6話
「サントリナ=アミさん、セリ=リアさん教皇様がお呼びです。直ぐに向かうように。」
入学初日に教皇に呼ばれる事は異常事態と言えた。
国の大多数の人は話す事すら出来ず、畏怖と尊敬の念を込めてその人物を称える。
さらに教皇は皇帝と同じ位である。
リアにとってはこれで2人目となる英雄へと邂逅であった。
「アミさんとリアさんですね?この部屋で教皇様がお待ちです。」
「は、はい!」
アミは緊張している様で、手と足を同時に出してしまっていた。
部屋に入るとソファには1人の美しい女性が座っている。
陽の光に照らされ白い髪は銀糸の様に輝き、周りの空気が浄化されているようだった。
「あぁ、来ましたね。」
そう言うと教皇は立ち上がり、見惚れる様なお辞儀をした。
「私は教皇スイレン=フィーデ。どうぞよろしくお願いいたします。」
「こ、こちらこそ!こんな私に頭まで下げていただくなど……!私はサントリナ=アミです!」
「僕はセリ=リアです。」
「そう固くならずにどうぞ?私がお呼びしたのですから。」
フィーデ教皇は微笑むと2人に席へと座る様に促した。
実を言うとリアには教皇が、皇帝がどの様に偉いか知識としては知っているが尊敬するまでには至っていなかった。
根拠の無い自信というものか、何故かそう思っていた。
「今日はお2人にお話出来ればと思い、この場を学園長にお借りしました。」
「話と言うのは……?」
カチカチに固まったアミをよそ目にリアはサッサと話せと言わんばかりに促す。
「ええ、お2人とも特殊な入学でしたから。」
サラッと学園の裏側を暴露したフィーデ教皇に驚く。
「え……?それはどういう事ですか?」
アミはどういう事か分からずに聞き返す。
「リアさんは……言うと学園長に怒られるので言えませんが、アミさんは面接のみ満点でしたので。」
まぁそうだろうとリアは最初から思っていた。
言っては悪いが貧民街の住民が容易く入れるほど学園は甘くない。
それは僕にも言えた話だが……恐らく僕にも何か理由があるんだろう。
お父さんやお母さん絡みの……。
「私がそんな理由で入学してたなんて思いもよらなかった……。」
今回フィーデ教皇は本当にお話をしたかっただけの様で世間話をしていたら終わってしまった。
中身のない様な面談ではあったがアミにとってはそれなりに重大だった様だ。
「私が……面接とスキルで特待なんて……。」
嬉しい様な悲しい様な顔をしているアミにリアは話しかけた。
「いいんじゃないの?その性格と精神が国に認められたって事でしょ?誇らしく思っていた方がいいよ。」
リアはリアなりに励ますが今までそんな経験は無かったのか少しズレた励まし方をする。
「そう……だね。」
スキルは基本的に幼少期に強く思い描いた未来の自分と性格が反映されると言われている。
例えばリアの父親であるノティスは《高潔》といスキルを持ち、母親のエーテルは《愛》を持っていた。
だからこそノティスは皇帝に信頼されていたし、エーテルはぽっと出のリアに対して優しかった。
しかし、問題はアミだ。
アミのスキルは《救国》。
何をどう考え、どう思ってそんな悲しいスキルを背負ったのか分からないが、リアはそれに触れようとも思わない。
ちなみに7人の英雄についてのスキルは今までわかっていない。
7人が7人とも決して話そうとしないらしい。
英雄ともあろう人がどんなスキルを持っているのかわからないがすごいスキルなのだろうと漠然と思うリアだった。




