結晶人
<log>//<結晶人=武力>
かねてより、人間たちが始めた計画【結晶巣計画】。簡単に言うと『ヒト』の精子と卵子に結晶因子というものを組み込んでから、壜の中で人工授精させる。そうさせた後に人工子宮で育てる計画だ。もっと分かりやすく? ――人間たちが結晶人を生産する製造計画だ。その計画で第一世代から第五世代までの結晶人が現在までに製造された。
何のために造られたのかは、『最初は戦争のために造られた』としかおれには答えようがない。何かしらの隠された目的があったとしても人間たちの目的なんてものが結晶人の耳に入るわけもない、だから結晶人が頼れるのは豊かな想像力だけだ。おれのように想像力豊かな。
と、ここで結晶人の世代別に簡略化された文字列を見ていくとしよう。
第一世代(名称・ゴート):コンセプト・『従順で健気な生命』
第二世代(名称・ニフティ):コンセプト・『強く逞しく』
第三世代(名称・スール):コンセプト・『精神と肉体の強化』
第四世代(名称・ノヴァ):コンセプト・『より人間に近く、より強力な兵器に』
第五世代(名称・フロイデ):コンセプト・『神々を超えた新たな生命』
そんな感じで造られるから、お察しの通り世代ごとに製法と性能が異なる。結晶人の造り方をもっと詳しく種の部分から教えて欲しいというそこの君、それは【結晶原石】の話になるから、そこは後回しにしても構わないだろう。今でこそ情報量が多すぎて頭が過多過多と悲鳴を上げているだろ? 頭のネジが外れてしまったら頭から結晶が飛び出してしまうぞ。
とまあ、話を戻して――かつて結晶巣計画はシミュレーションによると第六世代まで実現可能となっていた。しかし、二十一年前に初めて第五世代のふたりの男の子が誕生してから、<第六世代の実現は不可能>と人間たちは答えを出したらしい。
結晶人の最終形態とも言える第五世代、コンセプトにある神々を超えた新たな生命。神の創造を超える第五世代の出現は、人間たちを次なる神として崇めるのに十分な成果となった。その成果と言うのも歴史の話になってくるから、今やっている結晶人についての授業とは関係なくなる。つまり、未来に語られることになるだろう。
そこで一つ言ってしまうが、おれはふたりいる第五世代結晶人のうちのひとりだ。その第五世代のおれは……と話そうと思ったが、おれの話をしても得られるモノは何一つ無いので一旦放置しておいてくれ。そっちの方がおれの気も楽なんだ。
どれ、まとめると――結晶人というのはクリティアス帝国の兵士だ。基本的には戦闘兵士だが、今では結晶人の製造や建物の建設や農業や林業や漁業と、あらゆる場面で結晶人が使われるようになった。まるで感情の無いロボットのように人間たちにこき使われているのが今であり、昔の結晶人より楽できるようになったのが今の結晶人だ。
それもこれも、もうひとりの第五世代の奴が存在したからという話になるので、『物語を観るときは他人に頼るではなく自分のあらゆる視点で観るんだ』と、あいつの言葉を借りておこう。
それで、結晶人として生まれたおれの感想は――(人間に使われるなんてまっぴらだ。おれというこころとカラダにまっぴらだ。結局は戦場に出て早死にだ)、その一言か二言かそれ以上の言葉で語られている。
</log>//このへんで結晶人の話は切り上げよう。後に結晶人についての設定が入るだろうけど、//気にしなくてもいい話だ――それでは諸君、未来に置いた話に移ろうか。
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