それが超平和バスターズ!
芽吹と秋人の何気ない2人の日常。
大大大好きな作品のネタを入れさせて頂きました。パクリではなく、リスペクトです。
午前11時過ぎ。
温かい布団の中で3度寝の惰眠を満喫した芽吹は、空腹と尿意が我慢出来なくなったことでようやく布団から出た。
暖かい便座にお尻を預け、ポケットからスマホを取り出して、画面をスワイプして当てもなくショート動画を流し見。そうして何も考えずにトイレに居座っていると、
コンコンコン!
「芽吹ちゃん、まだ入ってるの?またトイレで動画見てるでしょ!」
ヤバっ!
「動画なんて見てないよ!」
図星なのがバレないように適当な時間をみてトイレから出た。
大根と油揚げの味噌汁と、白菜のお浸しをおかずに朝食兼昼食。
今日は12月28日。特に何もない日だけど、全力で休みを満喫出来る日。昨日も昨日で夜中遅くまで寝落ちするまでゲームをした。
ご飯を食べ終わってリビングで寛いでていると、スマホからLINEの通知が鳴った。見ると秋人からだった。
{今何してる?}
{ご飯食べ終わってグダグダしてるとこ〜}
{今から遊べないかなって思ってさ}
{いいよ!}
{どっか出掛ける?それともハルん家?それか俺ん家?}
少し迷ってから、
{久しぶりに秋人ん家でもいい?}
{オッケー!}
外に出ると、キリッとした寒さは感じるけど太陽の温もりも感じてとても気持ちいい天気だった。
秋人の家まではゆっくり歩いても2〜3分。同じ通りを歩いて4軒隣の赤い屋根の家。
インターホンを鳴らすと、
「お、来た来た!」
端末から秋人の声が。
すぐにドアが開くと秋人が出て来た。
「よ!上がって」
「うん!お邪魔しま〜す」
「芽吹ちゃんいらっしゃ〜い!」
「綾さん、お久しぶりです」
「まぁ〜もぉ〜!久しぶりに会ったらこんっっっなに可愛くなっちゃってぇ〜!もうすっかり女の子ね。秋人?絶対に芽吹ちゃんをお嫁さんにしなさい!絶対逃がしちゃダメよ!」
「ちょっ……母さん!?」
「おっ……お嫁さん!?」
「きゃああああ、2人とも真っ赤になっちゃってカワイイー!」
「やめろっつーの!ハル、俺の部屋に行こう。ここにいたら母さんが壊れる」
「う……うん。だね」
僕と秋人は逃げるように秋人に部屋に入った。
「っはぁ〜……!いきなりなんてワードぶっ込んで来てんだよ。ったく!」
「あはははは……」
秋人は自分の机の椅子に座るなり母親へボヤいた。僕は秋人のベッドに座ってただ笑うしかなかった。
少し落ち着くと、秋人はおやつと飲み物を持ってくると言って一旦部屋を出ていった。
一人になって改めて秋人の部屋を見渡す。久しぶりに秋人の家に遊びに来た。高校に入る前……女体化する前まではしょっちゅうお互いの家でも外でも遊び回っていた。漫画を読んだり、ゲームをしたり、DVD映画を観たり。秋人の部屋で一日中遊んだ日は秋人のベッドで一緒に昼寝するのも普通にしていた。何も気兼ねすることも無く。でも今は、僕は一応女の子としての意識もあるし、恋人として、異性として意識した仲なわけで。
――いずれは秋人の、お嫁さんに……。いぃぃいやいやいやいや!やっぱ無理!だってつい2年前までは普通に男同士だったわけで。秋人とはお互いに彼氏彼女ってことで関係は一応成立?してるけど……。結婚なんてまだまだ全然想像できないよ。……いや、全く出来ない訳でもないか……?
