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〈表2章 勇者少年編 第2話〉

「宜しい。さすがね、ギル。」


「さすがじゃなくて、早くこれ、なんとかしてよ。」


ユキがちょっと不機嫌そうにしているのを見て、ギルはユキの周りに小さな竜巻を一瞬で発生させ、ユキにまとわりついている白い雲を吹き飛ばした。


突風に、「きゃっ」っと思わず声が漏れたユキを見てギルはニヤニヤしていた。


「何すんのよ!」


という声と同時にユキの拳がギルの顔にめり込み、ギルは後方に吹っ飛んだ。


それを見てエリは


「はぁ、ユキ、あんたはやっぱり格闘家の方が向いてそうね。」


とため息混じりに俯いた。


「いてて、やっぱりユキの拳は強烈だなぁ。」


殴られた顔を抑えながらギルが笑っていた。


「ふん、アンタなら避けたり、防御魔法で防げる筈でしょ?なにドMなの?」


「かもね。」


2人のやり取りを見てエリは再び大きなため息をついた。


「さぁ、まずはイメージの練習をしましょ。魔法は頭の中のイメージを具現化するもの。その具現化する為の時間や補助の為に詠唱があると話したわね。今日は何にしようかしら?」


エリが話し始めると、


「エリさん、見て、見て。」


ギルが右手の掌をエリに見せた次の瞬間、火柱が空に立ち昇った。


「ギル、あなた今の無詠唱?」


エリは驚いた表情でギルに問いかけた。


「うん、最近詠唱が面倒くさくなってきて、イメージを具現化する練習をしてたら……」


ギルが火柱の方をチラッと見ると、火柱は跡形もなく消えた。


「無詠唱は自分の得意な魔法を何度も何度も繰り返し、研鑽を重ねた末にやっと出来るものなんだけどね……あなたは魔法の才能も飛び抜けているわ。あなたならオリジナルの魔法が作れる様になりそうね。でもね、ギル1つだけ注意して。魔法はイメージを具現化させたもの。だから魔法使い本人の精神状態が大きく左右されるの。今みたいに和かな気持ちで出す炎と怒っている時に出す炎が違う物になる事を勘のいいあなたなら感じるでしょ?」


エリがギルの肩を抱き目を見て話しかけると、ギルは小さく頷いた。

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