21話
「…………。」
「教皇フィーデ様。お祈りの所申し訳ありませんが商業ギルド長デイリー様がお見えです。」
フィーデは顔を上げ、立ち上がる。
「ええ、今行きます。」
「あら、フィーデ。お邪魔してしまって申し訳ないね。」
「いえ、大丈夫ですが……何の用ですか?あなたが珍しい。」
「ええ、その事ですが聞くところによるとフィーデ。あなたワタクシの所の子に手を出したとか?」
「あなたの所の?……誰でしょう?」
「サントリナ=アミ。」
「…………。」
フィーデは口を噤む。
「別に害があると言って咎めに来たわけではありませんよ。ただ……何故あの子を?」
「…………あの頃から私には神が何を考えているのか分からないのです。」
「……ふむ。あなたが……?」
フィーデは頷く。
「同じ英雄であるあなたならば解るでしょう?私達は罪に汚れている……しかし、それをお許しになった。」
「ええ。」
「しかし……魔族との種族戦争。あれから様子がおかしくなりました。」
デイニーはそのふくよかな体を揺らしながら考える。
「ワタクシはあのお方が正しいと言ったからこそ着いて行く事を決めた。しかしそれが間違っていた……?」
「信じたくは無いですし……デイニー以外に言える様な内容でもありません。ですのでご内密に……。」
「それはそうね。」
デイニーは立ち上がると部屋を出ていこうとする。
「……今日は珍しくアクセサリーをあまり付けていないのですね。」
「今日は話し合いに来たから……ね?それなりの礼儀はワタクシにもありますよ。」
2人は笑い合うとデイニーは今度こそ部屋を出ていった。




