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俺だけ世界感違うくね?

 午前中で『ウォーターワールド』『ジュラシックワールド』『ターミネーター3D』をみんなで周り終え、そこから一度レストランで昼食を挟むという班と、時間の限りアトラクションを周りたいという班に別れた。

 芽吹の班と秋人がいる班は一緒になって周ることになった。


「レストランは混んでるし食べる時間も勿体無いから、食べ歩けるやつ買って、それからまずどこから行くか?」


「逆に今一番混んでるやつから先に消化してかね?」


「どこがいいかな?」


「話ながらでいいからさぁ、とりあえずなんか食おうぜぇ〜?俺ハラヘッタァ〜!」


「たしかに」


「ワタシもぉ〜!」


「可愛くて美味しいのもいろいろあるみたいだし、グルメも楽しまないとね!」


「よし!とりあえず歩いてみよう!」


「ネットで見たやつで秋人はなんか食べたいのあった?」


 みんなで歩きながら芽吹が秋人に聞く。


「周れるなら全部周りたいけど、とりあえず気になってんのはニューヨークエリアのピザとかかな?」


「ピザいいね!僕はジョーズドッグ食べてみたいと思ってる」


「おー!芽吹ちゃんワイルドだね。アタシはミニオンズのカレーパンかなぁ」


「私はチュロスを食べてみたい。どんな物なのかまだ食べたことがないから」


「あ、それ実は僕も」


「お?芽吹ちゃんと秋奈っちはチュロスはまだ未経験?ってことは……、二人で一本のチュロスを食べ合って、ギリギリ初体験ゲーム!とかやっちゃう?」


「美少女同士の百合ゲーム……。需要あるな」


「「ないから!」」


 夕夏と出島の悪ノリに、芽吹と八乙女さんのツッコミが重なった。




 数多くのエリアと、いろんな人気アニメとのコラボコンセプトで溢れたユニバーサル・スタジオ・ジャパン。

 それぞれの班がいろいろなエリアに散らばっては、同じアトラクション、エリアで鉢合わせて結局一緒に楽しんだり。女子だけの班では、様々な可愛いスイーツメニューを注文しまくり、写真も撮りまくり、食べきれない分は男子グループを呼びつけて食べてもらい、また新たなスイーツを注文して、また撮影しながら食べて、残ったらまた男子に食べてもらいを繰り返してスイーツを満喫する女子たちもいた。

 芽吹たちも同じく、鉢合わせた他の班の人たちと合流して、班行動などもはや関係なくなっていた。

 いろんなアトラクションを周り、いろんなエリアの街並みやお店を楽しみまくった。

 時には、街の一角に人集りがあれば、


「なぁ、おいちょっと!あれってもしかして麦わらの一味じゃね!?」


「うそっ、マジで!?」


 人気アニメのキャラクターたちが当たり前のように目の前に現れ、大勢のお客さんたちに手を振ったり、定番の必殺技のパフォーマンスをして見せたり。


「USJでコラボってるアニメっていくつあるんだろうな?」


「オーケーぐーるぐる!USJのコラボアニメの数を教えて」


 有馬京弥の呟きに瞬時に反応したのは出島だった。


「『名探偵コナン』『ワンピース』『ルパン三世』。へぇ、『エヴァンゲリオン』もあるのか」


「ミニオンズはまだ見てないね。いろいろ歩き周ってたら見れるのかな?」


 芽吹もスマホで調べていた。


「そういえば前にYouTubeで見たけど、次元がめちゃくちゃ次元本人だった動画あった!」


「あぁ、それ俺も見たな。ルパン三世も見てみたいな」


「京弥京弥、『モンスターハンター』もコラボってるぞ。コスプレしてみてぇー!」


「『葬送のフリーレン』ってかなり最近のアニメだよな?もうコラボってんのか?」


「マジ!?フリーレンもあるの!?私今めっちゃフリーレンハマってんだけど。見たい見たい!」


 知っているアニメの実写版に出会えることを願いながら、芽吹たちは次の主要エリアを目指した。

 次に芽吹たちがたどり着いたのは、ハリポタエリアだ。9と3/4番線。ダイアゴン横丁。ホグズミード村。そして何より、入口から見えていたあのホグワーツ城が圧倒的な存在感ですぐそばにそびえ立っていた。

 みんなを興奮させたのはまずは9と3/4番線だった。映画『ハリー・ポッター』の世界を忠実に再現したセットの造りとSLの存在感に圧倒。


「すげぇ……!」


「賢者の石と秘密の部屋ではこのレンガの柱をすり抜けるんだっけ?」


「厳密には秘密の部屋では邪魔されて通れないんだけどね」




 次にダイアゴン横丁。

 ここにはゴブリンが経営するグリンゴッツ銀行。杖の専門店オリバンダーの店。ウィーズリーの双子の兄弟が開いたいたずらグッズ専門店。魔法界のお菓子専門店など。ここも映画でお馴染みの場所だ。ここで定番の商品と言えば、もちろん魔法の杖とローブだろう。魔法の箒ニンバス2001なども売っていた。


