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咲き誇るはアザミの花

 命懸けだと昔の出来事をよく思い出す。楽しかった記憶は全て消え去り、良くも無ければ悪くもない事は継ぎ接ぎのように時系列が滅茶苦茶になって憶えていたり、悪い事ははっきりと記憶している。


 そんな感じで命を懸けいるおれは、


 これがクルガル山脈一高いと言われる――


「――オトリュスの頂上の景色か」


 疲れたよ。結晶人との闘争や己との闘争や戦場やらと、今まで経験した苦労の中でも群を抜いて苦労した。この達成感は誰も経験したことのないものとなるのだろう。


 と、凍り付きそうなおれの鼻でも懐かしい結晶の匂いを捉えられた。


「まさか……」


 おれの立っている足元に結晶の匂い。あの懐かしい結晶の匂いだ。


 おれは足元の雪をかき分けた。夢中でかき分けて、鉱石のような硬い物が指に当たった時だ。

そこにはあったのは結晶の碑石だった。


〝次代の獅子王よ。歩け、決して諦めるな。諦めぬ者には花が咲くものだ〟と、結晶人族の誰かが生成した結晶の碑石には文字が刻まれていた。


 こうして、おれは全人類で初めてオトリュスの頂上に立った……という自画自賛している気分は一転した。


 この結晶はお前だよな、ニレン。お前はどこまで先を見ているんだよ。


「待っていやがれ、ニレン・ユーサー・ペンドラゴン」


 いいや、待たなくていい。おれはすぐに追いつく、だからもっと先に行け。


「アザミ・アーサー・アルトリウス、その名付け親はお前なんだから、おれのことを忘れるな」

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