11話
いよいよ今日からトーナメントが行われる。
出場する選手はかの英雄と戦うことを夢みて出場するのだろう。
トーナメントには生徒だけが出場出来るため、戦い慣れている選手などいない。
だが、観戦には冒険者や警備隊に人気である。
それはかつての自分を見ているようで懐かしいのか酒のつまみにしたいのかは各々だが毎年決勝は白熱する。
トーナメントのルールは相手を殺害や後々に残るような障害を起こさなければ何をしてもいい。
だがそのようなことが起こった場合は死刑になる可能性すらあるため、そもそも鉄の武器を使う人自体が少ない傾向にある。
つまりは地面を蹴りあげての目くらましは勿論、布を使った絞め技も有りである。
トーナメントは武術の種目では無い。
戦闘面に特化した戦いと言える。
「では、トーナメントを始めます!!」
開会式が始まり、リアとアミはボーッとそれを見ていた。
見ている分には無料であるし、少しは興味が2人ともあった。
「1回戦始め!!」
「今回は生徒会長も出るんだよね?」
「うん、そう聞いてるよ。やっぱり英雄と戦いたいんだと思うけど。」
「そうかしら?違う目的があるのかもよ?」
「……え?誰です?」
アミは一瞬驚いたが冷静に対応した。
その白い髪と真っ赤な目は対照的でよく映える。
「あれ?見たことがある……あ、ベンチで友達を慰めていた人だ。」
「あ、あぁ……。あれね……。」
「ふーん、知り合いなの?」
「いや、僕はただチラッと見ただけ。」
「ええ。私は知らなかったもの。」
アミはその女性の手を握る。
「私はアミ。貴方は?」
「私はコル。トーナメントにも出るから応援してね。」
「選手がこんな所で油打ってていいのか?準備とか。」
「大丈夫よ。1回戦はもう余裕だもの。」
大した余裕を見せるコル。
「それで違う目的があるかもって何?」
「……ただの思いつきよ。思った事を声に出しちゃっただけだから。」
「ふーん。」
「それじゃ私はそろそろ試合だから、行ってくる。」
「頑張ってねー。」
アミはその性格の割には冷たい対応をするなと少し疑問に思ったリアだった。




