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キャラメルクリームより甘いの……僕?

 これでクリスマス編は終わります。バイト先の彩雲堂の猫写はこの先日常の中にチョロっとは描くつもりです。スイーツメニュー考えるのちょっと好きになりました。実際には作れませんけどね……。



 クリスマスデート中に、ゲーセンでミヅキちゃんと偶然居合わせた芽吹と秋人。UFOキャッチャーで無双していたミヅキちゃんの指南で芽吹と秋人もUFOキャッチャーを楽しみ、その後もガンシューティングでゾンビを撃ちまくったり、ミヅキちゃんが観戦者で、芽吹と秋人でレースゲーム対戦で激戦を繰り広げたりと、3人でいろんなゲームを楽しんだ。はしゃぎすぎて疲れてきたところで、


「僕これやったことないんです。3人で入ってみませんか?」


 ミヅキちゃんがやってみたいと言ったのはプリクラだった。


「あぅ……」


「ああ……これか……」


「ギャルの必須コミュニティボックスだ……」


 このキラキラ極まりない陽キャギャル感100%の暖簾の入口や外観に、思わず拒否反応を隠しきれなかった。

 つい最近まで男子中学生だった芽吹と秋人にとって、このギャルの必須コミュニティボックスは、男子が女子トイレに入るのと同じ次元の禁忌の場所。例え今現在の芽吹が女子だったとしても、プリクラという異次元空間は未知と驚異の空間なのだ。


「僕もプリクラはやったことなくて……。ちょっとやり方が分からないんだ。だからこれはまた今度にしない?」


「正直俺もこれはよく分かんねぇ。てか男が入っていい物なのか?」


「他のカップルの方々は仲良く中に入って楽しんでるようですよ?お二人はカップルなのでは?」


「ほぇっ!?いや……僕と秋人は……別にそういう……そこまで……な、なんというか……ねぇ?」


「いや、たしかに俺とハルはカップルだ」


「秋人!?」


 プリクラを前にやるかどうかでウダウダしている3人の後に、あやしい人影が……。


「そろぉ〜り……ぅうぉりゃあ!」


 突然うしろから抱きつかれた芽吹。


「ほえええええええっ!?」






 突然うしろから抱きつかれて驚いた芽吹は、うしろから抱きつかれたまま、ワタワタとゲーセン内を走り回る。そんな芽吹を他所に、正体を知った秋人とミヅキちゃんは、


「ビックリしたぁ……。夕夏か。てことは八乙女さんか?」


「全くあいつは……。すまない。あのアホを止められなかった」


「おつかれさん……。お嬢様(あいつ)の躾も大変だな」


「はあ〜……」


「またまた奇遇ですね。お二人もクリスマスデートですか?」


「何故そうなる?ただお店に行く途中だっただけだ」


「今日はバイトシフト入ってないよな?」


「芽吹ちゃんの働く姿が見たいから……と、夕夏(あいつ)が言って聞かなくてな。せっかくだから私も客としてお店のスイーツを楽しもうかと思って付いてきただけだ」



「僕になんか負ぶさってる。負ぶさってるよー!何これ何これ何これー!にゃああああ、こわいよー!」


「スゥ……ふぁ〜……芽吹ちゃんいい匂いぃ」


「いい加減やめんか!」


「いぃぃやぁだぁあああ!」


「夕夏!?」


 八乙女さんと秋人に力尽くで引き剥がされる夕夏だった。





「3人ともプリクラ初めてなの?楽しいよ?カワイイよ?やろやろ。みんなで入ろ!」


 プリクラならスマホより簡単だと言う夕夏が来たことで、芽吹と秋人はなし崩し的にプリクラをやることになってしまった。

 夕夏、八乙女さん、ミヅキちゃん、秋人、芽吹と。人数パンパンに入って画面に映った自分を見る。


「うわぁ……恥ずかしい……」


「芽吹ちゃん、これは恥ずかしがったら逆に恥ずかしいし勿体無い。修学旅行の時と一緒だよ。いろんなポーズとかとって楽しまきゃ!オッケー?」


「ぅ……が、がんばる」


 フレームやら加工やらいろんなオプションは全て夕夏に任せて、芽吹と秋人は慣れないながらもそれなりにポーズを変えて頑張った。八乙女さんは相変わらずクールに。夕夏とモデルのように表情もポーズもころころと変えていた。ミヅキちゃんも初めてのわりに楽しそうにいろんなポーズをして楽しんでいた。





 時刻はもうすぐ夜7時。完全に夜になり、街の景色はますますクリスマスムードを色濃く写していた。

 なんとな〜くで始まった僕と秋人とデートだったけど、ミヅキちゃんと夕夏と八乙女さんが合流して、人生初めてのプリクラをみんなで撮った。恥ずかしかったし、どういうポーズをとっていいか分からないまま、でも最終的に出来上がった写真を見てみんなで笑いながらゲーセンを出た。



「芽吹ちゃんと秋人はこの後まだどっか寄るの?」


「ううん。あとはお店に戻ってクリスマススイーツ食べる予定だよ」


「同じじゃん!アタシらもお店に行く途中だったんだよ。スイーツ食べに。彩雲堂の和風クリスマススイーツってどんなんだろうね?楽しみ!」


「だね!みんなでいろんなの食べれるといいね!」


「あ〜でも、芽吹ちゃんの男装姿を客目線で見れないのは正直残念かも」


「べ、別に僕のは見なくてもいいんじゃない……?」


「いいや。見れるなら見たい!キャラメルクリームよりスイートな芽吹ちゃんの男装!」


「キャラメルクリームより甘いの……僕?」


 謎に力説する夕夏のテンションにちょっとだけトホホな芽吹だった。






 

