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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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198【《商いの風》、次へと向かう】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し長いため、3話ではなく2話連続投稿します(2話目)

 結局、翌日、解体スタッフに見積もりを出させ、それを人数で割り、パーティー毎に分け合う金額を算出。それから報奨金も同様に算出した。それを合算して、それぞれの金額を確定させた。

 ギルマス執務室で、ギルマスから討伐報奨金を分け、オーガの解体素材の買取価格の三人分をオレたちから先渡しすることにした。

「オレたちは、まだ解体があって、町を離れられないんだけどな。それでもおまえたちの商売に支障があっては、申し訳ないから、先渡しすることにした」

「すまんな」とドレック。

「いいや。こちらこそ、いろいろと勉強になった。ここでお別れになるが、また会えたら、よろしく頼むよ」

「こちらこそ」

 彼らと握手する。

 彼らとは、この町で別れる。さみしい気持ちはあっても、悲しむことなど、ない。



 数日後。オーガの納品を終え、素材の買取金額は、口座へと入金してもらう手続きを済ませた。

 旅に必要な物資は買い込んだので、いつでも出られる。

 そこへ冒険者ギルドを仲介に、商業ギルドからの指名依頼が入った。


 商業ギルドにオレとダルトンで向かう。詳細情報を得るためだ。

 受付嬢に冒険者ギルドからの依頼書を見せると、ギルマス執務室へと案内された。

 ひとりの痩せ型の初老の男性がいた。

「ギルマスのゼルスと申します。よろしく」

「《竜の逆鱗》のサブです。こちらは仲間のダルトンです。こちらこそ、よろしく」

「オーガ討伐の件は聞いております。ありがとうございます」

「いえ。しばらくは大丈夫でしょうが、いずれ接触の可能性はあります。警戒はしておくようにしてください」

「わかりました。それで今回の依頼なのですが、王都まで薬を届けることなのです」

「えっ、王都ですか?」

 ううむ、逃げてきたのになぁ。

「はい。その前に、メカタ村の薬師のところへ行って、薬を受け取ってもらいます。その薬を届けて欲しいそうです」

 あそこの薬師といったら、シファーさんかな?

「いつまでに?」

「それが」と濁る口調。視線もさまよう。

「言ってください。詳細がわからなければ、受けられるのか、判断できません」

 それでようやく決心がついたようで、うなずいた。

「七日以内、です」

「はい?」

「患者は子どもで、以前から身体が弱かったのですが、ここのところ、容態が悪化。それを王都の医師が診察。“熱覆い”と呼ばれている病とわかりました。これは身体の魔力の流れが不安定な状態であり、これを正すためには特殊な薬剤が必要なのです」

「そして、七日以内に処方せねばならない、と」

「はい」

「ダルトン?」

「オイラ? 無理無理。ここからどれだけ離れていると思っているの?」

「だよな。すみませんが、なぜ私どもに指名依頼を?」

「確認が取れているわけではないのですが、空を飛べる従魔がいらっしゃるとか」

「どこから?」

「門衛から」

「あっ、オイラか」と頭を抱えるダルトン。何度か、ラキエルで行き来しているから、それでか。

「本当なのですね?」

「まぁ。ですが、七日以内というのは、難しいのではないか、と」

「空を飛べるのであれば」とギルマス。「最短距離で行けますよね?」

「空中では魔力を喰うので、基本は地上を走るんですけど」

「なんとかなりませんでしょうか?」

 念話で聞いてみるか。

『ウーちゃん?』

『う? うむ?』

『寝てた?』

『む、寝てないぞ。本当じゃ』

 慌ててる。寝てたな。

『別にいいんだけどさ。ずっと空を走り続けるなんて、できそう?』

『一日中ということか?』

『うん』

『できなくもないが、水を飲んだり、食事をしたり、眠ったりはしないわけにはいかぬぞ』

『それは当然だね。ちょっと待ってね』

「地図はあります?」

 ギルマスが獣皮紙の地図をテーブルに広げる。

 現在地のヘイサト町、メカタ村、王都と示してもらう。

 だいぶ遠ざかったなぁ、と思い、よくよく思い出した。この世界の地図は、測量技術の使われていないもの。距離や位置関係は、おおよそでしかないのだ。

『ウーちゃん、大きくなったら、走る速度も早くなる?』

『なるぞ。本来の姿なら、ドラゴンには負けるが、ワイバーンには負けぬな』

『ワイバーンか。早そうだな』

『うむ』

「七日以内に到着できるとは限りませんよ?」

「引き受けていただけますか?」

「ええ。薬師は、シファーさんですか?」

「ご存知ですか?」

「ええ」

「ありがたい」

 そこで地図とともに詳細な情報を書いたものをもらって、商業ギルドを出た。

「ダルトン」

「ん?」

「一緒に行くか?」

「へっ? なんで?」

「王都の住所はもらったけどさ。わからんよ」

「言ったよね、酒が飲みたいって。マナミの料理から離れたくないって」

「ああ、そんなことを言ってたな。わかったよ。でもどうすればいい?」

「そだね……手前の町か村の商業ギルドに報告してさ、王都商業ギルドの人に門で待機してもらいなよ」

「あっ、そういう手があったか」

「それで本当に行けるの?」

「ウーちゃんが本来の姿になれば、ワイバーンに負けないってさ」

「ゲッ、デカくなって飛ぶの? 大丈夫かなぁ」

「まぁ、大騒ぎだろうな」

「そのへん、気を付けてねぇ」

「了解。それで、そっちはどうする?」

「移動するよ。準備万端だしね」

「若者たちを頼むよ」

「わかってるって」


※ドラゴン

  ウィキペディア参照。


※ワイバーン

  ウィキペディア参照。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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