4話
学園とは民間、貴族共に開かれた平等な学び舎であり、知識探求の場所でもある。
特に学園長であるライラック=センスは謎多き存在であり、女性なのか男性なのかわからないとも言われていた。
紛れもなく7人の英雄の1人である人だがその影は薄く、ほぼ誰もその姿を見た者もいなかった。
学園入学の為の試験は学力と面接。
割合はちょうど半分であり、教師は貴族であろうと貧民街出身であろうと平等に見ている。
リアは面接にはさほど自信が無かったが、学力には少々自信があった。
両親が処刑された後、その空白を埋めるために学業へと費やした。
学業以外やる事も無かったのが原因ではあるが今は置いておく。
試験はスっと始まった。
最初は学力検査であり、指定の座席へと座る。
隣でよく映える橙色の髪の女の子がオロオロしていた。
どうやら筆記用具を忘れたらしく焦っているようだったので書くものを何も言わずに貸してやると笑顔になった。
正直周りは身なりのちゃんとしてる人ばかりで話しかけていい雰囲気では無いのは僕にも解る。
試験問題は多少難しかったがそれなりに出来た感触があった。
1人で少々反省会をしていると書くものを貸した女の子が近づいてくる。
「困ってるところありがとうございます。周りは貴族様ばかりで話しかけずらくて……助かりました。」
そう言って頭を下げる。
こういう行動をするという事はこの子は貴族では無いのだろう。
「いや、大丈夫。入学出来るといいね。」
「……私には少し今回は苦重そうですけどね。」
どうやらそこまで頭が良くないらしい。
「私はサントリナ=アミと言います。もし私が入学出来たらこの御恩はお返しします。」
「僕はセリ=リア。お互いに入学出来たらまた。」
アミは頭をもう一度下げ、面接の準備に取り掛かっていた。
リアもそれを見て準備を始めた。
結果としてリアは入学する事は出来たが、周りは貴族ばかり、疎外感が否めない。
いくら平等と言っても根付いた価値観が違えば、問題も起こり得る。
「ん?なんだ……?」
校門の方で少し騒ぎが起きている。
近づいてみるとちょうど教師が仲介している所だった。
争っている2人を見ると片方はアミ、片方は恐らく貴族っぽい人だった。
あのアミが争うとは……と思ったが直ぐにそれは解消された。
「この女がオレの前を横切りやがったんだ!」
つまりはそういう事だった。
アミは全くの無実。清廉潔白も良いところだ。
「貴方の言い分は分かりました。親に言っておきます。退学になったと。」
僕はその一言に驚くが周りの野次馬も同じ様だった。
それほどまでに教師の権力が強いとは思わなかった……。
「な、お父様に言いつけたらお前なんてーー。」
「私なんてどうなりますか?私を解雇する事は学園長並びに皇帝様へと反逆です。一族諸共極刑にされたいのですか?それもまた学園長は喜びそうな話ではありますが……。どうします?」
「…………。」
黙るしか無くなった貴族は踵を返す。
教師も手を叩き、解散を促す。
ここでは平等。
貴族も貧民も無い。
学園長が全てであり、知識の探求をする場所。
文字通りの学園であった。




