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なろうラジオ大賞

お弁当のスパゲッティ

作者: 地野千塩

 私、篠野カナエ。就活に失敗し、五年ぐらい派遣社員をやっていた。そのおかげか自己肯定感は低い。


「はぁ。仕事つまんね。データ入力とか誰がやっても同じじゃん……」


 会社の近くの公園でお弁当を食べながら呟く。公園のそばで屋台が出ており、そこで買ったミックスフライ弁当。ご飯とエビフライ、コロッケ、カキフライ、クリームコロッケの四種のカツと付け合わせのスパゲッティが詰められ、これでワンコイン。このオフィス街の弁当屋は激戦区のせいか、味も値段も最高。仕事がつまらない毎日でも、このお弁当は慰められる。


「はあ、でも美味しいわ。付き合わせのスパゲッティすら美味しい」


 ふと、弁当が入っていた袋の底に、使い捨てのおしぼりが入っているのに気づいた。


「うん?」


 おしぼりだけでなく、弁当の内容やちょっとそた豆知識が書かれたカードも入っていた。可愛いイラストも描かれ、目を引くが。


 お弁当にスパゲッティが付け合わせで入っている理由が豆知識として書かれていた。彩りや緩衝目的だけでなく、揚げ物やハンバーグなどの油を吸い取り、そのスパゲッティ自体に味が染み込み一石二鳥なのだという。


「お弁当には無駄な食材は無い。人間もそうかもそれません。誰もが必要な存在ですね!」。豆知識はそう締めくくられていた。


「そっかぁ」


 自分の仕事もつまらないと馬鹿にしていたが、無駄ではないかも。このお弁当のスパゲッティみたいに。実際、味が染み込んだスパゲッティはよく味わうと、さらに美味しいではないか。


 そう思うと少し元気になってきた。お腹もいっぱいだし、午後からも頑張れそう。


「ご馳走さま」


 笑顔で箸を置いていた。

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― 新着の感想 ―
スパゲッティの意味を最近知ったので、なんとなく想像できてきました。 ミックスフライとか大好きでしたね!今はもう太るのを気にしてああいう弁当も食べられなくなりました。 主人公さんの思いが報われると良い…
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