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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
第一章 出会い
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自分の心の奥の奥

ある夜、禰衡が郭嘉を呼び出した。

馬正と項樊が寝静まった後のことである。


「散歩でもしようぜ。いい所見つけたんだ。」


「何が狙いだ。」


「とって食やしねえよ。疑うなら勝手にしろ。」


郭嘉は小刀を懐に忍ばせていくことにした。

あの禰衡のことなので騙し討ちを警戒してのことである。


二人は歩み始める。

禰衡が口を開く。


「俺様は他の奴らみんな馬鹿だと思ってる。本当に賢い奴ってのは一握りだ。お前も俺様より下だろうと思ってんだ。」


「ご高説どうも。お前に評価されるために生きてんじゃねーよ。馬鹿で悪かったな。」


「まあそうカリカリすんなよ。こう見えても俺様にも悩みがあるんだよ。俺様の話について来れんのがお前だけなんだよ郭嘉。」


「相談したいならまずその傲慢さをなおしたらどうだ。」


「まあまあ。目的地に着いたぜ。」


そこは繁華街だった。

立ち止まったのは賭場の前であった。


「俺は博打はやらねえぞ。」


「ちげえよこっちだ。」


向かいの碁場を指さす。


「お得意の腹の探り合いといこうじゃねえか。」


「かかってこいよガキが。」


二人は碁盤を挟んで座る。

お互いに今にも掴みかかりそうな殺気を放つ。

碁場全体に張り詰めた空気が漂い、その場の全員が二人に釘付けになった。


「悩みってのはな、この状況そのものなんだ。」


禰衡が先手で打つ。

その途端に周りがざわめく。


「…悩んでるならそんな挑発的な手をいきなり打たないと思うんだが。」


郭嘉がその挑発に乗ったと言わんばかりに碁石を打つ。

すぐさま禰衡が返す。

一手打つごとに外野がざわつく。


「俺様が天才なのは間違いない。だからそれを踏まえて行動してるだけだ。」


「天才なのは認める。だが自惚れて敵を作りすぎだ。わざととしか思えない。自分をけなされて怒らない人なんてほとんどいない。」


お互いに碁石を打つ力が強くなる。

周囲の人々は盤面に釘付けとなり、進行を書き記す者も何人か現れ始める。


「お前もその例に漏れずな。俺様は事実を述べてるだけだぜ。自分に才がないと悟ったなら向いてる職を探せばいい。」


「お前は自分が最も優れているとでも思ってんのか。自分だけが正しいのかよ。」


「誰でもそうだろうが。どれだけ名士と称されても、どれだけ儒教に精通していても、結局は自分が一番可愛いだけなんだよ。それをさも自分は違うかのように振る舞う奴らが嫌いすぎて虫唾が走る。お前に士官するように使者を寄越した曹操だって大したことはない。その側近の荀彧だって、見た目がいいだけだから葬式場の前にでも立たせてればいいんだ。誰も本当に自分以外のことを考えてる奴なんていねえ。だからこそ俺様は自分に正直に生きるんだ。」


盤面は郭嘉が押されていた。

段々と禰衡の言葉の勢いが増すにつれて郭嘉が悪手を誘発される。


「お前は自分を貫いて立派だよ。俺もお前の言う、形だけの名士なのかも知れねえな。結局は自分の身が可愛いだけなのかもな。だがな…。」


郭嘉の雰囲気が変わる。


その一手で盤面はひっくり返った。


一瞬、沈黙があたりを包みすぐに歓声へと変わった。


「お前みたいに他人を貶してでも自分の才能を誇示するような、そんな生き方をするつもりはねえ。俺は俺の夢の実現だけに生きるんだ!」


対局は郭嘉の大勝。

序盤の劣勢、禰衡を喋らせたこと、打つ力を強めて余裕のないように見せること、全てが勝ちへの布石であった。

禰衡は優勢に慢心し詰めを誤った。


「はっ、また俺様の完敗かよ。郭嘉、いや奉孝。お前を甘く見てたぜ。見くびってたことを詫びよう。」


「禰衡。お前は気に食わねえ。だが芯が通ってて自分だけに忠実なのは脱帽する。どうせ悩みってのも俺と普通に話したかっただけなんだろ。」


「さあな。ご想像にお任せするぜ。」


名もなき碁場で歴史的な対局を目にした者たちは浮き足立っていた。

二人はその場を尻目に立ち去った。


「禰衡、今後このようなことがないように少しだけ建前ってもんを身につけろ。自分に嘘をつくのではなく、相手にとって都合の良いことだけ切り取って話せ。言えなかったことは俺に陰で話せばいい。」


「まあやれるだけやってみるがな。嫌われたくねえ奴にだけそうすればいいんだろ。」


「今はそれでいい。あと俺はお前を全面的に信用したわけではないことを覚えておけよ。」


「はいはい奉孝殿。そのうち実力で見せつけてやるさ。」


夜の闇が二人を包む。

決して固くはなくすぐに崩れそうな絆。

されどこの天下にとって大きな意味をもつ絆がここに結ばれた。

仲良し度0%から5%といったところでしょうか。

禰衡は本当に何を考えてるのかわかんないです。

書いててわかんないです。

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