#芽吹の想像その①#
純白のウエディングドレス姿の自分と新郎姿の秋人。神父の前で愛を誓い合う2人。大きなウエディングケーキをカットする2人の共同作業。大きなナイフを握り合う手を見てからお互いに見つめ合って顔が熱くなる。
#芽吹の想像その②#
「ただいま」
「おかえりなさい。秋人」
仕事から帰って来た秋人を、エプロン姿で迎える自分。
「お風呂はもう出来てるけど、先にお風呂にする?ご飯にする?それとも……僕?」
「じゃあ……ハルと一緒にお風呂にするか」
「……(//∇//)!!」
「ダメダメダメダメダメダメ!お前にはまだ早い!」
「えっ!?す、すまん。おやつはまだ早かったか?飲み物だけで良かった?」
いつの間にか戻って来た秋人にびっくりされてしまった。
「彩雲堂のアルバイトさ、ハルはもう慣れたか?男装とかメイクとか大変そうたけど」
「う〜ん、服とかは別に大丈夫なんだけど、メイクは正直まだ慣れないかなぁ〜。園田さんとか夕夏が同じシフトにいる時はやってもらってる感じかな」
「それ以外は自分でか?」
「う〜ん……、最初の下地とかはなんとか自力で。でも仕上げは真さんにしてもらっちゃってる」
「真……?誰だっけ?」
「受付担当のちっちゃくてカワイイ人だよぉ」
「あ、受付のね。思い出した」
「秋人は裏方で忙しいからあんまり接点ないか」
「いや、俺は単純にハルのことしか見てなかったかも」
「秋人……?」
「ん?」
「ちゃんと仕事してる?」
ジト目で秋人を見る芽吹。
「裏方だと、男装して一生懸命接客してる可愛いハルを見れるのは結構貴重なんだぞ」
「は、恥ずかしいから、わざわざそういうこと言わなくていいから!」
「分かった。今度は客としてハルを見に行けるようにシフト変えとくわ」
「やり辛いから来なくていいよ!」
お菓子を食べながらバイトの話で始まり、彩雲堂のメニューの中でどのスイーツが好みかとか、楓店長と蓮さんの事。楓店長と蓮さんが他に似合いそうな男装の話とか。修学旅行の思い出だったり、USJの話からフリーレンの名シーンをYouTubeで見ながら盛り上がったりした。そのうちYouTubeで見つけたとあるアニメがイッキ見配信されていることに気付いて、そこからは2人でそれを見ることに。
「やったぁ!まさかYouTubeで『あの花』がイッキ見出来るなんて。これDVDボックスでもう何回も観てるんだけど、何回観ても感動する名作だよ。秋人は観たことある?」
「埼玉県の秩父が舞台のやつだっけ?」
「そそそそ!」
「確か幽霊になっちゃった女の子が出てきて……?」
「そそそそ!めんまちゃんね!」
「幼馴染の少年少女が秘密基地に集まってとか……?」
「それが超平和バスターズ!」
スマホからYouTubeをテレビに繋いで上映開始。秋人の部屋の大きいテレビ画面で観る好きなアニメに、芽吹は正座をして全集中で画面に齧りついた。
もう何度も観て全部を知っている芽吹。映画の予告ぐらいの程度しか内容もキャラクターも知らない秋人。オープニングもエンディングも飛ばさずに全ての映像を全力で観る芽吹。秋人から何かの質問が来るたびに、
「待って!エンディングに入ったら一時停止するから。その時に聞いて」
「お、おう……」
DVDだろうと動画だろうと、まるで映画館の映画のように全力でアニメを観る芽吹に、秋人は質問することを諦めた。
途中、エンディングに入った瞬間、
「一旦停止。ごめん。秋人トイレ借りるね」
「お、おう。動画は逃げないからゆっくり行ってこい」
「で・す・ヨォー!」
芽吹が部屋を出て行ったあと、秋人はふと思う。
女体化したのを切っ掛けにハルの髪もこのアニメのめんまのような髪色になっている。もしハルもめんまみたいに長い髪だったら……と。
「ロングのハルもめっちゃ可愛いな!」
この時秋人はあるイタズラを思いついてしまった。
夕方6時を回った頃。『あの花』を最後まで見終わった芽吹と秋人。部屋の電気をつける事も忘れ、止め処なく流れ出る涙を拭くのにティッシュでは足りずバスタオルで涙を拭う2人。
「ハル……」
「うっ……グスッ……うぅ〜……なに?」
「これさ……グスッ……ダメだな。グスッ……涙腺が……グスッ……決壊が……治まらねぇ……」
「秋人ぉ〜……」
「なに?」
「鼻水が……ティッシュ切れた」
「あ、すまん。今新しいの持ってくるわ」
涙腺も落ち着き、どこのシーンがどうだったとか、持っているDVDで今度コメンタリーバージョンの方も見ようという話でまたしばらく盛り上がった。
気付けばあっという間に7時になりかけていた。
「そろそろ帰らなきゃ」
「ハル、明日もヒマ?」
「うん。特に何も無いよ」
「明日も俺ん家来る?」
「うん。いいよ」
「明日さ、蒸しパン作ってみねぇ?」
「え、蒸しパン!?じんたんのやつ!?」
「ああ。作って見たくね?」
「作ってみたい。ホットケーキミックスがあれば出来るって、じんたんのお母さんが言ってたね!」
玄関で見送られ、家へと帰る。
「はぁ〜…。やっぱり『あの花』は名作だ!秋人も号泣してたし。あっ、そうだ。今度夕夏の家にDVD持ってってみんなで観れないかな?」
大好きな『あの花』の布教を計画する芽吹だった。
「めぇんまぁの最近はぁ、楽しみなことばっかぁ〜!」
少しだけめんまの真似をして戯けて帰る芽吹だった。
続く……
『あの花の名前を僕達はまだ知らない』
この作品が大大大好きなので少しだけでも宣伝させて下さい‼️ホントにもう何度観ても最後には泣かずにはいられない‼️我慢出来ません‼️
声優に茅野愛衣さん、入野自由さん、戸松遥さん、早見沙織さん、櫻井孝宏さん、近藤孝行さん、田村睦心さん。知ってる人は知っている名作です。