「うぇっ、マジか……。ニンバス2001が、5万7000!?」


「ファイアボルトはほぼ7万かよ!?」


「杖も高ぇ……。見れただけで十分だわ」


「これがカエルチョコ?普通にチョコ」


「ははは。まあ、そりゃさすがにそうだろ。動いたらビビるわ」


「やっぱり百味ビーンズは一回は試しに買ってみるべき?」


「先輩が前に美味しくないって言ってたけど、旅の思い出だし、いいんじゃね?」


「ウィンガーディアム・レビオーサァ!」


 出島は買った杖で早速呪文を唱えていた。


「やっぱダメか……。女子のスカートはめくれないな」


 出島は八乙女さんの制服に向かって呪文を唱えていたのだった。


「貴様……、何をしている?そんなに死にたいのか?」


「……や、やってみただけじゃん?」


 この後出島はスリザリンのマフラーで絞め殺された。


 


 次のホグズミードに着いたところで、芽吹たちは予想外のキャラたちと出くわした。


「ちょっと待って待って。あれ!フリーレンのコスプレじゃない!?」


 『葬送のフリーレン』にハマっているという女子生徒が飛び跳ねてみんなを呼び止めた。そちらを見ると、パブレストラン『三本の箒』からフリーレンの一行が出てきたところだった。他のお客さんもフリーレンを知っている人達は拍手しながら歓喜していた。

 芽吹たちもフリーレンをよく見ようと近くまで行って見ることに。

 ところが……、そこで秋人がある違和感に気付いた。


「ちょっと待て芽吹。あれ、フリーレンの格好した女の人、もしかして……」


 秋人が芽吹にもその違和感を伝えようと肩を叩いた。


「え、なに……?」


「ミヅキちゃん……じゃない……よな?」


「え?」


 言われて芽吹もフリーレンのコスプレをした人の顔をよ〜く見ようとさらに近付いてみた。すると、まさかの、


「ミ、ミヅキちゃん!?」


「はぁ!?」


 他のみんなもまさかと驚きの声を上げた。


「何故バレた!?」


 ただでさえロリエルフのような見た目をした海月冬耶(ミヅキ)が、まさかのまんまエルフのフリーレンのコスプレをして他のコスプレメンバーと一緒にここで現れたのか。


「ミヅキちゃん、いつの間にいなくなってたの!?ってか、なんでスタッフさん引き連れてフリーレンのコスプレしてるの!?」


「どう?似合ってる?」


「似合ってるどころかそのまんま……」


「芽吹ちゃんにもお裾分けします」


 そう言うと、ミヅキちゃんは着ていたフリーレンの衣装をサッサと素早く芽吹に着せた。杖も漏れなく。

 フリーレンの姿になった芽吹がキョトンとした表情でそこに立っていた。すると、それを見てい夕夏、八乙女さん、出島、フリーレンどハマり中の女子生徒の4人が、


「尊すっっっ!!」


「か、可愛すぎて、目がっ……焼ける!!」


「アバダケダブラっつ!(自滅)」


「ゾルトラーク!!(自滅)」


 目を抑えて卒倒していた。


 『ハリー・ポッター』の魔法の世界に、『葬送のフリーレン』の勇者一行が現れるというまさかのファンタジーな展開。そこに来て何故かミヅキちゃんがフリーレンのコスプレで現れるという奇跡。まさにファンタジー世界の融合だった。






 後日談。

 好きなキャラクターのなりきりコスプレが出来るというイベントに参加した芽吹たちは、みんな思いきってコスプレを楽しむことになった。


 

 芽吹はあれから結局ミヅキちゃんから引き継いだフリーレンのコスプレで決定。そこに、勇者ヒンメルの格好をした秋人が参戦。


「秋人のヒンメル、なかなか似合ってる。カッコいいじゃん!」


「バカ。あんま褒めんな。ハルのフリーレンも似合ってんじゃね?胸が控えめなところとか」


「ムッ!仕方ないだろ!ってか胸関係無いじゃん!」


 そんな二人の構図を見て、


「自分のクラスメイトにフリーレンのコスプレがこんっっっなに似合う人がいるなんて。ヤバい。マジテンションあがるぅー!」


 ミニオンズの着ぐるみを着た謎の誰かが物凄い勢いで二人の写真を撮りまくっていた。

 芽吹と秋人に続いて他のメンバーも『葬送のフリーレン』のキャラクターに扮して出てきた。

 フェルン役には豊満体型がピッタリだった吉澤唯さん。


「めちゃくちゃ恥ずかいんですけど……。でもちょっと可愛いかも」


 シュタルク役には有馬京弥が。


「俺、フリーレンあんま知らねぇんだけど?でもこの斧かっけぇな」


 ドワーフ戦士アイゼン役には城之内要さん。


「これ……、髭と兜でほぼ誰だか分かんないじゃん。まぁ、これならあんまし恥ずかしくはないか」


 更に、夕夏はカンネ。八乙女さんがラヴィーネの格好をしていた。この二人の登場にも謎のミニオンが激写しに来た。


「もうみんな似合いすぎ!可愛すぎだよ!でもなんで私だけミニオンなの!?」


 そんな楽しげな空間とは少し変わって、『三本の箒』店内では……。

 ミヅキちゃんは今度は、これまたエルフの大魔法使いゼーリエの姿で、美味しそうに、そして静かに、バタービールを味わっていた。そしてその向かいの席には、ハイターのコスプレをさせられたらしい、副担任の酒井先生がいた。


「バタービール……美味しいなぁ〜……。でも、お酒呑みたいなぁ〜……」


「先生は勤務中なのでは?」


「はい。そうですね。我慢しましょう」


 更に、同じ店内のカウンター席にも一人。


「俺だけなんで碇ゲンドウ……?俺だけ世界感違うくね……?今すぐ逃げたい……」


 エヴァンゲリオンの碇ゲンドウに扮した出島がいた。たった一人。





 続く……

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