 彩雲堂に帰って来た芽吹たちは一つにまとめられたテーブルに座っていた。

 今夜は店長のはからいで芽吹たち新しいバイトメンバーを集めて、新人歓迎会&クリスマスパーティーをすることになっていたのだ。

 芽吹、秋人、夕夏、八乙女さん、ミヅキちゃん、出島、有馬の8人。バイトを紹介した園田さんは店員側で給仕をすることに。


「今メイン料理持ってくるけど、他に食べたいスイーツメニューがあったら注文していいよ。料理が食べ終わる頃に持って来れるから」


「そんないいんですか?」


「甘い物は別腹でしょ?」


「ワタシたち新人バイト風情がこんな嬉しすぎる待遇受けちゃって本当にいいんですか?」


「君たちはこの店の期待の新人だからね」


 夕夏の問いかけに蓮さんが優しく答えた。


「今日の蓮さんの服装って何がテーマなんすか?」


 園田さんが聞くと、


「これはねぇ、幕末から明治にかけての若旦那がイメージかな」


「ほぇ〜……」


「なんと……。まるで少女漫画に出てくるような男装の麗人……!」


「ぐはっ……!蓮さんイケメン過ぎて死ぬ!」


 イケメンな蓮さんの若旦那カッコいい……。


 蓮さんのイケメンぶりに見惚れていると、


「ヘイ、お待ちぃ!」


 楓店長が作務衣に前掛けの板前さんの格好で現れた。

 芽吹たちが座るテーブルに運ばれて来たのはお寿司だった。


「寿司だ!」


「寿司だけじゃないよ!こっちもご馳走だよ!」


 うしろから受付看板の真さんがもう一品運んで来てくれた。


「うおぉっ、ローストビーフ!?」


 霜降り赤身のレア具合が漫画みたいに色鮮やかなローストビーフだった。クリスマスパーティーとはいえ、純和風のスイーツ店でこれは珍しいと思った。


「これ全部楓店長が!?」


「いやいや……。私は寿司を握っただけだよ。って言っても本格的なのじゃないからそんなに期待はしないで食べて」


「そうです。店長のはその辺のスーパーで買ってきた魚の切り身を刺し身にして、ご飯と一緒にそれっぽく握っただけですからね」


「ちょっと真ちゃん、そこまで詳しくバラさないくれよ!」


「その点私のローストビーフはちゃんと時間と手間をかけて作ってますからね!」


「私だって美味しい魚が売ってるスーパー、遠くまで買いに行くのに時間かけたし、きれいな刺し身にするのも手間かかってんだよ?」


「ちょいちょいちょいちょい2人とも、なにで張り合ってんのよ。ストップストップ!」


 楓店長と真さんの子供っぽい張り合いを見て、男装をしてカッコいいだけではない、ちょっとだけカッコ悪い姿に親近感が湧き、みんなで思わずクスッと笑ってしまった。


「あはははははは!」






 メイン料理も美味しく楽しみ、次はデザートへ。

 まずは、抹茶をまぶしたマスカルポーネチーズのロールケーキと、あんことカスタードクリームを巻いたブッシュドノエルでクリスマスムードをみんなで取り分けて食べた。

 抹茶のほろ苦さとマスカルポーネチーズのロールケーキは、ティラミスを和風にした、とろけるような美味しさだった。

 次はお店のコンセプトを楽しむように和のスイーツで。

 外はカリッと、中はもちっと。きな粉とみたらしをかけた揚げ餅と、外は熱々サクサクで中はヒヤッと冷たい、バニラアイスの天ぷら。これは出来立て3分で賞味期限が切れるという店長の秘密の一品。スプーンで衣を割ってまずは一口。熱っ!冷たっ!の不思議なアイス。


「あふっ!あふぉっ!……冷たっ!?」


「アッツ!……って冷てぇ!?なんじゃこりゃ!?……あっ、でもうま!」


 味変で醤油をほんの少し垂らして食べると、なんとな〜くプリンのような味わいに変身。芽吹たちはこの不思議なスイーツを一口食べる度に混乱と感動を同時に味わい、食べ終えるとまたその不思議さと面白美味しい感覚にため息が漏れていた。


「こんなの初めて食べた……!不思議。でもめっちゃ美味しい!」


 シメは、一口大の小さな大福。ほうじ茶、緑茶、蕎麦茶の3種のお茶大福。それと濃いめの緑茶でゆっくりひと息。

 

「ふぅ〜……」


 みんな一様に幸せそうなため息が漏れた。


「美味しかったぁ〜!」


「本当美味しかったねぇ〜!」


「あと不思議だった。あんなの初体験だよ」


「喜んでもらえて何よりでした」


「私はね、甘くて美味しいものを食べて幸せそうな顔をする可愛い娘達を見るのが好きなんだよねぇ〜!」


 そう言って楓店長は芽吹たちを見て幸せそうな顔をしていた。今にもバニラアイスみたいにとろけそうな顔で。


「店長、顔が溶けてます」


「いやぁ〜、いいよねぇ〜。若い娘たちの笑顔って」


「あんたはセクハラおやじか!」





 続く……


次回の芽吹ちゃんは……

どうも。芽吹です。冬休み短いです。そして寒いです。僕は基本インドアなので冬休み中は出来ればずっと家でゴロゴロしたいです。でも夕夏や八乙女さん、秋人ともそれなりに会いたいです。どうしましょう……?

 

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