10話
いよいよ学園祭が始まった。
露店などが建ち並び、どれも美味しそうに見える。
「似合ってる似合ってる!」
「…………。」
かくいう僕のクラスはカフェの接客をする事になっていた。
アミは執事の格好をしていたが……僕に手渡されたのはフリフリのレースが付いた白いメイド服だった。
根負けして僕は着たのだが、なにやら評価が高かったらしく周りの女子が騒いでいた。
僕は頭を抱えながら営業時間になるのを待った。
「こうして話すのも久しぶりじゃないかアリア?」
「ええ。貴方は何時も生死の境を彷徨っているじゃないの。」
「ははは!間違いない!」
青色と白い髪の2人は楽しそうに学園のベンチに座っていた。
「貴方が死ぬとは思わないけど……それでもあの環境を尊敬するわ。」
「どうも。私だけの力な訳がないよ。魔物の襲来と共に消える命、救えなかった……。私が殺している様なモノだ。」
「だからこそ私は尊敬するの。私では……挫けてしまうから。」
「…………。」
警備隊長としてのアリアという英雄は国民には強く、美しい女性という偶像を写し続けている。
しかし、軍隊長のミセリーから観るアリアという女性は何処か儚く、触れたら壊れてしまいそうだった。
「さて、久しぶりの休暇だ。明日からはトーナメントもある。私はそれを見る事も仕事だ。今日は付き合ってもらうぞ。」
「ええ。でもその前に……。」
「…………あぁ……来たのか。」
「ええ。私は来たくなかったけれど、来なきゃ行けなかったのよね。」
「まぁまぁアリア。そう言うなって。センス学園長も時々起きてるんだしさ。」
「…………。」
警備隊長アリアは少し不満そうに黙る。
ここは学園長であるセンスの部屋。
学園に来たのだからかつての戦友に挨拶しようと思い尋ねたのだ。
「学園祭……楽しんでね。」
「ああ。存分に楽しませてもらうよ。」
それだけ言うと2人は部屋から出ていった。
「…………。」
センスは少し不満げな顔をしたが、直ぐに寝てしまった。




