終わり、身体を毛布で包み、小屋を暖める。
マナミがまた男の子の容態を診る。
「容態は安定しました。でも、栄養不足がたたって、吸収速度が遅いみたいです」
「輸液があれば、多少は良くなるかな」
「わかりません。そっち方面は何もわからないので」
「だね。知識の書と鑑定さんを頼ってみるか」
アグラをかいて、両方をチェックする。
そのあいだは、マナミに栄養ポーションをゆっくり少しずつ飲ませてもらう。栄養を吸収しているのであれば、と思い。
あれこれ調べてみたが、素人同然のオレたちが輸液を用意して、血管に針を刺すというのは、やめた方がいいと判断。
「交代しよう。マナミは彼女のことを頼む」
「はい」
マナミが女の子と話しながら、服を脱がせ、身体と髪をきれいにする。
それで短い尻尾があるのがわかる。
鑑定さんによると、彼女たちはタヌキ獣人。タヌキ? タヌキって日本固有種じゃ? あぁ、違うのか。
それはともかく、彼の容態を良くしないと。
栄養ポーションを飲ませる作業を続ける。
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