31話
「どうしたのリア?」
「………ちょっと気になって。」
リアは窓の外を見て考えを巡らせた。
急に立ち上がったリアはアミの制止も聞かないまま学園長室へと向かっていた。
学園長室を開けると普段通りに学園長がベッドへ寝ていた。
「学園長。何か僕に隠している事があるでしょう?教えてくれませんか?」
「………どうしたんだい?急に。」
「コルの様子が気にかかりました。何か知っているのでしょう?」
「…………ボクに教える事は無い。」
「…………そうですか。」
センスが言わない事に少しイラつきを覚えながらも素直に手を引く。
「では。」
「…………。」
センスは言わないと決めたら言わない人だ。
ならばこの違和感は何だろうか?
校舎正門を見ると今から出ていきそうなコルを見つける。
リアは何考えずにコルの元へと走った。
「コル!」
「ん?リア、何か?」
リアは息を整えると慎重に言葉を紡ぐ。
「何処へ行くの?」
「家に帰るのよ?」
「こんな時間に?」
「ええ、早退ね。」
コルは具合が悪そうでもない。
「そう。コルは物知りだよね?」
「ええ、そうね?」
「ならさ、君は何者なのかな?そしてコルにとって僕とは……なにかな?」
「…………ああ。友達よ?私は私。コルね。」
「はぐらかさないで。僕は記憶が無い。その理由も知っているんだろう?」
「ええ、知ってるわね。」
「何故……僕は記憶が無い?」
コルは背を向け、一言呟く。
「それは私よりも教会に行く方が確実だと思うわ。」
それだけ言うとコルは歩いていってしまった。
「教会?」
教会は信仰をする場所と同時にスキルを確認する場所でもあった。
リアのスキルは自分でも分からない。
何か、確認してはダメだとわかっていた。
「…………。」
手をギュッと握るとリアはそのまま教会へと歩いていった。
「はい、どうぞ。何をしに今日は教会に?」
「スキルの確認がしたくて……。」
「………本日、教皇様がいらっしゃらないのでまたの機会にーー。」
「今日、お願いします。」
強気にリアは出る。
それに教皇フィーデが不在?
何かあったのか……?
「え、ええ。とりあえず枢機卿様に確認を取らせてください。」
「分かりました。」
確認を取っている間、リアは教皇が居ないことに疑問を抱いていた。
「あの、今日は何故教皇様が不在なのでしょうか?」
そこら辺にいた人を捕まえる。
「今日は……確か朝に英雄様が6人国から出ていったって聞いたけど……?」
「……ありがとうございます。」
英雄が6人も?
「リア様ー!許可が取れましたのでコチラへ!」
呼ばれたので確認をしてもらう。
スキルが紙へと勝手に書かれていく。
それを見てリアは硬直した。
「ルビア様。もうすぐ着きますが、魔族の襲撃が無いことが少し不思議です。」
「…………魔族は余達が半ば全滅させた。力の差が分かっているのであろう。」
「そうだといいのですが……。」
魔族は希少なスキル、金色の目を持っている。
「それよりも出ていく時のセンスの言葉が引っかかる。」
ホルテは腕を組み、頭をかたむけた。
「『あのセンス』がわざわざ忠告に来た。それだけで少し不気味だ。」
「確かに気にはなりますが……杞憂でしょう。」
「そうだといいが。」
ホルテは少し遠くに見える半壊しかけている魔王城を見つめていた。




