20話
「あの生徒会長を倒す実力もあるし、少しぐらいマジメにやっても大丈夫だよな……。」
ホルテはブツブツと呟き、いつまでも剣を抜かない。
「ブツブツ言う前に剣ぐらい抜いたらどう?もう始まってるんですけど?」
イライラしていたコルはホルテへの闘志を剥き出しにしている。
「あぁ、悪いな。どの程度力を出したらいいか迷ってたんでな。死なれたらセンスに怒られちまう。」
コルの頭に血管が少し浮き出ていたが、それでもホルテは喋るのを辞めない。
「お前如きが、俺に、英雄に勝てるなんて思うなよ。想像してるよりも遥かに上だ。」
「………。」
コルは遂に黙り、一瞬でホルテの懐へと入り込み剣を振るう。
「もっとさ、実戦を積んでいかないと壁にぶち当たるぞ。」
コルの連撃を軽く避けるホルテは余裕そうに喋り続ける。
「ほら、例えばこういう事とか。」
「っ!」
ホルテは地面を蹴りあげて砂をコルへとぶつける。
「今なら瞬殺出来たぞ。ほら、さっきやったみたいにスキルうちな。」
「…………。」
見るからにイライラしているコルは生徒会長を倒したスキルを使おうとする。
「…………似てんだよなぁ。でも根本が違う。」
ボソッとホルテは言うと初めて拳を構えた。
「全力で来いよ。その全力を受け止めてこそ俺が英雄たる証だ。」
コルが剣を振り下ろすと凄まじい光が辺り一面を破壊する。
一瞬でホルテの元へと光が届くが、それでもホルテはニヤリと笑った。
「懐かしいもんだ。」
光が無くなるとそこには片腕を突き出した形で立つホルテの姿があった。
「…………さっきは煽っちまってすまないな。この痛みは本物だ。色々と聞きたいことがあるが……またの機会になコル?」
全力でスキルを打った弊害かコルは疲労して座り込んでしまっていた。
どう見てもホルテの圧勝だったが何かをホルテは探り入れていた奇妙な感じがコルの中に残っていた。




