26話
教皇ともあろう人が『神』に対して懸念点を持っているという事実に驚いた。
「平等では無い……とは?」
「…………私達、英雄と呼ばれる人はスキルを1つしか持ってません。本来人には2つのスキルを持つはずなのですけどね。」
「……フィーデ様はそれを『不平等』だと?」
キャプテンは少しだけ目を逸らしながら言う。
「あぁ、貴方達が考えている『不平等』ではありません。私達に対して『有利となりすぎるため不平等』だと考えているのですよ。」
「ですが……2つあるスキルを駆使する事で、例えば生徒会長の様な戦い方が出来るのでしょう?なら不利なのではないのですか?」
「いいえ、私達英雄はそのスキル自体が存在しては無いならなかった……とも思えるスキルですので。」
ふふっとフィーデは笑う。
「ほら、リア様は見たでしょう?センスの殲滅力を。あの方は少し特殊ではありますが……あの方があの場で使ったのは木の枝でしたかね?それを少し動かしただけで辺りが更地となった。でしょう?」
リアは黙って頷く。
「ですが、何故1つしかスキルが無いのですか?生まれた時から1つしか?」
「いいえ、途中で……上書きされたのです。それが私達が、センスが自らを罪人だと称した理由でもあるのでしょうね。」
リアとキャプテンは首を傾げるとフィーデは再び喋り出す。
「私個人の話しか出来ませんが……私は仲間が殺された際に怒りました。それはそれは怖かったと後になって聞きましたが。」
フィーデはコロコロと笑いながら言う。
「ですがその怒りを……聖職者らしくない方向へと向け、そしてその時にスキルが上書きされた……。」
「…………強い感情……でしょうか?」
「あら?キャプテン。よく頭が回っているわね。その通りだと私は考えているのよ。だけど……。」
「他の英雄の方々はそれぞれの理由から言いたがらない……と?」
「ええ。」
それはそうだろう。センスも自身の罪だと言った。
その罪を大々的に言う存在は英雄となる資格が無いのだろう。
「聞きたいことは聞けたかしら?私達の罪の話。皇帝ルビアにも聞いてみなさいな。あの人なら答えてくれるかもしれないわよ?」




