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英雄と罪人
むかしむかしある所に7人の英雄がいました。
ある人は多彩な攻撃を行い、ある人はひと振りで山を崩しました。
魔族の王を血肉に変えた戦士は言います。
「私はこの人よりも罪を冒した。これは断罪されなければならない。」と。
ある人は言いました。
「その罪を余は許す。それを許容するからこそ、出来なければそれは許す事にはならない。」
罪人は涙を流し、忠誠を誓います。
7人はそれぞれに忠誠を誓い、国を作り上げました。
あるひとつの目的の為、あるいは自身の贖罪の為。
「これがこの国の成り立ちと言われる物語だ。テストに出ると思うから覚えておけよ。」
教師は嫌味ったらしく言うと板書を直ぐに消した。
「せんせー。消すの早いです。」
教師はチラリと生徒を見るが気にも止めない。
所詮物語は物語。
それを構成するのは理想であり、国にとって都合がいいのだ。
それを生徒は解っていない。
そう教師は思う。
生徒は呆れかえり、窓から空を見上げる。
その空は太陽は雲に隠れ、光を遮った。




