閑話:ノティス
私は代々続くセリ家だ。
セリ家の子供は全て警備隊へと入隊する。
《高潔》というスキルがセリ家を縛る呪いのようなものだと考えた事もある……が、それは大人になってから間違いだったのだと気が付かされた。
私の妻であるエーテルを救い出したのは大した考えや思いなど無かった。
ただそこに愛するべき存在がいると運命とやらが指し示した様だった。
エーテルには私の仕事を詳しく話していない。
警備隊と言っても様々な役割がある。
特に私は特別であった。
私の上司は警備隊長であるアリア様、皇帝であるルビア様だ。
それ以外に上司はいない。
アリア様は警備隊長と言うべき存在などでは無いように思える。
あのお方は優しすぎるし、私の警備隊としての任務に気を使ってくださっている。
その配慮は心の底から嬉しいが、そうもいかない。
特に今回の任務に関しては……。
近頃、革命軍とやらが活発になっていると注意を受けた。
事前知識として革命軍は英雄様の戦い、通称『種族戦争』。
その残党である魔族が手を引いているとされている。
魔族は金色の瞳に残虐な性格とされているがそれは定かではない。
現に私は魔族という存在をこの目で確認などした事が無かった。
皇帝様から託されたリアという存在はどこか歪であった。
そう、心が無いような……?
記憶喪失と言ってもここまで酷くなるものなのだろうか?
なっている人を初めて見たし、なった事も無いのでからっきしだが……。
だが、元気そうなので一安心している。
最近、エーテルの様子がおかしい。
リアも疑問に思っているようだが……私も何がおかしいのかよく分かっていない。
だが、まさか……?




