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二人の願望と苦悩  作者: 夜
12/53

10話

いよいよ学園祭が始まった。

露店などが建ち並び、どれも美味しそうに見える。


「似合ってる似合ってる!」

「…………。」

かくいう僕のクラスはカフェの接客をする事になっていた。

アミは執事の格好をしていたが……僕に手渡されたのはフリフリのレースが付いた白いメイド服だった。

根負けして僕は着たのだが、なにやら評価が高かったらしく周りの女子が騒いでいた。

僕は頭を抱えながら営業時間になるのを待った。



「こうして話すのも久しぶりじゃないかアリア?」

「ええ。貴方は何時も生死の境を彷徨っているじゃないの。」

「ははは!間違いない!」

青色と白い髪の2人は楽しそうに学園のベンチに座っていた。

「貴方が死ぬとは思わないけど……それでもあの環境を尊敬するわ。」

「どうも。私だけの力な訳がないよ。魔物の襲来と共に消える命、救えなかった……。私が殺している様なモノだ。」

「だからこそ私は尊敬するの。私では……挫けてしまうから。」

「…………。」

警備隊長としてのアリアという英雄は国民には強く、美しい女性という偶像を写し続けている。

しかし、軍隊長のミセリーから観るアリアという女性は何処か儚く、触れたら壊れてしまいそうだった。


「さて、久しぶりの休暇だ。明日からはトーナメントもある。私はそれを見る事も仕事だ。今日は付き合ってもらうぞ。」

「ええ。でもその前に……。」



「…………あぁ……来たのか。」

「ええ。私は来たくなかったけれど、来なきゃ行けなかったのよね。」

「まぁまぁアリア。そう言うなって。センス学園長も時々起きてるんだしさ。」

「…………。」

警備隊長アリアは少し不満そうに黙る。

ここは学園長であるセンスの部屋。

学園に来たのだからかつての戦友に挨拶しようと思い尋ねたのだ。


「学園祭……楽しんでね。」

「ああ。存分に楽しませてもらうよ。」

それだけ言うと2人は部屋から出ていった。

「…………。」

センスは少し不満げな顔をしたが、直ぐに寝てしまった。

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