表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人の願望と苦悩  作者: 夜
14/53

閑話:エーテル

私は侯爵家の娘として生を受けた。

女性として生まれたために侯爵の相続権など無く、嫁に行く事を願われ、そして私もそれを許容していた。

故に幼い頃から私は社交会には出席し、人脈を作るように強要されてきた。

しかし現実は甘くなかった。


ある人は私の桃色の髪が嫌だと言った。

ある人は私の青緑色の瞳が気味悪いと言った。

ある人は私の性格が気色悪いと言った。


どん底に沈んでいた私を救ったのは人でも無く、皆が癒される自然でも無かった。

私が救われたのは何処か普通の犬だった。


いつもの社交会の帰り道、道端に倒れている犬を偶然見つけ、両親に秘密にして手当をした。

そして初めてエーテルは「愛」を知ったのだ。

あちらがその感情をくれるのなら私はそれを返そう。

そしてエーテルは犬を愛した。


エーテルが周囲から犬にしか興味が無い変人だと囁かれる様になった頃、犬が死んだ。

老衰だった。


自室に閉じこもり、周囲の声を遮断し、悲しみに耽っていた少女へ1人の男性が話しかけてくる。

「私は貴方の気持ちが痛い程分かります。どうかこのドアを開けてくださいませんか?」

「…………。」

一向に返事をしないエーテルに向かって再度声をかける。

「そちらがその気なら私にも対抗策を。」

男性は一時何処かへ行くと再び戻ってくる。

そして間髪入れずに斧をドアへと叩きつけた。

木で作られたドアはその耐久性虚しく大きな穴が空いてしまった。


「ほら、私に対抗策があると言いました。」


そしてその人は黒い髪と青い目を靡かせて私に言い聞かせた。


私はその桃色の髪が好きです。

私はその青緑色の瞳が好きです。

私はその性格が大好きです。


そして、私は貴方が犬に向けた気持ちを私に向けてくれる事を願っています。



ある時旦那が1人の少年を連れてきた。

私は無意識にその少年とかつての犬を重ねてしまった。

それは《愛》というスキルがあるからか、それとも私の本来の気持ちなのか遂には解らなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