43話
「それと、ルビアとかいう罪人。ここはそんなにヤワじゃないわ。こうなったのは私とあのバカのせいよ。」
「………そうか。」
ルビアはこの城を破壊しないように力を抑えていた。
デイニーも同じく抑えていたが、それとは比にならないほどの力を持つルビアにとって相手を殺すことよりも力を抑えることの方が大変であった。
「では本気でゆくぞイノ。」
「………。」
イノのスキルは《剣聖》《先読み》だ。
剣術の最高峰にして人間の持てる最高の戦闘力である。そして《先読み》は2秒先の攻撃が見えるというもの。
この2つを持つことによってルビアを追い詰めていた。
「………?」
しかし、いつまで経ってもルビアの攻撃が見えない。
すると突如、剣が弾かれ手が痺れる。
「ふむ、なるほど。こうやれば良いのか。」
「何をした!?攻撃が!」
「ある程度真面目に振れば『見えない事が当たり前』であろう?何を驚いている。そうとも何か、弱い敵ばかりと戦ってきたのか?」
「………。」
イノは唇を噛み締める。
ルビアの言うことは真実だ。
いくら未来の攻撃が見えても、それは同じ速度で見える。
つまり、現実のルビアの剣はイノには見えない。
「これならば『剣』を抜かなくとも良いな……。」
「何を言っている?剣ならもうその手に」
「こんなのは剣とは呼ばん。ただの鉄くずだ。」
ルビアは剣を床に突き立てる。
その豪華な装飾をしている剣はどう見ても業物の剣である。
「あの方から、リア様から頂いた剣を使用するのは勿体ない。貴様如きではな。」
「当たり前よ。そんなの使われたら私があなたを殺さなくちゃならないわ。」
コルは目を開けルビアを睨む。
「ですが、いいのですか?魔王に剣の事を知られても?」
「よい、もう知っておるだろうしな。」
「当たり前よ。」
フィーデはなんとかセードの攻撃を避けながらルビアを気にかけていた。
「後少し、それでお前は終わりだ。」
「………そうですね。私の力は無くなります。」
「ならその首を取るのみだ。」
セードは凄まじい槍さばきでフィーデへと攻撃するが上手く躱される。
「フィーデ。どうにも余はリアが気になる。魔王の言う事は信じられん。」
「ええ、そうですね。ならばこの戦いを楽しむ暇もないですね。」
「ああ。久しぶりに戦えそうなやつと出会ったが……まだ未熟であったな。」
「全くです。」
2人は微笑むとその牙をイノとセードへと向け始めた。




