27話
「久しいな。貧民街のキャプテンとリア。今日は何の用だ?」
教皇フィーデと別れ、そのままの足で皇宮に来た。
「はい、お久しぶりです。ルビア様。本日はリア様の付き人として参りました。」
キャプテンはチラリとリアを見て促す。
「……今日来たのは商業ギルド長デイニー様の事、そして英雄様の罪についてです。」
「ふむ?私達、英雄の罪はこの様子だとフィーデに唆されたのだろうが……デイニー個人の話を余がする理由とはなんだ?」
「私は今、両親が処刑された理由も知っております。だからこそーー。」
「アレにデイニーが関係していると危惧している……か?」
「はい。」
ルビアは玉座に腰掛ける。
「なるほどな。理解は出来た。」
「では?」
「結論から言うと余個人の意見としてはデイニーは関係ないだろうな。これは自信をもって言えることだ。」
「それは何故ですか?」
ルビアは目をつぶると淡々と話し始める。
「あまり深いところの話はする気がないが……デイニー自身がアレを嫌っているから……という理由だ。」
ルビアは思い出話をする様に話す。
「あやつは欲深い。特に金が最も好きな人間であろうよ。ただ間違っている稼ぎ方はしない。それは金よりも大事なあやつのプライドを傷つける事となるからな。」
「デイニー様は欲よりもプライドを取ると?」
「そうだ。あれほど欲に対して忠実な人間も珍しいが……それ以前にあやつは英雄だ。英雄はそんな生易しいモンじゃない。」
滅多に人を褒める事が無いルビアに周りの兵士は驚いていた。
「もし、もしもデイニーが裏にいたならば英雄6人の力を持って叩き潰すと約束しよう。」
「ならば……革命軍はどうなるのでしょう?」
「革命軍か……正直余も困っている。」
ルビアは玉座から立ち上がるとリアへと近づき、他の人へと聞こえないように耳打ちする。
「革命軍は……魔族では無い。人間の組織だ。」
「………。」
リアにとってそれほど驚くべき事実では無かったが、この事実を秘密にする理由が皇帝ルビアにはあった。
革命軍が魔族であれば敵は悪と認識しやすく、皇帝の名のもとにルビアは統治しやすい。
しかし、革命軍が人間だった場合……反乱軍となり、不信感を持つ人間も出てくるとルビアは踏んでいた。
だからこそルビアは革命軍は魔族の残党であると言ってきた。
ルビアは玉座に戻りながら言う。
「それとついでではあるが……余は英雄達が言う罪の度合いとしてはそれぞれあると考えている。現に余は昔人間に対して暴力的であった。しかし、余が負ける事は無かったのだよ。それが余の罪である……とフィーデは言うのだろうな。」
「…………?ではルビア様はそれを罪としていないと?」
ルビアは頷く。
「では罪とは誰の目線の話なのですか?」
「罪とは……そうだな。『神』と『心』の目線なのかもしれなぬな?なぁ?記憶喪失のリアよ?」
ルビアは妖しく微笑むと奥の部屋へ言ってしまった。




