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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
最終章 乱世の行く末
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次の道

初戦は全方位勝利との報告が馬正へ入る。

朝廷は余力を残しており、戦いの状況に応じて援軍を送る予定であった。

しかしどの方面も計略によって敵を退けたとなると援軍の必要はないと思われた。

しかしここで馬正は一つの可能性を考える。


「許昌、赤壁は問題ないと思うが、洛陽は未だ兵力差は圧倒的。さらに相手からの投降もないとなると事態は良くない。となると至急援軍を送るべきは洛陽だな。」


馬正はすぐさま援軍の手配をする。

軍を率いるは劉璋とその配下、張松。

益州の兵らとともに長安から洛陽へ急行する。


焦る馬正とは打って変わって皇帝は勝利を素直に喜んでいた。


「よかったではないか馬正。おぬしの采配が的確であったおかげで初戦は勝利だ。さすが安帝将軍だな。」


「しかしどこもまだ撃退に至っておりませぬ。特に洛陽は未だ兵力差があり、他ニ方面と違って投降者もおりませぬ。まだまだ安心はできません。」


「まあそうではあるがな。しかし勝利は揺るがぬ事実、ここは朕が直々に書状をしたためて送ろう。防衛戦では士気が何より重要であるからな。」


皇帝は三方面への激励と感謝の書状を書く。

劉璋はそれを持ち洛陽へ、他二方面は使者を立てて持って行かせる。

さらに救援物資も全方面へ送り、さらなる防備を固めるよう伝令する。


相手がどのような策を用いてくるかわからない以上、引き続き最大の警戒を払わなければいけない。


洛陽、火計成功の少し後。

なんとか洛陽へ帰還できた項樊は馬から降りるとその場にへたり込む。

禰衡と法正がすぐさま駆けつける。


「お前のおかげでなんとかできたな。怪我ねえか?」


「大丈夫です。少し疲れただけでございます。」


「念のため軍医の診察を受けておけ。あと今日はゆっくり体を休めろ。」


「孝直殿、かたじけない。正平殿もお気遣い感謝いたします。」


項樊は軍医の元へ向かっていった。

禰衡と法正は、火計が成功したからといって勝利したわけではないことをわかっていた。

未だ矢による攻撃は続けているが、それも限界がある。

火矢を放ったとしてもいずれは鎮火されて、荀彧らの司令系統と連携を取られるとこちらに勝ち目はない。


曹操軍へは大打撃を与えたが、それでもまだ戦闘可能な兵は半分以上残っていた。

しかし禰衡と法正はとっておきの秘策があった。


「さて、そんじゃ始めますか。」


「項樊の次は俺たちが命を懸ける番だ。」


禰衡は少数の兵を集めて決死の作戦を敢行する。

それは禰衡がいつぞやの時、法正と交わした約束が果たされる作戦であった。


許昌、徐庶が投降した後。

張飛、関羽、趙雲を撃退し、張飛は戦闘不能まで追い込んだが、諸葛亮による兵器の苛烈な攻撃は未だ止まなかった。

櫓だけでなく、補強された雲梯や衝車も出撃し始め、突破されるのは時間の問題だと思われた。


しかし徐庶が劉備軍の作戦を事細かに魯粛、賈詡に伝えたことで事態は一変する。


「歩兵を率いているのは張飛と関羽、趙雲だ。今や張飛は戦闘不能、関羽と趙雲は撃退しました。つまり雲梯で登ってくる奴らは大したことがない。これらは全て陽動なんだ。本命は地下道。関羽と趙雲はそこから攻めてくるつもりだ。」


徐庶が魯粛と賈詡が思いもしなかった可能性を伝える。

確かに弓兵は櫓から矢を放っているが、雲梯で登ってくるのはごく少数しかいなかった。

関羽や趙雲も出撃する様子もない。

つまり別の進軍路の確保を待っていると考えられた。


「それならば話は早い。適度に兵器を破壊しつつ、地下道への対策を進めていけばよろしいのだな。」


魯粛は早速地面の防備を固める。

孟達は未だ兵器と敵兵の対処に奔走しているのでそのまま続けてもらう。

賈詡は徐庶と次の策について話し始める。

降将同士の方がやりやすいであろうという魯粛の配慮である。


劉備軍は徐庶が投降したことを知ると、諸葛亮が作戦を変更する。

きっと地下道のこともバレてしまう。

ならば裏の裏、雲梯で乗り込んでそのまま城を落とす。

上手くいけばすぐに決着をつけられる。

関羽が素直に話を聞くならば。


赤壁、周瑜と郭嘉の策が成った後。

燃え上がる船団を突き抜けて馬騰は敵本陣へ迫っていた。

更に白率いる猛虎団は敵本陣周囲で潜伏しており、馬騰の到着に合わせて飛び出す手筈だった。

孫権は黄蓋を救出する方針としたが、戦が長引いてしまうことに対して周瑜は懸念していた。


張昭は馬騰の突撃に対策するため、韓当と周泰を本陣近くへ集める。

馬騰さえ倒してしまえば相手の戦力は大したことはないと踏んで馬騰を倒すことに専念する。

韓当は黄蓋の救出に意欲的で、馬騰を撃破することに燃えていた。

孫権軍全員が馬騰に注目すればするほど白の奇襲は意味をなす。

郭嘉はそれを狙っていた。

しかし周瑜が孫権にある提案をする。

それにより思わぬ形で終戦を迎える。


郭嘉へ周瑜自身が使者となり交渉を持ちかける。


「殿が決断された。黄蓋殿を解放してもらう代わりに、こちらは軍を退く。そしてこれから同盟関係を結ぼう。」


全て郭嘉の計画通りだった。

これが理想の形。

連合軍は元より劉備が無理矢理繋ぎ止めた軍。

その中でも孫権軍は独立の意思が強かった。


「その要求は飲む。黄蓋は解放しよう。しかしお前個人として、張昭はどうするつもりだ?」


「それは大丈夫だ。とにかく交渉は成立ということだな。」


周瑜は陣を後にして河を渡っていく。

郭嘉は馬騰と白に退却の命令を出す。

しかし張昭は未だ戦意に溢れており、韓当と周泰を引き連れて撤退する馬騰を独断で追撃する。

孫権の命令に従わずに、功を焦って突出していた。


「やむをえん。迎撃だ。」


馬騰は隊を反転させて迎撃の構えを取る。

船上であっても騎馬部隊はその強さを遺憾なく発揮し、ついに韓当と周泰の軍を打ち破る。

韓当、周泰は逃げ切れたが隊は壊滅。

張昭はその指揮を独断で取ったとして罰せられ失脚することとなった。


周瑜、孫権両方にとって邪魔であった存在を排除したことによりそれ以降の交渉は円滑に進んだ。


三方面作戦のうち赤壁の戦いはここに終結。

孫権軍とも同盟を結んだことにより江東に対しては警戒を要さなくなった。


郭嘉らは赤壁より撤収。

長安へ向かうこととなる。

郭嘉、白、馬騰、劉表による活躍で一つの軍を抑えた。

それぞれ、他の方面に向けて援軍として派遣されることとなるが、まずは長安にて報告、そしてしばしの休息が与えられることとなる。


孫権軍は密かに徐州の支配を狙っていた。

そして劉備軍の背後を取れることもあり、すぐに行動に移すこととなる。


乱世の収束が目前へと近づいていた。

毎日投降できなかったけど今日二話投稿するからヨシ。

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