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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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508【戦術指南】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


2話連続投稿します(1話目)

 アダナン町に到着した。

 ヒュージアント討伐後に、ちょっとイジメたナバウリ領主様が拠点にしている町だ。

 少し前に連絡して、謁見を願い出た。

 サナル村の許可をいただいたお礼くらいはしておかないとな。

 申請受理は、翌日に連絡を入れた町の魔導通信機に届いた。日時指定はされていないが、三日後くらいに町に到着するように調整した。そのあいだに、途中の森に入って、ゴブリンやウルフの討伐をして過ごした。ラキエルのエサだ。

 アダナン町は、さすが領主様がいる町だけあって、賑わっていた。

 そんな中を行かずに、透明化と浮遊の魔導具で、領主様の館へと向かう。町で騒動に巻き込まれる可能性を考慮してのことだ。何があるかわからないからな。

 館近くの物陰で魔導具をしまう。

 館へと歩いていくと、衛兵がこちらに気付いて、警戒を高める。

 三メートルほど前で立ち止まり、名乗りを挙げる。

「B級冒険者のサブと申します。領主様へと御目通りを願います。事前に了承していただいております」と書状を開いて見せる。

「そこで待て。確認する」

 衛兵のひとりが、館に向かって、手旗を振る。手旗信号だ。単純なものだろう。

 館の上では、その信号に、同じく旗を振り返す。

「確認が取れた。こちらへ」

 衛兵が門の内側へと招いてくれる。

「迎えが来るので、お待ちを」

 礼を言って、イスに腰掛ける。

 しばらくすると、ひとりの男が、馬に乗り、こちらへとゆっくりと走ってくる。もう一頭を綱でひいて。館までに距離があるからな。

 到着すると、衛兵たちが敬礼する。彼は馬から降りると、敬礼を返す。あれ? なんか見覚えがある。けど、どこで会ったんだか思い出せない。

「サブ殿、お久しぶりでございます」と会釈してくる。

「大変、失礼なのですか、お会いしたことは覚えているのですが、お名前も会った場所も覚えておりませんのですが」

 彼は一瞬、えっ?という顔をしたがすぐに態度を改めた。

「失礼した。私は領軍の部隊を預かる副軍団長を務めるケイオス・ドミリオンと申します。ミハス町のヒュージアント討伐で、ヒュージアントの山を確認した者であります」

 ヒュージアントの山を?

 あぁ、思い出した。

「思い出しました。その節はご苦労様でした」と会釈する。

「領主様から出迎えを命じられました。顔見知りだろうからと」

「助かります」

 ふたりともに馬に乗り、ゆっくりと館を目指した。


 館の玄関ではなく、裏に案内される。

 怪訝に思いながらも付いていく。

 張り上げる声がだんだんと近付いてくる。それから硬い木をぶつけるような音も。

 その全貌が見えてきた。兵士と思われる者たちの多くが木剣での戦闘訓練をしていた。そこは練兵場だった。一部では魔法訓練をしている。

 練兵場の館近くで、鉄剣を振るう人物がいた。少し痩せた感があるが、見覚えがある。ナバウリ領主様だ。

 ふたりで馬を降りる。

 副軍団長は、馬の手綱を従僕に預けて、領主様の近くに。敬礼をして報告。

 領主様は最後のひと振りをすると、構えたまま、深呼吸する。鉄剣を下げ、うしろに控えていた従僕に渡す。それからオレを見た。

「サブ殿、久しいな」

「お久しぶりにございます、領主様」

 オレはうやうやしく一礼した。

「うむ。そなたの忠言により、鍛錬をし直しておる。おかげですこぶる体調が良い」と笑う。

「激しく行なわれていないようで、安心いたしました」

「うむ。そうだ。魔法部隊も新設した。まぁ、まだまだ実戦させられぬがな」

「後方支援ではないので?」

「後方支援?」

「つまり、魔法使いの使える攻撃魔法は、詠唱せねばなりませんので、接近戦では無意味です。ですから、攻撃が得意な者、治癒や手当てが得意な者に後方を担当させ、前線での闘いを支援するのです」

 考え込む領主様。

「これは例えばですが、魔獣がこちらに疾走しているとしましょう。まず、後方支援の攻撃魔法により、進行を食い止め、多少のケガをさせ、魔獣の動きを鈍くします。そこを武器での攻撃をすれば」

「ふむ。疲弊しておる魔獣は、駆逐しやすいな」

「はい。後方支援は、退路の確保も役目になります。イザというときには撤退も必要になりますゆえ」

「撤退か」と苦い顔をする領主様。

「撤退は、恥だと? 逆です。撤退し、隊を再編成すれば、再度攻撃が可能です。兵の損耗を抑えるのも、指揮する者の務めかと具申致します」兵士の前なんだから、丁寧にね。

「わかった」領主様がオレのとなりを見た。となりには副軍団長。「ケイオス、どう思うか」

「ハッ。理に適っているように思われます」

「そうだな。闘ってみるか」

「閣下の(めい)とならば」

「では、部隊を分けよ。装備・編成はふたりに任す」

「ハッ」

「サブ殿、采配を楽しませてもらおう」

「えっ?」

「貴殿に隊を任す。采配して見せよ」

「いや、それは」

「自信がない? それでは貴殿の言葉、信用せぬぞ」ニヤリと笑む領主様。

 ハメられた。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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